標準免疫学 第2版

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発刊以来、免疫学の急速な進歩を取り入れた最新の教科書と定評のある初版を全面的に改訂。よりわかりやすく、コンパクトに記述を改め、免疫疾患など臨床面との連関を図り、スタンダードなテキストブックとして便利に使えるよう工夫をこらした。最新の知見を網羅しており、生体とその現象を理解するのに最も必要な免疫系の百科事典としても最適。
シリーズ 標準医学
編集 谷口 克 / 宮坂 昌之
発行 2002年12月判型:B5頁:544
ISBN 978-4-260-10452-4
定価 8,800円 (本体8,000円+税)
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第I部 免疫の生物学
 1 免疫系の生物学的意義
 2 造血・免疫系を構成する細胞,組織とその動態
 3 免疫系の多様性とその分子基盤
 4 免疫系の情報システムとMHC
 5 リンパ球の分化と成熟
 6 受容体シグナル伝達機構
 7 サイトカインとその機能
 8 免疫制御と寛容
 9 自然免疫の機序と炎症性免疫反応
第II部 免疫と病態制御
 10 感染症と免疫不全
 11 自己免疫
 12 腫瘍免疫
 13 移植免疫
 14 生殖免疫
 15 免疫機能と個体発生

付録1. 免疫用語集
付録2. ヒトのCD分類
索引
 和文索引
 欧文索引
 人名索引

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免疫学の定番教科書,待望の改訂
書評者: 田坂 捷雄 (山梨大助教授・免疫学)
◆母国語で医学教科書を持てるための特徴

 正確に調べたわけではないが,母国語で医学教科書を持てる国はそれほど多くはないと思う。グローバルスタンダードをめざす英語の教科書の出版状況を見ていると,いつまで日本語で教科書が出版できるのか心もとない。

 確かに比べると著者の意図が明確で読んで面白いこと,専門のテクニカルイラストレータによるカラフルで圧倒的な図,世界中から集められたシャープで説得力のある写真,2―3年ごとに確実に実行される改訂(日本語の免疫学の教科書で公約どおり2年毎に改訂されているのは矢田純一先生の「医系免疫学」ぐらいである),世界をマーケットにしているためCDが付録についても価格が安いこと,等々が英語版の利点としてあげられる。早期英語教育が義務化されもっと楽に読みこなせるようになれば,日本語の教科書は壊滅するかもしれない。

 そのような不安を吹き飛ばすかのように衝撃的なデビューをした初版の6年ぶりの改訂版である。衝撃的といわれた理由は従来の教科書に比べて,各執筆者の主張がはっきりしており,研究指向で初心者にとっては難解なところもあるが,読んで面白いユニークな本にできあがっている点である。

◆研究指向でユニークな内容

 改訂版でもその特徴は保たれ,頁数は46頁減少したものの,新たに「免疫の生物学」と「免疫の病態制御」の2部構成となって病気との関連が拡充され,「胸腺外T細胞分化」,「ケモカインとその受容体」,「自然免疫」,「寄生虫感染」,「ウイルス感染」,「細菌感染」の項目が加わり,「造血幹細胞」,「補体」,「免疫不全」,「自己免疫」「腫瘍免疫」,「生殖免疫」,「老化」では執筆者が入れ替わった。「抗原の処理と細胞内輸送」「シグナル伝達機構の基本」「NKT細胞の分化と機能」などが初版と同じく独立した章建てになっているのも本書の特徴をよく表している。

 また,各章の前にIntroduction to Chapterが新設され,目標がはっきり示されることで理解も助けている。目次にある各章の短いキャッチコピーも魅力的なのに,後半消えているのは惜しい。あえて,瑕瑾を探すとすれば,「抗体の認識,特異性と機能」の見出しのもとに「T細胞抗原受容体による抗原認識」という小見出しが含まれているのに学生は戸惑うかもしれない。また自己免疫の病因として愛知がんセンターの故西塚泰章所長らのマウス生後3日目新生児胸腺摘出実験まで触れられるのなら,「サプレッサーT細胞」と呼ぶより「調節性T細胞」と呼んだほうがよかったのではないだろうか。今後期待したいのは,2―3年毎の改訂と,よりシャープな写真の充実である。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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