小児看護ならではの要点がわかりやすいサブテキスト (雑誌『看護教育』より)
書評者:廣井 寿美(渋川看護専門学校)
◆見るのも楽しい全ページカラー版
ページを開くと,全体がきれいなカラーで興味をひかれる。『目で見る疾患』は,疾患の特徴や症状が,図や写真入りで解説され,ひとめで病態がイメージできる。よく使用される薬剤一覧が載っているのも嬉しい。
また,事例は用いず,疾患や症状の特徴をベースに思考を導...
小児看護ならではの要点がわかりやすいサブテキスト (雑誌『看護教育』より)
書評者:廣井 寿美(渋川看護専門学校)
◆見るのも楽しい全ページカラー版
ページを開くと,全体がきれいなカラーで興味をひかれる。『目で見る疾患』は,疾患の特徴や症状が,図や写真入りで解説され,ひとめで病態がイメージできる。よく使用される薬剤一覧が載っているのも嬉しい。
また,事例は用いず,疾患や症状の特徴をベースに思考を導くアドバイスをしている。ときおり,事例展開をそのまま転用してしまう学生がいるが,この本を参考にすれば写し取るような学習にはならず,個々のケースで応用していけるだろう。
教員としても,学生の気づきがどのような点で不足しているか,どのようなところでつまずいているかを確認するために活用できる。
◆実習に適したサイズと内容
臨地実習では,関連図や薬剤,ケアプランなどさまざまなテキストを持参していたが,これからはこの一冊で足りてしまう。小児分野でよく遭遇する疾患と症状を網羅し,病態理解から看護計画までおさえている。多少厚みはあるが,B5サイズで現場にも持ち込みやすい。また,国家試験によく出題される疾患が取り上げられているのも,学生にとっては頼もしいのではないだろうか。
◆チャートが思考をガイドする
小児の疾患では,病期や症状だけでなく,発達段階によっても治療や手術方法が異なるケースがある。これが『治療フローチャート』によってひとめで確認できる。
各章の前半にある『看護過程フローチャート』で看護過程の概要をとらえ,最後に『病態関連図』で,病態から看護までの思考を整理できる。
◆小児看護の特徴をしっかりとらえた解説
看護過程の内容は,小児看護の特徴がしっかりと解説されている。例えば『情報収集』では,発達段階をふまえた観察の要点や,母親の理解状況,心理的・社会的側面についてアドバイスがある。『介入のポイント』では,事故予防,発達への援助,療養生活をふまえた育児指導など,成長・発達に関連した内容をしっかりおさえている。また,このようなサブテキストには珍しく,介入後の『評価のポイント』が整理されていて,思考のフィードバックに役立つ。ここでも「患児が好きな遊びを選択でき,一日一回は楽しいと言えたか」「親として養育していく自信を促進できたか」などが挙がっている。このように,全体を通して子どもの看護ならではの視点が随所に浸透している。
この本は,小児看護の特徴をとらえながら,学生の思考過程を整理,発展していけるようにガイドしている。個々の学生が実践の場に応じて活用するのはもちろんのこと,教員が学生の思考を把握し,アドバイスするためにも大いに活用できる1冊である。
(『看護教育』2009年3月号掲載)