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発達段階からみた

小児看護過程

+病態関連図
(第3版)

編集:浅野 みどり/杉浦 太一/山田 知子
編集協力:高橋 義行/濱 麻人

  • 判型 A5
  • 頁 816
  • 発行 2017年03月
  • 定価 4,104円 (本体3,800円+税8%)
  • ISBN978-4-260-02837-0
患児と家族の全体像がみえる、実習記録の悩みもスッキリ解消! 小児看護過程の決定版
発達段階別(乳児期、幼児期、学童期、思春期)に各期の特徴とケアのポイントを冒頭にまとめ、各期に特徴的な疾患をもった患児に対する看護過程の展開を、発達・成長の側面を意識しながら記載。全面的に見直し、看護診断ラベルを更新。実習施設で学生が遭遇する機会の多い疾患を取り上げ、小児に特徴的な症状についても、症状別の看護過程を記載。さらに特殊治療における看護過程も掲載。母親・家族を含めたケアを意識した。
序 文
はじめに

 早いもので,第 2版の改訂から 4年半余りの時間が経過しました.
 少子超高齢社会にある我が国において,ともすれば子どもの問題が置き去りにされがちという危機感を持っています.ユニセフの報告書(2016年)によれば,子どもの貧困格差(最貧困層の子どもが標準的な子どもと...
はじめに

 早いもので,第 2版の改訂から 4年半余りの時間が経過しました.
 少子超高齢社会にある我が国において,ともすれば子どもの問題が置き去りにされがちという危機感を持っています.ユニセフの報告書(2016年)によれば,子どもの貧困格差(最貧困層の子どもが標準的な子どもと比べてどの程度厳しい状況にあるか)において,日本は OECDに加盟する先進 41か国中 34位で,なんとワースト 8位でした.日本の子どもの相対的貧困率は 1990年代半ば頃から上昇傾向にあり,2012年には16.1%となっています.子どもがいる現役世帯の相対的貧困率は 15.1%ですが,その中でも大人が 1人の世帯(例えばシングルマザー)の相対的貧困率は 54.6%と,大人が 2人以上いる世帯に比べて非常に高い水準であることもわかっています.このような背景から,子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう,子どもが健やかに育成される環境を整備し,教育の機会均等を図るなど国や地方公共団体の責務や講ずべき施策の基本事項を定めた「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が 2014年1月に施行されました.しかし,離婚や再婚に伴う家族の多様化,“保活の激戦”が社会問題となるように女性の就労と待機児童の問題など,子育てを取り巻く問題はまだまだ多いのが現状です.
 また,文部科学省の調査では,2015年度の不登校の小・中学生は 12万6千人余り,千人あたりの不登校の人数は 12.6人と 1991年度以降最多となっています.さらに,その 6割弱が 1年で 90日以上の長期欠席であり,不登校の原因として,家庭の状況や友人関係による不安などが挙がっています.いじめの問題もあとを絶ちません.いじめ被害の経験に関する調査(小 6と中 2)の日本とスウェーデンの比較では,暴力を伴ういじめに比べ,仲間外れ・無視・陰口などのいじめが多いことが日本の特徴のようです.
 15歳未満の子どもの人口は 35年連続で減少し,各地で小児病棟が閉鎖され,それに伴い子どもが混合病棟に入院することも増えています.環境の違いがあったとしても,すべての入院中の子どもと家族に質のよい適切な看護をどのように提供していくのか,改めて問い直していかなければならないでしょう.
 本書の第 1編では,乳児期・幼児期・学童期~思春期の各期に分けて,それぞれケアの基本と代表的疾患の医学的な解説に続けて,看護過程の展開を詳細に解説し,第 2編では小児によくみられる症状や共通のケアを取り上げています.第 3版の改訂では,この全体構成は踏襲しつつ,医学解説と看護過程解説の両方において,全面的な内容のアップデートを行いました.さらに,初版から 8年が経過していることに鑑み,編集および執筆体制の一新を図りました.これに伴い,全体の構成上から重複の懸念される部分はスリム化しました.
 一方で,「食物アレルギー」の項目を新設しました.国民の 2人に 1人が罹患するというアレルギー疾患について,どこに居住していても専門的な治療が受けられるアレルギー疾患治療の均てん化促進,生活の質の維持向上など,アレルギー疾患対策の総合的推進を目的とする「アレルギー疾患対策基本法」の成立(2014年)を考慮しても適時であったと思います.
 最後に,冒頭でも述べたような育児を取り巻く現状から,小児看護の役割はその多様さもその重要さも,医療機関内だけでなく様々な場面において日々増していると思います.本書が今求められている小児看護実践に役立ち,少しでも子どもと家族の健康に寄与できれば,これほどうれしいことはありません.

 2017年 2月 節分のころ
 著者を代表して 浅野みどり
目 次
はじめに
本書の構成と使い方

第1編 疾患からみた小児看護過程の展開
 第1章 乳児期
  1 乳児期の特徴とケアのポイント
  2 口唇口蓋裂
  3 鎖肛
  4 ヒルシュスプルング病
  5 胆道閉鎖症
  6 先天性股関節脱臼
  7 乳幼児嘔吐下痢症
  8 細気管支炎(RSウイルス感染症)
  9 クループ症候群

 第2章 幼児期
  10 幼児期の特徴とケアのポイント
  11 麻疹
  12 水頭症
  13 ファロー四徴症
  14 心室中隔欠損症
  15 脳腫瘍
  16 神経芽(細胞)腫
  17 ウィルムス腫瘍
  18 白血病(急性リンパ性白血病・急性骨髄性白血病)
  19 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
  20 1型糖尿病
  21 ネフローゼ症候群
  22 痙攣性疾患
  23 髄膜炎
  24 尿路感染症
  25 川崎病
  26 アトピー性皮膚炎
  27 熱傷

 第3章 学童期~思春期
  28 学童期~思春期の特徴とケアのポイント
  29 肺炎(マイコプラズマ感染症)
  30 気管支喘息
  31 再生不良性貧血
  32 急性糸球体腎炎(急性腎炎症候群)
  33 脳性麻痺
  34 若年性特発性関節炎
  35 骨折
  36 大腿骨頭すべり症
  37 食物アレルギー

第2編 症状からみた小児看護過程の展開
  38 痛み
  39 発熱
  40 ショック
  41 発疹
  42 呼吸困難・鼻閉
  43 嘔吐
  44 脱水
  45 不安

第3編 特殊治療における小児看護過程の展開
  46 気管切開
  47 中心静脈カテーテル
  48 骨髄移植・造血幹細胞移植

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