医学界新聞

●HIV感染者(エイズ患者含む)情報


●エイズ患者37名,感染者63名の報告

 さる3月末に厚生省エイズサーベイランス委員会(山崎修道委員長)がHIV感染者情報を発表。本年1月1日から2月末日までの2か間に計100名の患者・感染者(患者37名,感染者63名)が報告された。
 発表の内訳は(カッコ内はエイズ患者数),(1)感染原因別では,異性間の性的接触50名(22名),同性間の性的接触19名(3名),静注薬物濫用1名(1名),母子感染1名,その他1名,不明28名(11名)。(2)性別では,男性74名(30名),女性26名(7名)。(3)年齢区分別では,20歳未満1名,20代33名(6名),30代30名(10名),40代20名(10名),50歳以上16名(11名)。(4)国籍別では,日本人61名(37名),外国人39名(13名)。(5)感染地域別では,国内45名(12名),海外24名(11名),不明31名(14名)であった。
 また,今回20名の死亡報告があり,「HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」からの報告と合わせ,累積死亡報告数は899名となった。

「エイズ診断基準の再検討に 関する小委員会」について

 「サーベイランスのためのAIDS診断基準」については,前回の見直しから2年が経過している。この間,新しい検査法が開発されるなど,診断基準を取りまく医療環境が変化していることから,当該診断基準について再検討を行ない,改正の必要性の有無を含めた検討を行なうことを目的に,今回,「エイズ診断基準に関する小委員会」をエイズサーベイランス委員会の小委員会として設置することになった。
委員構成(*=エイズサーベイランス委員)
岡慎一氏(国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター)
木村哲氏(東大感染制御学)
栗村敬氏(阪大微生物学)*
白坂琢磨氏(大阪羽曳野病院第5内科)
曽田研二氏(横浜市大公衆衛生学)*
高田昇氏(広島大附属病院輸血部)
根岸昌功氏(都立駒込病院感染症科)*
吉倉廣氏(国立感染症研エイズ研究センター)
吉崎和幸氏(阪大健康医学)
 なお,この小委員会は本年4月から月1回のペースで開催。年内をめどに議論のまとめをエイズサーベイランス委員会へ報告し,診断基準の改正が必要と決定した場合には,厚生省において所要の手続きを可及的速やかに行なうことになる。