医学界新聞

 

プライマリ・ケア
新しい治療法にも期待

レクチャーシリーズ「虚血性心筋虚血の最新の治療」


 「プライマリ・ケア」部門のレクチャーシリーズ「虚血性心筋虚血の最新の治療」(座長=昭和大 片桐敬氏)では,山口徹氏(東邦大附属大橋病院)が講演を行なった。
 急性心筋虚血を基盤として発症する急性心筋梗塞や不安定狭心症に対して,「まず(1)狭窄,(2)粥腫破綻,(3)血栓形成の抑制が必要だが,急性期においては救命第一なので,どの施設でも行なえる血栓溶解薬による再灌流療法が有効だろう。一方,再灌流率の高いカテーテル療法は,技術的に難しく,限られた施設でしか行なえないので急性期には適さないし,前者との併用は避けるべき」と指摘。しかし,「ステントや新しい抗血栓薬の登場により,カテーテル療法の成績が向上し,慢性期の再狭窄も減少した」と,治療法の進歩を強調するとともに,「抗高脂血症薬により再発予防の効果も上昇。現在治験の段階である抗血小板療法(抗血小板薬と血栓溶解薬の併用)の有効性にも期待できる」と語り,今後の見通しの明るさも主張した。