老年学 第3版

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PT・OT学生の教科書。老年学とは、老年医学、基礎老化学、老年社会学の3つの分野を包括する学問であり、高齢者医療・リハビリテーションに携わる医療職には必須の科目である。本書1冊で加齢・老化の基礎知識と高齢者に特徴的な疾患・治療を学習でき、高齢者に対するマクロ的理解と個別アプローチの考察の双方を深めることができる。今版からフルカラーとなり、写真・図表が増加し読みやすくなった。
シリーズ 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野
シリーズ監修 奈良 勲 / 鎌倉 矩子
編集 大内 尉義
発行 2009年12月判型:B5頁:360
ISBN 978-4-260-00850-1
定価 4,950円 (本体4,500円+税)
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第3版 序

 2005年に本書の第2版が刊行されて以降,4年間が経過したが,この間,わが国の高齢化は予測をはるかに上回って進み,現在の高齢化率は22%を超えた.わが国の高齢化は今後ますます進展し,2030年には高齢化率32%に達すると予測されている.高齢者の人口を75歳未満の前期高齢者,75歳以上の後期高齢者に分けて考えると,今後,前期よりも後期が増加し,2030年には,前期高齢者12%に対し後期高齢者20%と,後期高齢者の人口が倍増するという,かつてどの国も経験したことのない“超高齢社会”の到来が予測されている.
 このような著しい高齢化の進展に伴って,高齢者の医療,福祉,介護などに対するニーズがさらに高まるとともに,高齢者に学際的にアプローチする老年学の考え方,実践法も大きく進歩した.高齢者の医療,福祉,介護など,高齢者を対象とするあらゆる職種にとって,このように大きく進歩した老年学に精通することは必須と考えられる.
 本書は,理学療法士・作業療法士を目指す学生向けの,老年学に関するわかりやすい標準的な教科書になることを目標として編纂されたが,幸いにして,初版,第2版とも多くの方々から好評をいただいたことは編者として大きな喜びであった.
 今回の改訂にあたっては,本書の特徴をさらに強めることを主眼とした.具体的には,健康寿命,終末期ケア,退院支援,地域医療,高齢者の医療や介護に関する制度,さらには,メタボリック症候群,神経因性膀胱,性機能障害など,最新の情報を加えるとともに,統計も新しいデータに置き換えた.また,全ページフルカラーとし,理学療法士・作業療法士国家試験で出題の増加しているX線・CT・MRIの画像も大幅に取り入れ,内容の充実に努めた.その結果,老年学に関する基本的な知識と最新の情報がこの1冊にまとめられたものと自負している.
 先に述べたように,本書は理学療法士・作業療法士を目指す学生の方々のための教科書であるが,すでに高齢者のリハビリテーションに携わっておられる理学療法士・作業療法士,さらに医師,看護師の方々に,老年学の系統だった知識と最新の情報を提供し,わが国における高齢者医療のさらなる発展に貢献できれば,編者としてこのうえない喜びである.
 最後に,老年学のさまざまな分野の第一線で活躍しておられる,今回の改訂にご尽力いただいた執筆者の方々に深謝いたします.

 2009年11月
 大内 尉義

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 序説 PT・OTと老年学のかかわり

I 加齢と老化
 1 老化と老年病の考え方
 2 加齢に伴う変化:生理機能(形態学的変化も含めて)
 3 加齢に伴う変化:運動機能
 4 加齢に伴う変化:精神心理面

II 高齢者へのアプローチ
 5 高齢者の定義および人口動態
 6 高齢者との接し方
 7 高齢者の機能評価
 8 高齢者の退院支援

III 高齢者に特徴的な症候と疾患
 9 高齢者に多い症候と老年症候群
 10 循環器疾患
 11 呼吸器疾患
 12 消化器疾患
 13 骨・運動器疾患
 14 神経疾患
 15 精神疾患
 16 内分泌代謝疾患
 17 血液・免疫疾患
 18 腎・泌尿器疾患
 19 皮膚・口腔疾患
 20 感染症
 21 耳鼻咽喉疾患
 22 眼疾患
 23 東洋医学からのアプローチ

IV 高齢者をとりまく環境
 24 老年学からのアプローチ
 25 社会学・経済学からみた高齢社会
 26 高齢者の医療,看護,介護・福祉,保健
 27 高齢者のリハビリテーション

 セルフアセスメント
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