医学界新聞

 

第37回小島三郎記念文化賞・第9回研究助成金贈呈式

尾身茂氏が「ポリオウイルスの根絶達成」業績に受賞


 さる10月26日に,東京・千代田区の東京会館において,(財)黒住医学研究振興財団(理事長=東医歯大 中谷林太郎氏)による第37回小島三郎記念文化賞および第9回研究助成金の贈呈式が開催された。同財団では,栄研化学(株)(当時,日本栄養化学(株))黒住剛前社長のもと,小島三郎元国立予防衛生研究所長の偉業を称えて発足された「小島・福見記念会」を前身に,現在,国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的として,臨床検査,衛生検査およびこれらにかかわる基礎医学に関する調査研究に対する助成および研究業績に関する顕彰などの活動事業を行なっている。
 今回,病原微生物,感染症学,公衆衛生学,他に関連した領域で優秀な業績をあげた研究者に贈呈される「小島三郎記念文化賞」は,尾身茂氏(WHO西太平洋地域事務局長)が受賞。昨(2000)年,京都において宣言された「ポリオウイルス感染の根絶達成」が高く評価された。氏は,根絶に至る労苦を披露するとともに,「政府・保健従事者・軍・社会の人々が一体となって困難を乗り越え,皆でいただいた賞だと思う」と感慨を述べた。また,第9回研究助成は,福本誠二氏(東大分院)ら9名が受賞した。