小児科学

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初版は,小児科専門医・研修医のための日本初のreference bookとして好評を博した。今版は「感染症」を中心に一部目次を変更,執筆者も大幅に入れ替わり,360余名の専門家が執筆。本文活字を小さくすることにより頁数の増加を極力おさえながら,巻頭にカラー頁を設けるなど,内容的には初版を上回る情報量を誇る。
監修 白木 和夫 / 前川 喜平
発行 2002年06月判型:B5頁:1696
ISBN 978-4-260-11914-6
定価 28,600円 (本体26,000円+税)
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  • 目次
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 1. 小児の成長
 2. 小児の発達
 3. 小児のQOL
 4. ターミナルケア
 5. 小児の栄養
 6. 高カロリー輸液,治療食
 7. 電解質,輸液
 8. 成分輸血
 9. 乳幼児健康診査
 10. 育児相談
 11. 学校保健
 12. 外来小児科
 13. 救急処置
 14. 事故,その他
 15. 移植
 16. 先天異常・遺伝疾患
 17. 先天代謝異常症,代謝疾患
 18. 新生児
 19. 感染症
 20. 免疫疾患
 21. 膠原病・自己免疫疾患
 22. 川崎病
 23. アレルギー疾患
 24. 呼吸器疾患
 25. 循環器疾患
 26. 消化器疾患
 27. 血液・造血器疾患
 28. 新生物・類似疾患
 29. 腎泌尿・生殖器疾患
 30. 女性医学
 31. 内分泌疾患
 32. 思春期の問題
 33. 神経・筋疾患
 34. 精神疾患,心身医学的問題
 35. 眼科疾患
 36. 耳鼻科疾患
 37. 皮膚疾患
 38. 骨と関節の疾患

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「小児医療から成育医療」時代への指針
書評者: 柳澤 正義 (国立成育医療センター院長)
 本書の初版は,日本小児科学会が100周年を迎えた年,1997年に発行された。学生向けの教科書ではなく,小児科医のための小児科学書,いわば『Nelson's Textbook of Pediatrics』のような本をめざしたものであった。実際,多くの小児科医や研修医の机上におかれて折にふれて参照されたものと思われる。それから5年が経過して本年,早くも第2版が発行された。筆者には非常に短く感じられるこの5年間であったが,この間の医学,医療の進歩は非常にめざましいものがあった。ヒトゲノム解析が完了してポストゲノムの時代に入り,疾患の診断,治療も新しい展開をみせるようになってきた。また,情報技術の急速な進歩によって画像診断の精度の向上もめざましいものがあった。
 このような状況を背景に本書第2版は,白木和夫,前川喜平両先生の監修は変わらないが,編集者,分担執筆者は大幅に交代し,一段若い世代の力の結集によってでき上がったものである。もちろん,それぞれの専門領域においてわが国を代表する方々であり,適切な執筆者が選ばれている。内容がさらに充実したものとなっているのは言うまでもないが,編集面においても項目立てが整理され,すっきりしたものとなっている。また,医学・医療の進歩に伴って新たに加えられた項目も多い。初版の「小児婦人科」が第2版で「女性医学」となったのは,時代の趨勢によるものであろう。当然といえば当然であるが,初版に比べより完成度の高いものとなっている。

◆方向転換を模索する小児科医療

 第2版の発行された本年,2002年3月1日に国立成育医療センターが開院した。「成育医療」という新しい理念に基づく医療を先導する新しいナショナルセンターである。ここでは,小児医療,母性・周産期医療に加えて,生殖医療,胎児医療,思春期医療,小児慢性疾患を有する成人の医療まで,従来の診療科の枠を越えて,幅広く包括的な医療が行なわれている。現在のわが国は,社会のさまざまな仕組と同様に医療も改革を迫られている。その中で小児医療も転換を余儀なくされ,転換の方向を模索しているといってよいであろう。「小児医療から成育医療へ」ということも方向の1つであり,第2版の頁を捲っているとそのような変化もところどころに感じられる。小児医学・医療全体の動きとともに本書の今後の展開を期待したいところである。
 いずれにしても常に座右において,日常の診療のなかで活用すべき本であり,すべての小児科医に心からお勧めしたい。

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