臨床外科 Vol.77 No.10
2022年 10月号

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 癌が必ず治る病気にならない限り,緩和医療は癌患者さんの治療過程において極めて重要なパーツである.わが国の病院で日常的に緩和医療に取り組む医師は外科医であるケースが多い.外科医の忙しさを考えると多くを望まれても困る側面もあるが,それでもどうしても備えておくべき知識,スキルは存在し,それがないと読者諸氏がせっかく身につけた手術の腕が患者さんの満足度に繋がらないことがある.さらに,緩和手術は外科医にしかできない治療手段であり,その手順,適応,有効性,限界についてはしっかりと把握しておく必要がある.本特集は緩和医療のすべてを網羅するものではないが,読者の方々にはまず総論を通読したうえで,侵襲的な治療を考慮する際には各論を読んで,今一度その適応を確認していただきたい.

ISSN 0386-9857
定価 2,970円 (本体2,700円+税)

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特集 外科医が担う緩和治療

■総論
外科医が担うがんの緩和医療について病院を統括する立場で想うこと
小寺泰弘

診断時からの緩和ケア
下山理史

これだけは知っておきたい緩和の知識①
外科医のためのがん疼痛管理
藤本 肇

これだけは知っておきたい緩和の知識②
栄養と薬物療法
西 智弘

終末期がん患者に対するリハビリテーション医療の役割
安部能成

■緩和治療における侵襲的処置
食道癌に対するバイパス手術とステント留置術
谷島 翔・他

悪性気道狭窄に対する気道ステント
宮澤輝臣

緩和手術としての胃瘻造設術
熊田宜真・他

胃癌幽門狭窄に対する処置:胃腸吻合かステントか──プロペンシティ・スコア・マッチングによる解析
芳賀克夫

幽門狭窄に対する外科治療とQOL
服部 卓・他

胃癌腹膜播種に伴う腸閉塞に対する緩和手術
川端良平・他

腸管減圧法としての経皮経食道胃管挿入術(PTEG)
新槇 剛

消化器癌緩和治療における腹腔鏡下人工肛門造設術
梅田晋一・他

大腸狭窄に対するステント治療
松田明久・他

胆道閉塞に対する緩和的胆道ドレナージ
山﨑洋一・他

大量癌性腹水に対する改良型腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART)
松﨑圭祐


●手術器具・手術材料──私のこだわり ⑩
ジャンボフックミニとロングレトラクター
藤原 斉

●病院めぐり
岡谷市民病院外科
澤野紳二

●How to start up 縦隔鏡下食道亜全摘(第9回)
経裂孔操作2──食道授動の完了までの術野展開と剝離操作
森 和彦・他

●FOCUS
「GIST診療ガイドライン第4版」の要点
長 晴彦・他

●臨床報告
胃の嵌頓・壊死をきたした横隔膜ヘルニアの1症例
仁科卓也・他

胃切除術後49年目に発症したBraun吻合部逆行性空腸重積症の1例
佐久間 崇・他

高齢者に対して腹腔鏡補助下小腸切開切石術を施行した胆石イレウスの1例
古川聡一・他

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