第2578号 2004年3月29日


「第8回NDC看護診断公開セミナー」開催


 NDC(Nursing Diagnosis Conference=看護診断研究会)の主催による第8回NDC看護診断公開セミナーが,さる2月28日,東京の新宿NSビルにおいて開催された。
 「NDC」は黒田裕子氏(北里大)を代表として看護師によって組織されており,毎月の定例会の他に,年に1回,この公開セミナーを開催している。
 「実践に活かすNANDA-NOC-NIC」をサブテーマに掲げた今回の公開セミナーは,「ビギナーコース」と「アドバンスコース」の2つのコースから構成され,それぞれ,「オリエンテーション」の後に,前者では「導入の講義」に続いて,黒田氏による講義が,また後者では,黒田氏による「教育講演」に続いて,NDCのメンバーをファシリテーターとした「事例展開」が企画された。

NANDAによる看護診断の定義

 「ビギナーコース」の冒頭に行なわれた「導入の講義」では,棚橋泰之氏(日赤看護大)がイントロダクションとして,「NANDA」の看護診断について次のように概説した。
 NANDA(北米看護診断協会)による看護診断の定義は,「実在または潜在する健康問題/生活過程に対する個人・家族・地域社会の反応についての臨床診断である。看護診断は看護師に責務のある目標を達成するための決定的な治療の根拠を提供する」とされる。その特徴点を要約すれば,(1)看護師の臨床診断である,(2)治療の根拠を提供する,(3)実在または潜在する健康問題に対する個人の反応についての臨床診断である(これには,「実在型看護診断」,「リスク型看護診断」,「ウエルネス型看護診断」がある),(4)個人を対象とした診断だけでなく,家族および地域社会を対象とした診断も開発されること,などがあげられる。

NANDA看護診断のタイプ

 前述のNANDA看護診断の3つのタイプは,次のような特徴を持つ。
 (1)実在型看護診断=個人・家族・地域社会に存在する健康状態/生活過程に対する人間の反応を記述する。関連ある手がかりや推論のパターンにクラスターできる診断指標(徴候と症状)によって裏づけられ,「2003-2004年NANDA看護診断」のほとんどは個人の実在型看護診断である。
 (2)リスク型看護診断=その状態を起こしやすい個人・家族・地域社会に生じることのある健康状態/生活状態に対する人間の反応を記述する。その状態を起こしやすくするのに寄与する危険因子によって裏づけられ,NANDA看護診断には35診断が含まれる。
 (3)ウエルネス型看護診断=より高い状態へ促進される準備状態にある個人・家族・地域社会のウエルネスのレベルに対する人間の反応を記述する。NANDA看護診断には14診断がある。

「NOC」と「NIC」

 一方,看護診断は看護師の援助を必要としているproblemであり,それに対してどのような援助を行なうかという「看護介入」と,それによってどのような成果が導かれるかという「看護成果」をリンケージして考えることが必要である。そして,その分類として後者には「看護成果分類(NOC:Nursing Outcomes Classfication)=ノック」,また前者は「看護介入分類(NIC:Nursing Interventions Classification)=ニック」があり,それぞれ次のように適用されている。
 「NOC」は,ヘルスケアチームの中で看護師の介入がどの程度有効であるかを,具体的に数量化して示す試みであり,その評価指標である「看護感受性成果」は,「測定可能な状態,行動もしくは認知。看護介入に対して感受性を持つ概念レベルの言葉であり,その測定のためには,一連の具体的成果の特定を必要とする」と定義される。また「NIC」は,看護師が行なう治療を記述するために用いる最初の包括的標準言語で,臨床判断と知識に基づいており,直接的ケアと間接的ケアを含み,個人,家族,地域社会に対して行なわれる。

 今回のセミナーは,ビギナーコースに200名余,アドバンスコースに84名におよぶ参加者を集めた。これは,「看護診断を実践に活かす」というテーマを一貫して追求し続けているNDCの活動が浸透した成果と言えるだろう。