医学界新聞

 

金原一郎記念医学医療振興財団

第28回認定証(第15回基礎医学医療研究助成)贈呈式が開かれる


 (財)金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理化研脳科学総合研究センター所長 伊藤正男氏)は,このほど「第15回基礎医学医療研究助成」の交付対象者として応募総数279名の中から35名(助成総額1480万円)を選出し,さる10月6日に,東京・文京区の医学書院本社において第28回認定証贈呈式を開催した(助成対象者および研究内容を本号12面に掲載)。同財団は基礎医学の振興を目的として,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受け入れ助成,(4)研究出版助成の4つの助成事業を行なっており,1986年の設立以来,今回を含めて総計983件・総額4億4148万円が贈呈されている。
 開会に際し,金原優同財団常任理事(医学書院社長)は,「医学書院創業者金原一郎の遺志を継いで設立され,まったくの民間の財団として,医書出版等の出資から成り立っている本財団は,唯一年齢の他は制限を設けず,助成対象者になりにくい若い研究者を対象に,基礎医学の発展をめざした助成事業を行なっている」と同財団の特色を説明するとともに,「今回の受賞を契機にして,ますます実りある研究をしていただきたい」と祝辞を述べた。
 認定証贈呈の後,選考委員長を務めた野々村禎昭氏(東大名誉教授)が,「今回の応募数はおよそ8倍の難関である上に,年々応募者のレベルもあがってきている。この中から少数精鋭を選出することは例年同様困難であったが,公明正大に選考することができた」と選考の経過を報告し,「受賞者は,今回の受賞に自信を持ち,助成金を自由に使ってオリジナリティに富んだ研究に邁進してほしい。また,その成果を当財団が発行する『生体の科学』に投稿していただくことを歓迎する」と激励した。
 これを受けて,交付対象者代表の高岡晃教氏(東大・免疫学)は,「このたびは,同賞のご交付をいただき,衷心より感謝している。選考の労をとっていただいた野々村選考委員長をはじめ選考委員の方々,ならびに多大なご尽力をいただいた財団関係者の方々に深謝したい」と謝意を表すとともに,「ポストゲノムシークエンスの時代に伴って,これまでも多くのことを学んできたが,21世紀はその統合と融合をめざしたさらなる解明が必要となる。今回の受賞を励みとし,今後の研究推進の糧にしていきたい」と抱負を語った。