小児看護学[2]
小児臨床看護各論 第13版

もっと見る

『小児看護学[1]』 を基盤として、疾患に特有な看護をより実践的に解説しています。 各領域の専門家が執筆にあたり、最新の情報を加えたより実践的な内容としました。 身体系統別または病態別に構成し、各章ともに医師が各疾患の病態・症状・診断・治療などを概説し、看護師が看護総論と主要な疾患の看護を、疾患や治療の経過にそって解説しています。 付章の「事例による看護過程の展開」は、看護師国家試験の状況設定問題への対策として活用できる内容にしました。 「重要」「発展学習」のコラムを設け、重要な事項、より深く学習する内容を本文と分けて、学習の便をはかりました。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
  • 販売終了

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次
  • 正誤表

開く

はしがき

 子どもの健やかな成熟は,人類共通の願いであり,そのために小児看護が果たす役割は大きいといえます。
 本格的な少子高齢社会を迎えて,子どもを取り巻く環境は急速に変化しています。この変化の中で,次代を担う子どもたちは,どのような成熟過程を歩んでいるのでしょうか。小児看護の対象である子どもについて理解を深めるためには,成長・発達の特徴を学ぶことが欠かせません。また,子どもを取り巻く環境として,現代の家族や社会の状況を知る意義は大きいといえます。子どもへの直接的な支援とともに,さまざまな不安や悩みをかかえる家族が安心して育児にあたることのできる環境づくりが,小児看護の重要な役割となっています。
 さらに,病気や障害を持つにいたった子どもと家族は,どのような体験を重ねているのでしょうか。子どもと家族の不安やとまどいははかりしれず,治療や療養上の体験を共有し,その体験が子どもや家族の価値や意向とつながる感覚が持てるように支えることも看護の大切な役割であると思います。このような視点から,子どもの健康問題の経過やおかれている状況,症状からみた看護,コミュニケーションを含む看護技術や代表的な健康問題など,小児看護のより実践的な学習も求められます。
 本書は,子どもを家族の中の存在として位置づけて,子どもと家族を中心とするケアの理念に基づき,一貫して対象の尊厳・尊重を保障することを基本としています。入院中の子どもだけでなく,家庭や学校などのあらゆる場面で,すべての健康レベルの子どもを対象として,その成熟過程を支えることを小児看護の目標として位置づけています。
 限られた講義・実習時間の中で,効率的に小児看護学の学習ができるように,より専門的な用語や詳細な内容は「発展学習」として示すことで選択的に学べるように構成しました。また,読者が具体的な子どものイメージを描けるように図表を活用し,一部に事例を設定した記述を加えました。
 さらに小児看護学[2]については,基礎的な学習のポイントを押さえるために,優先度の高い内容を「重要」と示しました。以下に本書の構成を詳しく示します。
 小児看護学[1]の小児看護学概論では,第1章で現在の子どもと家族の概況や倫理的視点から,小児看護の役割と課題を論じています。第2章では成長・発達の基本的な知識とそれを学ぶ意義を解説しました。第3章は日本人の食事摂取基準(2015年版)を示しながら,子どもの各発達段階の栄養の特徴を論じています。第4~6章は発達段階別の構成として,各期の子どもの成長・発達,健康,家族,看護について解説し,子どもの全体像を描けるようにしました。また,第7章では家族の特徴とアセスメントについて,さらに,第8章では子どもと家族を取り巻く社会について,最新の情報を反映しながら論じています。
 小児看護学[1]の小児臨床看護総論では,小児看護学概論の内容をふまえ,病気・障害を持つ子どもと家族の看護について解説しています。第1章では病気・障害を持つ子どもと家族の特徴と看護の役割を概観し,第2章では入院や外来,在宅などの子どもを取り巻く環境や生活の場,さらには災害といった状況に特徴づけられる看護について,事例を設定することで,子どもとその家族の一連の体験として示しました。第3章では疾病の経過から看護の特徴を論じています。経過ごとに事例を設定しました。第4章は子どものアセスメントとして,必要な知識と技術を解説しています。第5章の症状別の看護は,子どもの基本的特性を押さえながら症状のアセスメントと看護を示しました。第6章は検査・処置の目的と具体的な支援の方法を詳細に述べているので,実習に活用しやすく,看護実践能力の向上につながる内容となっています。第7章では障害の概念,障害児と家族の特徴,社会的支援など,障害児看護の基礎的知識を示しました。第8章では子どもの環境要因で生じる問題として「子どもの虐待と看護」について論じました。
 小児看護学[2]では,身体系統別または病態別に構成し,各疾患の病態・症状・診断・治療と看護について整理・解説しています。また,現代の小児保健医療の課題として,「事故・外傷」を取り上げています。今回の改訂では,引き続き各領域の専門家が執筆にあたることで,より新しい医療情報を加えるとともに,看護の基盤の充実とより実践に即した子どもと家族の看護を検討しています。付章の事例による看護過程の展開は,看護師国家試験の状況設定問題への対策としても活用いただけます。
 なお,本書における「障害」の用語は,法律上の表記に基づいて漢字を用いています。
 本書が,小児看護学をはじめて学ぶ方にとって,講義や実習などの学習の支えとなり,また,すでに小児看護を実践されている方においても看護の基礎をあらためて確認いただく資料となれば幸甚です。
 それらの過程を通して,1人でも多くの子どもたちが,社会の中でその子らしく生活できること,家族が家族としていられることを願ってやみません。
 2014年12月
 著者ら

開く

第1章 染色体異常・胎内環境により発症する先天異常と看護 (西野郁子・名越廉)
第2章 新生児の看護 (茂本咲子・名越廉)
第3章 代謝性疾患と看護 (出野慶子・宮本茂樹)
第4章 内分泌疾患と看護 (出野慶子・宮本茂樹)
第5章 免疫疾患・アレルギー性疾患・リウマチ性疾患と看護 (浅野みどり・坂本龍雄)
第6章 感染症と看護 (篠木絵理)
第7章 呼吸器疾患と看護 (西野郁子・黒崎知道)
第8章 循環器疾患と看護 (半田浩美・岩島覚)
第9章 消化器疾患と看護 (田中千代・岩井潤)
第10章 血液・造血器疾患と看護 (松岡真里・梶原道子)
第11章 悪性新生物と看護 (松岡真里・丸光惠・石田也寸志)
第12章 腎・泌尿器および生殖器疾患と看護 (丸光惠・上村治・吉野薫)
第13章 神経疾患と看護 (荒木暁子・田邉雄三・伊達裕昭)
第14章 運動器疾患と看護 (新家一輝・西須孝)
第15章 皮膚疾患と看護 (齊藤千晶・森脇真一)
第16章 眼疾患と看護 (石川紀子・都築欣一・柿原寛子)
第17章 耳鼻咽喉疾患と看護 (石川紀子・峯田周幸)
第18章 精神疾患と看護 (塩飽仁・井上由紀子・生地新)
第19章 事故・外傷と看護 (富岡晶子・前田留美)
付章 事例による看護過程の展開 (丸光惠・奈良間美保)

索引

開く

本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

正誤表はこちら

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。