臨床外科 Vol.75 No.9
2020年 09月号

ISSN 0386-9857
定価 2,970円 (本体2,700円+税)

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 1989年に本邦初の生体肝移植が行われてから30年が経過した.1999年には臓器移植法に基づく本邦初の脳死肝移植が行われ,生体・脳死ともに肝移植は日常医療として定着し,技術的にも成熟期に達している.しかし,脳死ドナー不足の問題は依然として残っており,最近では少ない脳死ドナー肝を適正に配分すべく,待機リストへのMELDの導入などのシステム改革や,より多くの脳死肝移植を実現するために分割肝移植や拡大基準ドナー(マージナルドナー)の利用などの工夫が行われている.一方,かつて成人肝移植の主たる適応疾患であったC型末期肝硬変は新規DAA(direct acting antivirals)の出現により減少するとともに,肝移植後の成績も著明に改善された.また,5-5-500基準による肝細胞癌に対する肝移植適応拡大が2019年8月から脳死肝移植に対して保険収載され,肝移植適応疾患の分布も変化しつつある.さらに,腹腔鏡下生体ドナー肝切除,抗体関連拒絶反応に対する検査・治療,かつて禁忌とされた転移性肝癌や肝門部胆管癌に対する肝移植などは,肝移植医療における新展開として注目すべき事項である.
 このように,最近の5~6年の肝移植医療における変化は目覚ましいものがあり,本特集ではその最先端の状況を一般外科医に向けてわかりやすく解説いただいた.

■overview
本邦の生体肝移植の歩みと最新事情
梅下 浩司
本邦の脳死肝移植の歩みと最新事情
蔵満 薫・他
HCCに対する肝移植の新展開
 国内外の最近の動向
嶋村 剛・他
■生体・脳死ドナーにおける新展開
脳死肝移植における拡大基準ドナー
 諸外国の最近の動向とわが国の現状
竹村 裕介・篠田 昌宏・他
生体肝移植ドナーに対する低侵襲肝切除ガイドライン
 国際コンセンサス会議の報告
三島 江平・他
臓器移植医療の現状について
 厚生労働省の取り組み
吉屋 匠平・他
National Clinical Databaseを利用した肝移植後短期成績の周術期予測システム
後藤 満一・他
■原疾患の治療と今後の展開
C型肝硬変に対する移植周術期治療
 DAA時代のベストプラクティス
上田 佳秀・他
アルコール性肝硬変およびNASHに対する肝移植
戸島 剛男・他
肝移植を見据えた急性肝不全治療
井上 和明・他
■抗体関連型拒絶を巡るトピックス
肝移植における移植前DSA陽性症例に対するスクリーニングと脱感作療法
赤松 延久・他
抗体関連型拒絶反応に対する治療戦略
 DSA,抗HLA抗体
大段 秀樹・他
ABO血液型不適合肝移植
平田 真章・他
■肝移植における挑戦
脳死分割肝移植
阪本 靖介・他
多臓器移植と肝腎,肝心,肝小腸同時移植
上野 豪久
Transplant oncology
 難治/高度進行がん治療の未来を拓く
日比 泰造
移植可能な再生肝臓グラフトの実用化に向けて
八木 洋・他



病院めぐり
多根総合病院外科
丹羽 英記
坂の上のラパ肝・胆・膵(第9回)
肝S7亜区域切除術
大目 祐介・他
ひとやすみ・193
他施設への異動話がでたらどうするか
中川 国利
1200字通信・147
続々・働き方改革-コロナ問題の影響
板野 聡
昨日の患者
想定外の進展に望外の喜び
中川 国利

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