第2583号 2004年5月10日


新たな地平に立った国際消化器内視鏡セミナー

「The Yokohama Live 2004」開催


500名を超える参加者が,臨場感に魅了される

 「The Yokohama Live 2004」-3rd Yokohama International Endoscopy Conference With Live Demonstration(第3回国際消化器内視鏡セミナー)が,さる2月20-21日の両日,新横浜プリンスホテルで開催された。

 主催者は,course directorの工藤進英氏(昭和大横浜市北部病院消化器センター長・教授),共催は昭和大消化器内視鏡国際研修センター(ILCE)。

 このライブは,昭和大北部病院消化器センターから会場へ中継される「上・下部消化管内視鏡」および「胆膵内視鏡」の診断・治療のライブ放映と,それを受けた術者・コメンテーター・会場参加者による同時討論という構成で行なわれ,ライブ会場は臨場感溢れ,国内外から参加した500名を超える消化器内視鏡医を魅了するものとなった。

術者の高度な臨床判断と的確無比な技術を堪能する

 今回のライブでは,「内視鏡の挿入・挿管法・診断法」だけではなく,各種「切開・剥離法」(endoscopic submucosal resection)をはじめとして,従来の内視鏡的粘膜切除術(EMR),EUS-guided fine needle aspiration(EUS-FNA),胆石診断・治療を含む各種胆膵内視鏡治療法,上部消化管および胆道狭窄症例に対するステント治療など,上部・下部・胆膵にわたる最新の治療法を中心とするライブ・デモンストレーションであった。

 24名におよぶ患者への十分なインフォームド・コンセント,合併症を含む事前の診断,治療期間の考慮,患者状態の慎重・的確な判断などが求められることなど,主催側の周到な条件準備が必要である一方で,術者にとってはリハーサルなしの診断・治療である。患者全体像の把握,各種治療技法,さらにbleedingに対する冷静沈着な止血法の駆使などを含め,臨機応変かつ即応の判断と技術が求められたが,いずれの症例においても成功裡に終了し,参加者は緊迫した施術場面での術者の高度な臨床判断と的確無比な技術を堪能した。

 また,このライブ・デモンストレーションの合間を縫って,ミニレクチャー,ランチョンセミナーなどが12題行なわれ,最新の各種診断・治療法が簡潔に解説された。

海外から7氏,国内から10氏の演者が参加する

 ライブ・講演の演者は,内視鏡診断・治療の世界的泰斗Michael Sivak氏(米国Case Western Reserve University教授・前米国消化器内視鏡学会会長・米国消化器内視鏡学会誌編集長),胆膵領域のERCP,EUS診断,各種ステント療法で著名なChan-Sup Shim氏(韓国・Soon Chun Hyang University教授),歴史・規模・質から「世界一」とされるトロントのlive course主催者であるNorman Marcon氏(カナダ・St. Michael Hospital)などをはじめ,Guido Costamagna氏(イタリア),Horst Neuhaus氏(ドイツ),Thomas Roesch氏(ドイツ),Gregory Harber氏(カナダ)など7氏。

 国内からの術者・演者は,小野裕之氏(静岡がんセンター),小山恒男氏(佐久総合病院),木田光広氏(北里大),藤田直孝氏(仙台市医療センター),真口宏介氏(手稲渓仁会病院),安田健治朗氏(京都第二赤十字病院),矢作直久氏(東大),山本博徳氏(自治医大),井上晴洋氏(昭和大),および工藤進英氏など10氏。

 またsenior facultyとして,中島正継氏,藤田力也氏,鈴木博昭氏,藤野雅之氏,神津照雄氏,田尻久雄氏,丸山雅一氏など7氏が参加した。

70名におよぶ海外からの参加者

 「The Yokohama Live 2004」の主催者事務局によれば,日本人の参加者は北海道から沖縄まで全国に及び,第一線の若い内視鏡医が多かったようである。また,参加したドクターたちは,「何といってもライブの迫力が印象的であった」,「世界最先端の診断・治療技術を学ぶことができた」,「このセミナーで得たものを日常臨床の中に還元していきたい」という好意的な感想をこもごも述べている。

 なお,本会では上述のfacultyのほか,聴衆・討論者の内訳は米国,カナダ,イタリア,ドイツ,ブラジル,台湾,中国,韓国,香港,インド,ミャンマーなど,外国人は総数約70名に及び,このためライブ中も大部分が英語使用(同時通訳あり)であった。

 わが国の消化器疾患の診断・治療は世界をリードするレベルにあるが,今後,その優れた技術を世界に発信していくうえでは,「The Yokohama Live 2004」のような国際的交流の機会がさらに求められることになろう。