第2585号 2004年5月24日


合格体験記――国家試験を振り返って

匿名希望(千葉大学医学部卒)


 国家試験に合格して,思うことを簡単に述べさせていただきたいと思います。

 まず国試の勉強法としては,過去問集を解く,模試に参加しきちんと復習をする,実習をおろそかにしない……などとよく耳にしますが,何を勉強の中心にするにせよ,常に病態生理を意識しながら進めていくことこそが,時間はかかっても確実に基礎を固め,知識を積み重ねていくことにつながるのではないかと思います。病態生理をしっかり理解していれば,類似疾患を鑑別する際や,名前も聞いたことがないような疾患に当たった時でも応用が利き,結果的に効率がよいのではないでしょうか。国試で点を取るためにはテクニックが必要なところもありますが,国試対策ということに振り回されず,まずは基本を押さえることが着実に合格するための第一歩です。

 次に,病院実習・マッチングについては,これまた鉄則ですが,見学・実習自体が勉強の場であることを忘れず,手技はもちろん様々な症候や疾患をみるチャンスと考えてください。そして,自分がどのような研修を受けたいか,どのような医師をめざしたいかというイメージを得ることも病院実習の大きな目的です。就職活動を兼ねて複数の病院を見学する方も多いでしょうが,単なる就職活動にはせず,明確な目標を持って有意義な実習を行ないましょう。

自分のペースを守る

 試験直前の過ごし方ですが,何をやったらいいか,については必修なり公衆衛生なり苦手分野なり何をやってもいいと思いますが,気をつけていただきたいのは,予備校の直前情報・直前講座などに必要以上に惑わされない,ということです。かなりの量の情報が流れてきますが,とてもすべてを処理できるものではありませんし,またあやふやな知識を植えつけられることで試験中に迷いが生じることもあります。確かに,直前情報は当たることもありますが,必ずしも有益なばかりではないということを知っておいてください。個人的には,試験前日は苦手分野や模試の総復習など,自分のペースでの勉強をした方が精神衛生上もよいのではないかと感じました。

 生活リズムについては,少なくとも数週間前から朝型にし,試験前日は十分な睡眠時間を確保しましょう,ということがよく言われます。これに付け加えたいのは,まず朝型になりきらなくてもあまり気にしないことです。色々考えてしまって寝付けなかった,ということもあるのではないでしょうか。また,試験というのはかなり体力を使うようで,1日目より2日目,2日目より3日目とだんだん疲れがたまっていくものです。試験の後は間違い直しなども大事ですが,ゆっくりその日の疲れをとって次の日に備えましょう。

 細かいことを色々書きましたが,結局大切なことは,自分なりの目標を持ち,自分なりのペースを守り,着実に知識を積み上げていくことです。模試や友達との勉強会などで周りの様子を窺いつつ,自分主体の勉強をしてください。決して国家試験という名に惑わされず,医師になるために最低限必要な知識や考え方を身につけ,皆さんが医師になられることを祈っております。