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わかる!検査値とケアのポイント

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検査の正常値と、異常値を示した場合に疑われる疾患をひと目でわかる一覧表で構成。さらに看護上の観察とケアのポイントを看護過程にそって列記したはじめての検査実践書。看護診断をにらんで「観察のポイント」ではアセスメントの視点から“継続・追加観察項目”“異常値をもたらす原因・成因”を示し、「ケアのポイント」では、“急性期・緊急時”に特に注意すべき点と“必要なケア”さらに“患者教育”“潜在的リスク”を示した。
編集 大久保 昭行 / 井上 智子
発行 2005年06月判型:A5頁:532
ISBN 978-4-260-33407-5
定価 3,080円 (本体2,800円+税)
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索引

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書評 (雑誌『看護教育』より)
書評者: 鈴木 玲子 (埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科)
 看護学生にとっての臨床実習は,治療や看護ケア場面を目の前で見たり,自らがプランした看護介入を実践するという貴重な学びの場です。また患者の喜びや苦しみを肌で感じることもでき,実習だからこそ学べることがたくさんあります。この学習では,それまで机上で学習した知識を統合し,融合させることになるため,多角的な学習を必要とし,睡眠時間を削って勉強している看護学生も多く見かけます。臨床実習に向けて,何をどう準備したらいいかは課題とも言えるでしょう。

 最近の医療界は入院期間の短縮化が進み,それに呼応して看護実習も変化しています。患者は入院前に必要な検査を終えており,学生が実習で担当することが決定した時には,患者の健康状態を客観的に把握できる検査データはすでに一覧で示されています。実習では,各種検査データをはじめとして,健康状態や生活のあるいは患者の心情についても情報を得てアセスメントし,看護介入計画を立案します。しかし,学生は目の前に示される情報を得ようと,必死にカルテやコンピュータの画面に表示される検査値や生活の様子などを書き写しています。検査データは,患者の健康状態を判断し,治療による侵襲を予測して看護問題を明確化し,看護の方向性を見極める重要な判断材料になります。しかし,データ収集に夢中になり,患者のベッドサイドを訪れることが少ないという状況も引き起こしがちです。

 こうした事態にならないためにも,学生には,実習前に,臨床実習に役立つ事前学習が大切だとアドバイスしています。文献を有効に利用し,自分なりに資料をまとめ整理しておくことを推奨しています。とくに検査については,基準値に照らして,患者の健康状態や治療の影響などの状況を踏まえ判断していくことの難しさがありますが,大切なところです。

 本書は,検査の意味がポイントを絞って解説され,特に重篤な病態や疾病を見逃さないためのチェックポイントを取り上げて,アセスメントする際の視点を示しています。こうした解説は,多角的に判断しなければならない看護者にとって,判断の方向をわかりやすく示してくれていると感じます。

 そして「ケアのポイント」では,緊急時・急性期の判断基準が示されており,その際に行われる看護ケアを述べています。患者の健康状態によっては,症状が変化しやすく,臨機応変な対応を必要とすることもありますが,本書では看護ケアとして治療的看護ケアや患者教育についてポイントが述べられていますので,学生にとっても役立つと思います。さらに「潜在的リスク」という項目では,検査データの変動から予測される状態についても触れていますので,リスクを把握するのに役立てることができます。

 本書の構成は,看護診断における看護介入の要素を柱立てにしてあり,看護計画立案を立案しやすくなっていますので,看護実習などでも活用してほしい書籍です。

(『看護教育』2005年10月号掲載)

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