医学界新聞

 

大江千廣氏が「第7回“Spiegel-Wycis Medal”」受賞


 定位脳手術の先駆者Spiegel-Wycis両博士の名前を冠した“Spiegel-Wycis Medal”の第7回を,わが国の定位脳手術の先駆者の1人,前群馬大学医学部脳神経外科教授の大江千廣氏(日高病院機能外科・ガンマナイフセンター)が受賞した。同賞は4年に1度開かれる「世界定位・機能神経外科学会」の折に授与される国際的に名誉ある賞である。
 定位脳手術のわが国への導入とその発展に関しては,雑誌「神経研究の進歩」(医学書院刊,第45巻4号,2001年)掲載の「ある神経学者の発想と足跡を辿る-楢林博太郎先生に聞く(2)」に詳しい。それによると,両博士による定位脳手術の開始は1947年,わが国では1950年代の初めに楢林氏によるパーキンソン病患者に対する第1例のステレオ手術が行なわれている。楢林氏による定位脳手術器械の開発は,Spiegelらとは独立して行なわれ,同氏はすでに1989年に“Spiegel-Wycis Medal”を受賞しており,今回の大江氏の受賞は日本人としては2人目である。