医学界新聞

第2回「卒後研修に臨床疫学を導入するための
教育的技法に関するワークショップ」開催


 聖ルカ・ライフサイエンス研究所(理事長=聖路加国際病院理事長 日野原重明氏)の研究事業の一環である,「卒後研修に臨床疫学を導入するための教育的技法に 関するワークショップ」が,さる1月10-11日の両日,京都市の京大会館で開催された。2回目となる今回は,臨床疫学に興味を持つ教育者,研修医,学生など,前回の参加者の2倍近い約80名が集まった。
 今回のテーマは,(1)研究論文の批判的読み方(Critical appraisal),(2)メタ分析(Meta-analysis),(3)費用効果分析。これらのテーマに基づいた3つのセッションが企画され,福井次矢氏(京大),吉村健清氏(産業医大),新保卓郎氏(京大),山本和利氏(京大),野口善令氏(京大)ら指導担当講師(タスクフォース)の指導のもと,2日間にわたり活発な討論が行なわれた。
 ワークショップに先立ち福井氏は,「臨床疫学は総合診療においてのみ有効な方法論ではなく,すべての診療科に共通して適用できるものである」と述べ,臨床疫学の有効性を強調。また,「医学教育においては,すべての専門分野にわたってオーバーラップしている部分,すなわち臨床上の基本的な判断や考え方を教えることが臨床疫学やEBM(Evidence-Based Medicine)のあり方」とし,教育の場における臨床疫学の意義を明らかにした。
 セッションは講義とグループ実習で構成され,参加者はタスクフォースから概説の講義を受けた後,6名前後の小グループに分かれ,実際に文献を用いた実習に取り組み,各セッションの最後に各グループにおける討論の結果を発表した。