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3D解剖アトラス[3Dメガネ付]


(第2版)

著:横地 千仭

  • 判型 B5
  • 頁 160
  • 発行 2017年08月
  • 定価 3,132円 (本体2,900円+税8%)
  • ISBN978-4-260-01614-8
あの『解剖学カラーアトラス』を3Dで体感できる!
本書は、繊細・緻密な剖出技術と鮮明な標本写真からなる『解剖学カラーアトラス』に収載された数々の肉眼解剖写真が立体視できる3Dアトラス。誰でも容易に見られる3Dメガネを携え装いも新たに登場。頭部から頸部・胸部・腹部・骨盤内臓、膝関節、自律神経系までの構造が3Dで迫りくる体験は、人体が備えた美術的精緻さへの激しい感嘆を呼び起こすだろう。「嗚呼、人体というミクロコスモスいま我が眼前にあり!」
序 文
第2版の序

 初版は裸眼で立体視できる人を対象として作られたが,必ずしも大多数の人ができるとは限らないという問題があった.そのために改版に際しては「3Dメガネ」を付けてより多くの人々が楽に立体視できるように再編集を行うとともに,日常健康相談などで話題に上ることの多い“関節”などの...
第2版の序

 初版は裸眼で立体視できる人を対象として作られたが,必ずしも大多数の人ができるとは限らないという問題があった.そのために改版に際しては「3Dメガネ」を付けてより多くの人々が楽に立体視できるように再編集を行うとともに,日常健康相談などで話題に上ることの多い“関節”などの写真も加えて改訂した.
 ところで,立体写真なるものには今までに数年ごとにブームと沈静を繰り返してきた歴史がある.最近機材の目覚ましい進歩により,映画においては3D映画が普通のこととなった.
 先に医学書院からRohen,横地,Lütjen-Drecollおよび横地,Rohen,Weinrebの写真による『解剖学カラーアトラス』『カラーアトラス人体』が出版されており,本書を手に取った読者は,本書と上記2冊の写真が重複していることに気がつかれたことと思う.上記2冊は優れた写真が掲載されてはいるが,複雑な立体的人体構造を理解するには2次元の平面写真だけでなく,本書を活用することで,上記の本と補完し合って理解の助けとなることを願っている.

 3D写真の歴史は約170年前に始まったと言われており,わが国においては徳川最後の将軍徳川慶喜が静岡に隠棲してから趣味として今と同じように2枚の写真による立体写真を楽しんでいたことが知られており,古くて新しい話題なのである.

 本書の構成は一般の解剖図譜とは異なり,取り上げた臓器は万遍なく分配されているわけではなく,2D写真で理解できるものは除き,立体でなくては表現できにくい臓器に限られている.したがってその主体は頭部(脳),心臓,骨盤内腔と関節の構造に偏っており,同じような対象が繰り返し別の角度から剖出されていることに御理解をいただきたい.

 2017年3月
 横地 千仭 
書 評
  • 立体画像で見る『解剖学アトラス』
    書評者:馬場 元毅(東埼玉総合病院附属清地クリニック・脳神経外科)

     「解剖学は宇宙である」……これは私が日本医科大学で初めて受けた解剖学の講義で,当時の解剖学教授であった金子丑之助先生が開口一番言われた言葉です。これを聞いた途端,解剖学の壮大さ,深淵さがおぼろげながら想像でき,これから医学生として未知の学問を学ぶことに期待がみなぎったことをはっきり覚えています。そ...
    立体画像で見る『解剖学アトラス』
    書評者:馬場 元毅(東埼玉総合病院附属清地クリニック・脳神経外科)

     「解剖学は宇宙である」……これは私が日本医科大学で初めて受けた解剖学の講義で,当時の解剖学教授であった金子丑之助先生が開口一番言われた言葉です。これを聞いた途端,解剖学の壮大さ,深淵さがおぼろげながら想像でき,これから医学生として未知の学問を学ぶことに期待がみなぎったことをはっきり覚えています。そしてこの学問は,脳神経外科医になった現在の私にとっても重要な分野なのです。

     本書の著者の横地千仭先生は1985年にJ. W. Rohen先生との共著である『解剖学カラーアトラス』(初版,医学書院)を出版されています。この解剖図譜は私の愛読書の一つで,拙著(Dr. BABAのメディカルイラストレーション講座,三輪書店,2017)の中にも必読の解剖学の参考書として紹介しています。

     この著書の図譜は優れた写真撮影技術で撮られたもので,詳細な部分まで精密に撮影されていますが,あくまでも2次元の平面写真でした。そこで横地先生は,ご自身が所蔵されていた数千枚にのぼる人体解剖の写真の中から,立体画像(3D画像)として見ることのできるように工夫をした『3D解剖アトラス』を1997年に出版されました。この工夫というのは,対象をわずかに方向を変えて2方向から撮影し,これを肉眼で凝視すると立体的に見えてくるというものでした。これを見るためには交差法とよばれる特殊な技法が必要で,ある程度の訓練を要するため,全ての読者に,容易に立体画像を見てもらうことがやや困難であったと思われました。そこでこのたびの改訂では,この困難点を解決する方法として3Dメガネを用いることが提案されました。3Dメガネを用いて立体画像を見ることは最近の映画などでも頻繁に行われ,2次元映像とは全く異なる世界に引き込まれた経験をされた方も大勢おられることでしょう。

     この3Dメガネを用いることで本書の価値はいくつかの点で大きく増幅したように思います。一つは,立体視することで観察しようとする対象がまさに目の前に,“手に取ることができる”位置に見えることです。元画像の写真解像度が良いので,例えば大脳の連合線維束の走行も明瞭に判別できます。もう一点は,本書の携帯性です。前出の『解剖学カラーアトラス』は大型本で,持ち歩けるものではなかったのですが,今回の本はB5サイズと,携帯するにも邪魔にならず,まさしく身近なものとなった点です。

     そして特筆すべき点は,組織を立体的に観察してすぐにそのページの上段に目を向けると,組織名が一覧にされていることから,解剖学的構築の理解が容易にできる点です。これこそ本書の真髄と思われます。

     本書は医学生をはじめ,歯学,薬学系の学生諸氏,看護師,さらに理学療法士などのコメディカル分野など,あらゆる医療に関わる方々に,必要な知識が容易に修得できる優れた著書と思われます。
目 次
頭部
 頭蓋骨(前面)(1)
 頭蓋骨(前面)(2)
 頭蓋骨(前面)(3)
 頭蓋骨(側面)
 鼻中隔
 翼口蓋窩
 眼窩
 頭蓋底内側
 頭蓋底の脳神経
 頭蓋底(外面)
 頭蓋底(内面)
 頭蓋腔と脳
 脳全景(側面)
 脳の(動脈)側面
 脳底の動脈
 大脳動脈輪
 島皮質(島回)
 大脳半球外側面の線維(1)
 大脳半球外側面の線維(2)
 大脳半球外側面の剖出
 辺縁系と嗅脳
 レンズ核
 大脳核(基底核)
 脳幹と小脳脚
 視床小脳脚
 大脳核
 錐体路
 聴覚と視覚の伝導路
 視覚の伝導路
 脳幹(1)
 脳幹(2)
 脳幹(3)
 脳幹(4)
 錐体路,脳幹(1)
 錐体路,脳幹(2)
 側脳室と脈絡叢
 内側縦条と外側縦条
 脳室の鋳型
 クモ膜顆粒
 眼窩
 三叉神経
 中頭蓋窩
 内耳(1)
 内耳(2)
 内耳(3)
 内耳(4)

頸部
 喉頭筋
 喉頭(1)
 喉頭(2)
 喉頭(3)
 喉頭(4)
 唾液腺
 咽頭
 頸部の静脈(1)
 頸神経叢
 頸部の静脈(2)
 頭頸部の動脈

上腕・横隔膜
 腕神経叢
 上腕
 横隔膜(1)
 横隔膜(2)

呼吸器
 呼吸器全景
 気管と気管支
 肺門の剖出(右肺)
 肺門の剖出(左肺)
 胸部の内臓(1)
 胸部の内臓(2)

心臓
 心臓(前面)
 心臓(後面)
 心臓と胸部内臓
 心臓の内部(1)
 心臓の外面
 心臓の内部(2)
 心臓の内部(3)
 心臓の内部(4)
 心臓と心臓脈管(前面)
 心臓と心臓脈管(後面)
 心臓の弁

縦隔・胸腹部
 縦隔後部(1)
 縦隔後部(2)
 胸腹部の内臓

腹部
 腹部の内臓(1)
 腹部の内臓(2)
 回盲部(虫垂)
 上腹部の内臓
 網嚢(1)
 網嚢(2)
 腹腔動脈
 肝臓,膵臓,脾臓
 膵臓
 門脈

骨盤部
 泌尿器全景
 男性生殖器(1)
 女性生殖器(1)
 骨盤内臓器(1)
 骨盤内臓器(2)
 骨盤内の脈管(男性)
 男性生殖器(2)
 男性の会陰
 女性の会陰(1)
 女性の会陰(2)
 男性の骨盤隔膜
 女性の骨盤隔膜
 女性の骨盤(斜め)
 女性の骨盤と股関節の靱帯
 女性生殖器(2)
 男性の骨盤腔(上面)
 男性生殖器の動脈造影
 女性生殖器の動脈造影
 女性の外陰部
 女性骨盤部の動脈造影

上肢
 肘部の動脈
 肩の靱帯
 上腕前面の深層筋
 手掌(1)
 手掌(2)
 腋窩部(男性)
 乳腺と腋窩リンパ節(女性)

下肢・膝関節
 鼠径リンパ節
 股関節
 大腿前面の筋(1)
 大腿前面の筋(2)
 大腿の血管と神経
 膝関節
 膝関節靱帯
 膝関節後面
 膝関節(矢状断)

背面・胎児・項部
 背面の筋と神経・血管
 胎児の全身動脈
 項部

自律神経系・リンパ系
 自律神経系(1)
 自律神経系(2)
 自律神経系(3)
 体幹のリンパ管

脊髄・足
 交感神経と脊髄神経
 脊髄
 足の動脈

索引