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≪標準作業療法学 専門分野≫

地域作業療法学


(第3版)

シリーズ監修:矢谷 令子
編集:大熊 明/加藤 朋子

  • 判型 B5
  • 頁 312
  • 発行 2017年12月
  • 定価 4,104円 (本体3,800円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03165-3
地域作業療法学の標準「OT」教科書、待望のカラー化!
地域リハビリテーションにおける地域作業療法の位置づけや、介護保険制度、障害者総合支援法における地域作業療法の役割についてわかりやすく解説。さらに15の施設をとりあげて実践事例を紹介し、地域作業療法の多様な姿を示す。第3版では、新たに通所リハビリ(デイケアセンター)、特別支援教育、認知症支援の実践事例が加わった。作業療法士を志す学生はもちろん、これから地域に出ようとしている作業療法士にも最適の1冊。
*「標準作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
序 文
第3版 序

 「地域作業療法学」が作業療法士の養成課程の専門科目となってから,18年が経過した.それを受けて刊行されることとなった本書の初版からも12年が経っている.この間にも,地域の重要性は社会のなかで問われ続け,人々の関心も高まっている.しかしながら,社会のさまざまな出来事を...
第3版 序

 「地域作業療法学」が作業療法士の養成課程の専門科目となってから,18年が経過した.それを受けて刊行されることとなった本書の初版からも12年が経っている.この間にも,地域の重要性は社会のなかで問われ続け,人々の関心も高まっている.しかしながら,社会のさまざまな出来事をふり返ると,むしろ現実は,地域における人々の疎遠さや地域文化の衰退,地域経済の疲弊を見聞きするようになっている.地域作業療法についても,地域において活躍している作業療法士も目にするが,作業療法士全体の割合からすると,きわめて少ないのが現状である.
 本書は,そうした現状においても,たゆむことなく地域で経験を重ねている作業療法士の実践を基盤にして,地域作業療法のあるべき姿を模索している.
 初版,第2版と版を重ねることにより,実践論を基盤にして理論的な構築がなされるようになった.今版では,作業療法を学ぶ学生が理解しやすいように章立てを組み,懇切丁寧なキーワード,GIO・SBO・修得チェックリストを作るように心がけてきた.また,実践の学問として,その項目に最もふさわしい作業療法士諸氏に執筆を依頼した.
 筆者は,初版から,執筆者の一人として本書に関わっている.初版,第2版の編者で恩師でもある小川恵子先生からは,広い見地から本書の意義と,全体の構成について学び,地域作業療法の歴史から今日に至るまでの道のりを教えていただいた.
 今回,改訂第3版では私と加藤朋子が編集を引き継ぐことになった.本書の構成は,初版のときから綿密にしっかりと組み立てられており,我々の編者としての役割は,初版から第2版および現在までの時間の流れのなかで,社会保障制度の変化を含んだ作業療法士をとりまく環境や仕事の内容の変化を修正し書きとめていくことであり,また,それらを含めて各章をさらに堀り下げていくことであると考えた.今回の改訂では,“地域を知る”ことや“地域での作業の広がり”,“就労”から“教育”までの広い実践領域を網羅することに重きを置いて,新たな執筆者への依頼に奔走した.
 こうした考えのもと編集にあたったが,総じてみると「どの領域,どの分野においても,作業療法そのものの基本的な態度は変わらない」ということが理解され,「全人的に人を見て,その人とともに作業を考え,その作業を推し進めるための環境を整えていく」という「中心的な原理」は,「普遍のものと思われる」という第2版の小川先生の序文にすべてが集約されていると感じ,あらためてその言葉の意味の深さをかみしめている.
 第3版の刊行にあたっては,広い知見から執筆いただいた執筆者の方々,また,至らぬ点を指導いただいた監修の矢谷令子先生に,感謝申し上げる次第である.また,いつでも快く相談にのっていただき,終始助言をいただいた小川先生に,心よりお礼を申し上げる.
 本書により,地域作業療法を多くの学生が感じ,学びとって,作業療法士として羽ばたく際に役立てていただければ幸いである.

 2017年8月
 執筆者を代表して
 大熊 明
目 次
1 地域作業療法の基盤と背景
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I 地域を知る
  A 地域のとらえ方
  B 地域の文脈
 II 地域リハビリテーションの流れをとらえる
  A 地域医療活動の成り立ち
  B 地域リハビリテーションの概念
  C 地域リハビリテーション活動の変遷
  D 地域社会に根ざしたリハビリテーション
 III 地域作業療法を考察する
  A 地域作業療法の概念
  B 地域作業療法と生活障害
  C わが国における地域作業療法
  D 作業活動と社会参加への広がり
 本章のキーワード

2 地域作業療法を支える制度・社会生活支援・連携
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I 制度・施策とのつながりを知る
  A 社会保障制度
  B 介護保険制度における作業療法士
  C 障害者総合支援法における作業療法士
  D 教育における作業療法士
  E 企業における作業療法士
 II 社会生活支援を理解する
  A 支援のためのニーズ把握
  B ソーシャルサポートネットワーク
 III 多職種の連携と協働を理解する
  A 地域における多職種の連携
  B 連携する職種の業務と役割
 本章のキーワード

3 地域作業療法の実践
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I 地域作業療法の枠組みを理解する
  A 評価の視点
 II 環境と地域づくりを考察する
  A 地域診断と地域づくり
  B 住環境の評価
  C 住環境の改善とまちづくり
 III 支援プログラムとマネジメントを学ぶ
  A 個別支援プログラム
  B 集団支援プログラムと地域づくり
  C 生活行為向上マネジメント
  D リスクマネジメント
 IV 地域作業療法の実践の場を知る
  A 病院(身体機能領域)
  B 病院(精神機能領域)
  C 診療所(クリニック)
  D 介護老人保健施設
  E 通所介護施設
  F 通所リハビリテーション(デイケアセンター)
  G 訪問リハビリテーション,訪問作業療法
  H 地域包括支援センター
  I 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  J 発達支援
  K 特別支援学校
  L 地域生活移行(精神障害者の地域生活支援)
  M 就労支援
  N 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  O 終末期
  P 小児総合医療施設
  Q リハビリテーションセンター
  R 身体障害者福祉センター
  [COLUMN]小児総合医療施設
  [COLUMN]リハビリテーションセンター(相談部門)
 本章のキーワード

4 地域作業療法の実践事例
 I 病院(身体機能領域)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 II 病院(精神機能領域)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 III 診療所(クリニック)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 IV 介護老人保健施設
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 V 通所介護施設(デイサービスセンター)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 VI 通所リハビリテーション(デイケアセンター)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 VII 訪問作業療法
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 VIII 地域包括支援センター
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 IX 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 X 発達支援
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 XI 教育
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 XII 地域生活移行(精神障害者の地域生活支援)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際-特定非営利活動法人いねいぶるの取り組み
  C 今後の課題-これからの地域支援のために
 XIII 就労支援(高次脳機能障害)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 XIV 認知症支援
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 作業療法士の役割
  B 作業療法士の活動の実際
  C 今後の課題
 XV 在宅(終末期)
  GIO,SBO,修得チェックリスト
  A 在宅(終末期)の特徴
  B 作業療法士の役割
  C 作業療法士の活動の実際
  D 今後の課題
 本章のキーワード

地域作業療法学の発展にむけて-課題と展望

さらに深く学ぶために

巻末資料
 【資料1】主な施設基準など一覧
 【資料2】様式・書式など

索引