半日講義
看護過程と看護診断

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「看護過程」と「看護診断」は、看護教育において必ず学生に理解してもらわなければならない2大テーマといえる。しかし、教員にとって教えるのに、難渋するテーマでもある。学生にとって何が分かりづらいのか、どうすれば分かりやすく説明できるのか。本書では、看護学生を参加者の一人として設定。看護過程や看護診断を学びながら抱く疑問を、代弁してもらい、鼎談形式でまとめ上げた1冊。

古橋 洋子
発行 2022年03月判型:A5頁:96
ISBN 978-4-260-04251-2
定価 1,650円 (本体1,500円+税)

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本書の成り立ち――序に代えて

 多くの病院に電子カルテが導入され、普及した現在、看護過程と看護診断は、看護教育において必ず学生に理解してもらわなければならない2大テーマと言ってもよいでしょう。しかしこれは、教員にとっては、最も教えるのに難渋するテーマでもあります。
 筆者は、こうした問題解決の一助になればと思い2017年に『はじめて学ぶ看護過程』という本を医学書院から上梓しました。教科書や参考書を読んでもなかなか理解しづらい看護過程をやさしくかみくだいて解説した本でしたが、医学書院の元編集担当常務の七尾清氏からは、まだまだ難しいという辛口のコメントをいただきました。
 氏とは、以前から看護過程や看護診断に関し、率直に意見交換する仲でしたが、『はじめて学ぶ看護過程』の出版を契機に、学生にとって何が分かりづらいのか、彼らはどこでつまずくのか、どうすれば分かりやすく説明できるかを徹底的に話し合うことになりました。この話し合いの内容を、鼎談形式にまとめ上げたのが本書です。低学年の看護学生を参加者の一人として設定し、看護過程や看護診断を学びながら抱く疑問を代弁してもらうことにしました。タイトルの〔半日講義〕は、Eテレの「100分で名著」に倣い、半日でこの2大テーマの概要を理解できるようにという意図で付けたものですが、おそらく通読するには半日どころか2時間もあれば、十分でしょう。
 極力、内容を絞ったため、本書だけで看護過程と看護診断の各論的な知識や具体的内容を学ぶことは不可能です。しっかりしたテキストや参考書を読んでいる途上で、ああ、挫折しそうだと思ったときに、息抜きのような軽い気持ちで読んでもらえれば幸いです。
 出版に際し、実質的な共著者であり、軽妙なイラストを描いてくれた七尾清氏に改めて感謝します。

 2022年1月吉日
 古橋 洋子

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イントロダクション――久しぶりの出会いとお悩み相談

看護過程を理解しよう
 看護の過程って、なに?
 看護過程は問題解決技法と同じ
 看護過程は思考過程
 看護過程のはじめは情報収集
 看護過程は①アセスメント(情報収集と分析)から始まる
 アセスメントの次は②看護問題の明確化
 次は③看護計画の立案と期待される成果
 ④看護計画の実施と⑤評価
 経過記録はSOAP で記載する
 看護過程は行きつ戻りつしながら循環するシステム

看護診断を理解しよう
 なんで看護診断をするの?
 看護師はなにをする人なのか?
 難解な看護診断用語を読み解く
 看護診断は4つのタイプに分けられる
 よく使われる看護診断名と定義をしっかり理解する
 注意しておきたい看護診断名
 一般用語として使う診断名には注意が必要
 看護診断名で迷ったら
 どの看護診断を優先するか

〈資料1〉ヘンダーソンの基本的ニード(欲求)と基本的看護の構成要素
〈資料2〉ゴードンの11の機能的健康パターンと評価する内容

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