標準外科学 第13版

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定評ある外科学教科書の改訂13版。「外科学のミニマム・リクワイヤメントを充足させたコンパクトでハンディな教科書」という初版以来の基本コンセプトを継承しつつ、新たに「内視鏡外科」の章を独立させるなど、進展著しい外科の流れを反映した構成。膨大な外科領域の知見から、医学部学生レベルに必要とされる内容に絞り、重要な点を明確に示している。座右に備え、徹底的に使い込む価値のあるスタンダードテキスト。 ●読者の皆様へ 各論 [5]心臓 術中映像配信のご案内 本書に記載のIDとパスワードをご用意のうえ、こちらからお入りください。
シリーズ 標準医学
監修 加藤 治文
編集 畠山 勝義 / 北野 正剛 / 若林 剛
発行 2013年03月判型:B5頁:778
ISBN 978-4-260-01631-5
定価 9,350円 (本体8,500円+税)
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第13版 序

 本書『標準外科学』の初版が1976年(昭和51年)に上梓され,その後ほぼ3年ごとに改訂され,今回は第13版を刊行するに至った.今回で37年という長い歴史のなかで,日進月歩の外科学分野での診療内容を約3年ごとの改訂という大きな功績を成し遂げてきた先人の監修者,編集者および執筆者の先生方にまずは心からの感謝と敬意を表したい.また本書の発刊に尽力いただいた医学書院の関係者の方々にも謝意を表したい.編者の一人が教授職を拝命して最初に外科学を講義したときに,医学生に対して4冊の教科書を推薦したが,改訂を多く行っている教科書ほど日進月歩の医学・医療の内容に追い付いており,良い教科書といえると講義したことを思い出す.この時他の3冊は第2~3版であったのに対し,本書はすでに第6版であった.
 初版での編集者の相馬智教授,武藤輝一教授の基本方針は,(1)undergraduateから国家試験に合格して研修医に至るまでの手引書であること,(2)handyな一冊本であること―ベッドサイドへ持ち込めるノート的感覚のものであり,疑問に応じて活字で確認しなおすという基本的動作が容易であること,(3)総論はbasic surgeryともいえるものであるから,基礎で学んだ知識をいかに臨床に適用するかの考え方を十分に盛り込み,さらにup-to-dateの概念をも入れるようにすること,(4)従来の形態学偏重の外科学から,できるだけ生理や生化学的感覚を盛り込み,機能的外科学をも重視すること,(5)疾患を疫学的な面からも捉えるようにすること,(6)膨大な情報を,多少偏っても重点的な捉え方で記述し,疾患の成り立ちと症状との関係,そして治療法を把握させること,であり,初版以来,現在まで継承されている基本コンセプトは「外科学のミニマム・リクワイヤメントを充足させ,必要にして十分な内容を網羅した,コンパクトでハンディな教科書」であると承っている.
 今回もこれらの基本方針を踏襲しつつも,なお改訂の要点としては,専門医や指導医レベルで必要とされる高度に専門的な内容は割愛し,医学部学生レベルで必要とされる内容に絞って,また学生が理解すべきことを簡潔かつ明快に解説していることである.また,学生にとって必ず覚えるべき重要な事項や医師国家試験において出題頻度の高い内容などにはアンダーラインを付して強調し,学習上のポイントを明確にしている.そして,従来から版を重ねるごとに増大したページ数を前版で削減したが,今回も引き続き学生に必要な事項に記載内容を絞り,全体のページ数をほぼ維持している.特に知識を整理して記憶すべき内容は前版と同様に「NOTE」として纏められている.また,前版においては本書で初めての試みであるQRコードを用いた手術映像(心臓手術)の提供を行ったが,今回はこれに加え,医学書院のホームページからもパスワードなどを用いて映像が見られるようになっている.
 本書『標準外科学』は卒前教育,CBTや医師国家試験における外科学の「バイブル」として多くの学生諸君に愛用されてきている.一方では,2011年3月に改定された医学教育モデル・コア・カリキュラムの目指すポイントとして「基本診療能力の確実な習得」や「地域医療を担う意欲・使命感の向上」があげられており,また現在の医学教育改善の方向性の一つとして「診療参加型臨床実習の充実」があげられている.まさにこの診療参加型臨床実習に,本書はその内容が充実しており,コンパクトでかつハンディな教科書として,ベッドサイドでの実習効果を十分に期待できると思われ,学生諸君に大いに活用して欲しいと考えている.
 さて,昨年2012年12月には京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞するという大快挙があった.同じ医学を学んできた私どもにとっても格別に大きな喜びであった.日本人のノーベル賞受賞は19人目で,医学生理学賞となると利根川進氏に次いで25年ぶりの2人目となった.ヒト皮膚などの体細胞から多種の細胞に分化しうる能力をもったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り出すことなどに成功した功績を評価されての受賞であった.このiPS細胞から分化した細胞群(あるいは臓器)は元々自己の細胞であるので,本人に移植したとしても全く免疫調節剤の投与を必要としないという臨床上の大きなメリットを持っている.このiPS細胞の臨床への応用が今年より始まることになっているし,またiPS細胞を用いた治療に対する安全確保への法規制の動きもすでに始まっている.このiPS細胞を用いた再生医療,細胞治療や臓器移植医療などが本書にもスタンダードな治療として掲載される日が早く到来することを大いに期待している.
 最後に,本書が学生諸君に利用されるだけではなく,臨床研修医や専門研修医,ひいては外科専門医や指導医の先生方にも参考にしていただければ編者として望外の幸せと感じる次第である.

 2013年2月
 編者

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総論
 第1章 外科の歴史と外科医の医療への貢献
 第2章 外科侵襲の病態生理
 第3章 ショック
 第4章 外科的診断法
 第5章 無菌法(滅菌法および消毒法)
 第6章 基本的外科手術手技
 第7章 基本的外科処置
 第8章 内視鏡外科
 第9章 出血,止血,輸血
 第10章 外傷外科
 第11章 急性腹症
 第12章 損傷
 第13章 外科的感染症
 第14章 腫瘍
 第15章 外科と免疫
 第16章 外科と分子生物学
 第17章 臓器移植
 第18章 人工臓器
 第19章 再生医学
 第20章 術前術後管理と術後合併症
 第21章 外科とリスクマネジメント

各論
 第1章 頸部
 第2章 乳腺
 第3章 胸壁および胸膜
 第4章 気管・気管支および肺
 第5章 心臓
 第6章 血管
 第7章 縦隔および横隔膜
 第8章 食道
 第9章 腹壁,臍,腹膜,大網および後腹膜
 第10章 ヘルニア
 第11章 胃および十二指腸
 第12章 小腸および結腸
 第13章 直腸および肛門管
 第14章 肝臓
 第15章 胆嚢および肝外胆道系
 第16章 膵臓
 第17章 脾臓および門脈
 第18章 リンパ系
 第19章 高齢者の外科
 第20章 小児外科

和文索引
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