成人看護学[11]
アレルギー 膠原病 感染症 第12版
本書の特長
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●専門基礎分野との連携を重視し、既習事項を臨床看護に応用することを主眼においた構成にしています。検査方法や薬剤について最新の知見を取り入れ、すぐに現在の医療現場に対応できる内容となっています。
●アレルギーでは、増えつづけるアレルギー性疾患患者に対応するため、シックハウスや薬物アレルギーなど、患者への看護をより充実させました。
●膠原病では、慢性疾患が多く看護がより重要であることをふまえ、疾患の知識から心理・社会面へのケアまで幅広く網羅しました。
●感染症では、新しい著者のもと内容を一新し、基礎知識だけでなく、実際の臨床現場において看護師になにが求められるのかを学ぶことができる内容としました。また、特論として感染防御を独立した項目としてまとめました。
*2011年版より表紙が新しくなりました。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
著 | 岩田 健太郎 / 岩渕 千太郎 / 大路 剛 / 高橋 泰子 / 滝口 智子 / 鶴田 明美 / 土井 朝子 / 原 まさ子 / 和田 直子 / 細川 直登 / 山本 舜悟 |
発行 | 2008年02月判型:B5頁:368 |
ISBN | 978-4-260-00543-2 |
定価 | 2,310円 (本体2,100円+税) |
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- 序文
- 目次
序文
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はしがき
発刊の趣旨
1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気をもつ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患をもった患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器の身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニーズを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせもつ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。
カリキュラムの改正
1989(平成元)年,20年ぶりに看護教育のカリキュラムが全面的に改正され,さらに,1996年には3年課程,1998年には2年課程のカリキュラムが改正された。その背景には,医学・医療の発展はもとより,人口構造の急速な変化(高齢化・少子化)や疾病構造の変化(慢性疾患の増加),保健医療ニーズの増大・多様化,あるいは情報化・高学歴化など大きな社会的変化があり,それに伴って看護機能の拡大と高度化が強く要請されているからにほかならない。
その結果,新カリキュラムでは,人間とその健康を多角的に理解し,科学的に看護を実践しうる基礎的能力を育成することを強調するとともに,新たに在宅看護論・精神看護学を独立させ,時代の要請に対応しようとしている。またこのような視点から,専門分野における各看護学では,健康のレベルに応じて,看護の対象・目的および方法を統合的に学習することを強調している。
改訂の趣旨
今回の「成人看護学」の改訂では,これらカリキュラムの意図を再吟味するとともに,1999年に発表された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れて,各系統において統合的・発展的な学習が可能となるよう大幅に構成を見直し,内容の刷新・強化をはかった。
第1章「看護を学ぶにあたって」では,各系統別に現在の医療動向を概観したあと,上記の対象論と目的論が展開されている。すなわち,各系統別に患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
第2~5章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
第6章「患者の看護」では,上述の1~5章の学習に基づいて,看護の方法が示されている。すなわち,患者の有する問題と既習の医学的知識をふまえて,各系統の特性に応じて,症状別,診断および治療・処置別,経過別,疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開し,プロセスを通して全体像が論理的・立体的に理解できるように配慮されている。
付章「事例による看護過程の展開」では,各々1つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際が展開されている。疾患だけでなく,患者の有するさまざまな問題が提示されているので,看護の広がりと問題解決のプロセスが具体的に学習できるようになっている。
今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者諸賢の忌憚のないご意見とご叱正をいただければ幸いである。
2007年12月
著者ら
発刊の趣旨
1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気をもつ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患をもった患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器の身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニーズを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせもつ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。
カリキュラムの改正
1989(平成元)年,20年ぶりに看護教育のカリキュラムが全面的に改正され,さらに,1996年には3年課程,1998年には2年課程のカリキュラムが改正された。その背景には,医学・医療の発展はもとより,人口構造の急速な変化(高齢化・少子化)や疾病構造の変化(慢性疾患の増加),保健医療ニーズの増大・多様化,あるいは情報化・高学歴化など大きな社会的変化があり,それに伴って看護機能の拡大と高度化が強く要請されているからにほかならない。
その結果,新カリキュラムでは,人間とその健康を多角的に理解し,科学的に看護を実践しうる基礎的能力を育成することを強調するとともに,新たに在宅看護論・精神看護学を独立させ,時代の要請に対応しようとしている。またこのような視点から,専門分野における各看護学では,健康のレベルに応じて,看護の対象・目的および方法を統合的に学習することを強調している。
改訂の趣旨
今回の「成人看護学」の改訂では,これらカリキュラムの意図を再吟味するとともに,1999年に発表された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れて,各系統において統合的・発展的な学習が可能となるよう大幅に構成を見直し,内容の刷新・強化をはかった。
第1章「看護を学ぶにあたって」では,各系統別に現在の医療動向を概観したあと,上記の対象論と目的論が展開されている。すなわち,各系統別に患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
第2~5章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
第6章「患者の看護」では,上述の1~5章の学習に基づいて,看護の方法が示されている。すなわち,患者の有する問題と既習の医学的知識をふまえて,各系統の特性に応じて,症状別,診断および治療・処置別,経過別,疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開し,プロセスを通して全体像が論理的・立体的に理解できるように配慮されている。
付章「事例による看護過程の展開」では,各々1つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際が展開されている。疾患だけでなく,患者の有するさまざまな問題が提示されているので,看護の広がりと問題解決のプロセスが具体的に学習できるようになっている。
今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者諸賢の忌憚のないご意見とご叱正をいただければ幸いである。
2007年12月
著者ら
目次
開く
○アレルギー
第1章 看護を学ぶにあたって (鶴田明美)
A 医療の動向と看護
B 患者の特徴
C 看護の役割
第2章 免疫のしくみ (原まさ子)
A 病気における免疫のしくみ
B アレルギー疾患
第3章 検査と治療 (原まさ子)
A 検査と診断
B 治療
第4章 症状と疾患の理解 (原まさ子)
A 気管支喘息
B アレルギー性鼻炎
C アトピー性皮膚炎
D 薬物のアレルギー
E アナフィラキシー
第5章 患者の看護 (鶴田明美)
A 症状に対する看護
B 検査を受ける患者の看護
C 治療を受ける患者の看護
D 疾患をもつ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (鶴田明美)
気管支喘息患者の看護
○膠原病
第1章 看護を学ぶにあたって (鶴田明美)
A 医療の動向と看護
B 患者の特徴
C 看護の役割
D 疾患の経過と看護
第2章 自己免疫疾患とその機序 (原まさ子)
A 自己免疫とは
B 自己寛容とは
C 自己免疫疾患とは
第3章 症状とその病態生理 (原まさ子)
A 関節痛・関節炎
B 皮疹
C 筋痛・筋力低下・筋炎
D 腎炎
E 血管炎
F レイノー現象
第4章 検査と治療 (原まさ子)
A 膠原病の診断までの流れ
B 検査
C 治療
第5章 疾患の理解 (原まさ子)
A 膠原病
B 膠原病類縁疾患
第6章 患者の看護 (鶴田明美)
A 症状に対する看護
B 検査を受ける患者の看護
C 治療を受ける患者の看護
D 疾患をもつ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (鶴田明美)
全身性エリテマトーデス患者の看護
○感染症
第1章 看護を学ぶにあたって (岩田健太郎)
A あなたを取り巻く感染症
B 歴史的な経緯
C 看護を取り巻く感染症の問題
D あなたにはなにを期待されているのか
第2章 感染症とは (土井朝子)
A 感染症とはなにか
B 感染が成立する条件
C 感染症の病態生理
D どのような症状がみられるか
第3章 感染症の診断 (細川直登)
A 感染症診断の原則
B 診断の流れ
C 検査の実際
第4章 感染症の治療 (山本舜悟)
A 感染症治療の原則
B 抗菌薬総論
C 抗菌薬各論
D その他の治療法
E 一次予防と二次予防
第5章 疾患の理解 (山本舜悟・岩渕千太郎・大路剛)
A 発熱・不明熱
B 上気道感染症
C 下気道感染症
D 心血管系感染症
E 消化管感染症
F 肝胆道系感染症
G 尿路感染症
H 性感染症
I 皮膚軟部組織感染症
J 眼の感染症
K 中枢神経感染症
L 悪性腫瘍・幹細胞移植・固形臓器移植に伴う感染症
M 菌血症・敗血症
N 人動物咬傷
O 真菌感染症
P 寄生虫感染症
Q HIV感染症と日和見感染症
R 新興再興感染症
S 多剤耐性菌感染症
第6章 患者の看護 (古谷直子)
A 感染予防
B 症状に対する看護
C 検査・治療における看護
D 疾患をもつ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (滝口智子・古谷直子)
脳梗塞患者の看護
特論 感染防御 (高橋泰子)
A 感染防御とは
B 病床環境の清潔管理
C 医療器具の清潔管理
D 患者の清潔管理
E 医療従事者の清潔管理
F 医療関連感染防止のための感染管理看護
G 医療関連感染対策とICN
H 患者と医療従事者をまもる清潔管理
参考文献・推薦図書
索引
第1章 看護を学ぶにあたって (鶴田明美)
A 医療の動向と看護
B 患者の特徴
C 看護の役割
第2章 免疫のしくみ (原まさ子)
A 病気における免疫のしくみ
B アレルギー疾患
第3章 検査と治療 (原まさ子)
A 検査と診断
B 治療
第4章 症状と疾患の理解 (原まさ子)
A 気管支喘息
B アレルギー性鼻炎
C アトピー性皮膚炎
D 薬物のアレルギー
E アナフィラキシー
第5章 患者の看護 (鶴田明美)
A 症状に対する看護
B 検査を受ける患者の看護
C 治療を受ける患者の看護
D 疾患をもつ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (鶴田明美)
気管支喘息患者の看護
○膠原病
第1章 看護を学ぶにあたって (鶴田明美)
A 医療の動向と看護
B 患者の特徴
C 看護の役割
D 疾患の経過と看護
第2章 自己免疫疾患とその機序 (原まさ子)
A 自己免疫とは
B 自己寛容とは
C 自己免疫疾患とは
第3章 症状とその病態生理 (原まさ子)
A 関節痛・関節炎
B 皮疹
C 筋痛・筋力低下・筋炎
D 腎炎
E 血管炎
F レイノー現象
第4章 検査と治療 (原まさ子)
A 膠原病の診断までの流れ
B 検査
C 治療
第5章 疾患の理解 (原まさ子)
A 膠原病
B 膠原病類縁疾患
第6章 患者の看護 (鶴田明美)
A 症状に対する看護
B 検査を受ける患者の看護
C 治療を受ける患者の看護
D 疾患をもつ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (鶴田明美)
全身性エリテマトーデス患者の看護
○感染症
第1章 看護を学ぶにあたって (岩田健太郎)
A あなたを取り巻く感染症
B 歴史的な経緯
C 看護を取り巻く感染症の問題
D あなたにはなにを期待されているのか
第2章 感染症とは (土井朝子)
A 感染症とはなにか
B 感染が成立する条件
C 感染症の病態生理
D どのような症状がみられるか
第3章 感染症の診断 (細川直登)
A 感染症診断の原則
B 診断の流れ
C 検査の実際
第4章 感染症の治療 (山本舜悟)
A 感染症治療の原則
B 抗菌薬総論
C 抗菌薬各論
D その他の治療法
E 一次予防と二次予防
第5章 疾患の理解 (山本舜悟・岩渕千太郎・大路剛)
A 発熱・不明熱
B 上気道感染症
C 下気道感染症
D 心血管系感染症
E 消化管感染症
F 肝胆道系感染症
G 尿路感染症
H 性感染症
I 皮膚軟部組織感染症
J 眼の感染症
K 中枢神経感染症
L 悪性腫瘍・幹細胞移植・固形臓器移植に伴う感染症
M 菌血症・敗血症
N 人動物咬傷
O 真菌感染症
P 寄生虫感染症
Q HIV感染症と日和見感染症
R 新興再興感染症
S 多剤耐性菌感染症
第6章 患者の看護 (古谷直子)
A 感染予防
B 症状に対する看護
C 検査・治療における看護
D 疾患をもつ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (滝口智子・古谷直子)
脳梗塞患者の看護
特論 感染防御 (高橋泰子)
A 感染防御とは
B 病床環境の清潔管理
C 医療器具の清潔管理
D 患者の清潔管理
E 医療従事者の清潔管理
F 医療関連感染防止のための感染管理看護
G 医療関連感染対策とICN
H 患者と医療従事者をまもる清潔管理
参考文献・推薦図書
索引
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