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看護のための人間発達学 第4版

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人間が胎児期から乳幼児期を経て学童期、思春期、青年期、成人期、老年期へと成長発達していく過程でのさまざまな心と身体の正常な発達に関して解説。今版から新たに胎児期の章が追加、誕生以前に始まる発育と発達についても言及された。また、本書が看護系大学だけでなく、医療・スポーツ医学系の学部でも利用されていることを考慮し、人間の正常な発達を支える社会資源についても大幅に加筆。データ類を更新し、 内容の充実を図った。
舟島 なをみ
発行 2011年03月判型:B5頁:288
ISBN 978-4-260-01327-7
定価 3,300円 (本体3,000円+税)
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第4版 序

 本書「看護のための人間発達学」は,1995年12月に誕生し,版を重ね,今年15歳になった。この間,本書は多くの方々に愛用して頂き,ほぼ毎年の増刷に向け,『国民衛生の動向』の出版に合わせ,内容を更新することが筆者の重要な仕事の1つになった。
 1990年から3年間,在職していた短期大学の看護学科,理学療法学科の授業担当が本書誕生の契機となったことは初版の序に述べたとおりである。時折,出会う当時の学生たちはすでに大学教員,看護管理者,熟練看護師,理学療法士などとなり,その多くが見事な職業的発達を遂げている。この状況が版を重ねるエネルギー源の一部となっている。
 初版に続く第2版では,次のような改訂を行った。(1)厚生省(現:厚生労働省)で「成人病」を「生活習慣病」として基本的な考え方に変化が生じたので関連箇所を改めた。(2)第2章の発達理論の項に,看護学教育において古くから活用されているハヴィガーストを追加した。(3)1998年当時,大きな社会問題となっている,児童虐待,家庭内暴力,老人虐待などについて,それぞれのライフサイクルの中に加筆した。
 また第3版では,主に次のような改訂を行った。(1)未成年の喫煙や性感染症,犯罪が増加し,社会問題となっているため,第5章にこれらに関する内容を加筆した。(2)群発自殺・ひきこもり・フリーター・ニートなども同様に青年期の人々を主とした社会問題となっており,第6章にこれらに関する内容を加筆した。(3)SARSが世界的規模で流行し,今後も人類の生命を脅かす重大な問題となる可能性があるため,同様の特徴を持つエイズ(AIDS)に続けて論述した。
 そして,第4版となった本書では,変動し続ける社会とそこに生きる人間の関係を確認しながら,主に次のような改訂を行った。(1)データや関連法規,根拠となる研究成果を最新のものに改めた。(2)第II部「人間のライフサイクルと発達」に,第3章として「胎児期」を加えた。その結果,本書は全9章の構成になった。(3)メタボリックシンドロームや老年期の孤立や孤立死について加筆した。
 第4版に着手した当初は,上記の改訂に加え,第III部として「発達と法律」の執筆を構想していた。それは,本書を活用する多くの人々が,将来,看護や保育,理学療法などといった人間の健康に関わる職業に従事する方々であり,そのような立場から発達を支援するためには,関連法規に関する知識が必要不可欠であることに起因する。しかし,力及ばず,この構想を実現することはできなかった。
 本書は,これまで同様,多くの方々のお力添えにより完成した。第4版に至る15年間,医学書院の杉之尾成一氏が編集を継続してくださった。また,第4版作成に向け,千葉大学大学院博士後期課程修了生横山京子さん,中山登志子さんにはそれぞれの専門的知識を惜しみなく提供してくださった。さらに,現在,博士前期課程に在学中の相楽有美さん,岡崎草代夏さん,田嶋紀子さん,神田尚子さん,博士後期課程に在学中の山澄直美さん,森山美香さんには,最新情報の収集や資料の整理,校正などにご協力頂いた。加えて,望月美知代さん,菊地佳子さんには,本書完成に向け多種多様な役割をお引き受け頂いた。これらの皆様に心より感謝申し上げる。
 本書の表紙と章扉の写真は,ノルウェーの彫刻家・ヴィーゲランの作品であり,グラフ社より提供して頂いている。筆者が20代の後半に,ノルウェーを訪れた際,偶然出会い,魅了された彫刻である。その後,30年ぶりにノルウェーを訪れ,ヴィーゲランの彫刻に再会する機会を持った。この間,社会も筆者自身も大きく変化したが,ヴィーゲランの彫刻は変わらぬ価値をたたえそこに存在していた。

 2011年2月
 舟島なをみ

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第I部 人間発達学の概説
第1章 人間と発達
 人間発達学とその意義
 人間発達学における発達とその関連用語
 人間の発達における共通性
 発達に影響を及ぼす因子
第2章 発達理論とその歴史的展開
 発達理論を理解する前提
 発達理論の歴史的展開
 現代の発達理論

第II部 人間のライフサイクルと発達
第3章 胎児期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける胎児期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理的側面の発達
 発達の評価
 胎児の発達に関わる問題と発達に影響を及ぼす因子
 発達に必要な支援
第4章 乳幼児期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける乳幼児期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理・社会的側面の発達
 発達の評価
 発達に関わる健康上の問題
 発達に必要な支援
第5章 学童期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける学童期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理・社会的側面の発達
 発達に関わる健康上の問題
 発達に必要な支援
第6章 思春期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける思春期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理・社会的側面の発達
 発達に関わる健康上の問題
 発達に必要な支援
第7章 青年期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける青年期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理・社会的側面の発達
 発達に関わる健康上の問題
 発達に必要な支援
第8章 成人期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける成人期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理・社会的側面の発達
 発達に関わる健康上の問題
 発達に必要な支援
第9章 老年期の心と身体
 人間のライフサイクルにおける老年期
 心と身体の特徴
 形態・機能的側面の発達
 心理・社会的側面の発達
 発達の評価
 発達に関わる健康上の問題
 発達に必要な支援

索引

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