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脊髄損傷リハビリテーションマニュアル


(第3版)

編集:神奈川リハビリテーション病院 脊髄損傷リハビリテーションマニュアル編集委員会

  • 判型 B5
  • 頁 336
  • 発行 2019年06月
  • 定価 5,616円 (本体5,200円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03696-2
教科書を超えたリハビリ実践書,待望の全面改訂。脊損リハビリはここまで進化した!
脊髄損傷リハビリテーションのスタンダードテキスト、約20年ぶりの全面改訂版。オールカラーとなり、より親しみやすいテキストへと進化した。脊損リハの基本事項をおさえたうえで、医療の変化や脊損リハの現況に合わせた内容へとアップデート。20年のブランクをうめ、次の20年へとつながる内容となっている。脊損リハの実際をイラストや写真を交え豊富に紹介し、臨床現場で役立つ実践書でもある。
序 文
第3版 序

 1984年に本書の初版が発刊され,1996年に第2版が発刊されてから約20年が経過し,今回全面的な改訂を行うに至った.今回の第3版は,初版や第2版の首尾一貫した意図が引き継がれた脊髄損傷リハビリテーションの具体的な手順を示す専門的技術書といえる.前版から約20年が経...
第3版 序

 1984年に本書の初版が発刊され,1996年に第2版が発刊されてから約20年が経過し,今回全面的な改訂を行うに至った.今回の第3版は,初版や第2版の首尾一貫した意図が引き継がれた脊髄損傷リハビリテーションの具体的な手順を示す専門的技術書といえる.前版から約20年が経過するが,その間,高齢不全頚髄損傷者の増加,合併症治療の進歩,社会制度の見直しなど脊髄損傷をとりまく環境は大きく変わった.このような変化に対応すべく神奈川リハビリテーション病院ではさまざまな取り組みを行い,今まで以上に技術や経験を蓄積してきた.今版では,これらのノウハウを紹介し,より時代に即したものとなっている.
 近年,高齢不全頚髄損傷者の増加が大きな課題となっている.今版では多くの紙幅を費やして,この課題にいかに取り組むべきかを述べている.たとえば脊髄損傷の疫学の項目では,全国脊髄損傷データベースを用いて高齢不全頚髄損傷者が多くを占めるようになった背景について触れ,また動作練習やADL支援,住宅改修の項目でも不全四肢麻痺について扱っている.合併症の治療もここ数年の進歩は著しく,さまざまな治療法が出現している.特に褥瘡治療,排尿障害,疼痛,痙縮などに対する新たな治療について,当院での取り組みとともに書き記した.本書の総論では,まず全体を把握できるよう,動作練習やADL支援をどのように進めていくかまとめている.ほかには,急性期や回復期だけでなく,今版では慢性期にもスポットを当て,慢性期における対応方法も示した.さらに,頚髄損傷者の生活状況をイメージしやすいよう,頚髄損傷者の旅行,単身生活,育児,就労,介助犬に関するコラムを収載した.脊髄損傷治療の未来に向けてというところでは,再生医療とロボティクスについても述べている.特に当院はロボティクスについて積極的に取り組んでおり,さまざまなエビデンスを構築してきた.今後の脊髄損傷医療の指針になればと思う.本書全体を通して図や写真を多く取り入れており,よりわかりやすくなるように心がけた.多くの医療現場や当事者である脊髄損傷者の方々に役立つことができればと期待するところである.
 当院に常勤されていた先生方以外の執筆者として,再生医療のリハビリテーションを実際に行っている横浜市立大学大学院医学研究科リハビリテーション科学主任教授の中村 健先生に加わっていただいた.また,社会福祉法人日本介助犬協会専務理事の高柳友子先生に,介助犬についておまとめいただいた.また,当院も参加している全国脊髄損傷データベース委員会からデータ提供をしていただいた.ご協力いただいた先生方に心からお礼を申し上げる.
 今回の改訂版は,初版を執筆した安藤徳彦先生,大橋正洋先生,石堂哲郎先生,木下 博先生,第2版を執筆した「脊髄損傷マニュアル編集委員会」の多くの先生方の意図を引き継ぎ,積み重ねてきたものを形にしたものであり,初版,第2版を執筆された先生方に深く敬意を表する.

 2019年4月
 編集代表  横山 修
目 次
1章 脊髄損傷の疫学
 1 外傷性脊髄損傷の疫学
 2 非外傷性脊髄損傷の疫学
 3 疫学からみた予防と展望

2章 評価と予後予測
 1 評価
 2 予後予測

3章 急性期のマネジメント
 1 局所管理
 2 全身管理
 3 急性期のリハビリテーション治療

4章 合併症
 1 呼吸機能障害と理学療法
 2 褥瘡
 3 排尿障害
 4 排便障害
 5 自律神経機能障害
 6 異所性骨化
 7 痙縮
 8 疼痛
 9 骨代謝と骨折
 10 深部静脈血栓症
 11 脊髄・延髄空洞症に対する外科治療
 12 脊髄損傷患者への心理学的支援

5章 動作練習
 1 動作練習の考えかた・進めかた
 2 ベッド上ポジショニング
 3 寝返り動作
 4 座位姿勢・バランス練習
 5 起き上がり動作
 6 プッシュアップ・床上移動動作
 7 移乗動作(トランスファー)
 8 車椅子駆動
 9 歩行
 10 移乗介助
 11 不全麻痺の動作練習

6章 ADL支援,上肢機能
 1 ADL支援の進めかた
 2 ベッド周辺機器操作
 3 食事・整容
 4 書字・パソコン操作
 5 更衣
 6 対象物への移乗(ベッド・便座・入浴台)
 7 排泄
 8 入浴
 9 自動車運転
 10 公共交通機関の利用(外出支援)
 11 日常生活関連動作
 12 不全四肢麻痺者へのADL支援
 13 上肢機能

7章 脊髄損傷の看護
 1 日常の看護手順
 2 退院に向けた看護・介護指導
 3 地域支援

8章 脊髄損傷者の体育・スポーツ
 1 体育・スポーツ訓練
 2 体育・スポーツ訓練種目
 3 体育・スポーツ訓練の効果
 4 障害者スポーツ

9章 車椅子・クッション/ベッド・マットレス/福祉機器
 1 車椅子・クッション
 2 ベッド・マットレス
 3 移乗支援の機器
 4 環境制御装置(ECS)
 5 その他

10章 家庭復帰
 1 住宅改修総論
 2 住宅改修① 四肢麻痺介助ベース
 3 住宅改修② 四肢麻痺自立ベース
 4 住宅改修③ 高齢不全四肢麻痺(立位歩行ベース)

11章 社会資源制度および活用
 1 在宅サービスの活用制度―介護保険法と障害者総合支援法
 2 在宅サービス活用の視点
 3 その他の制度
 4 脊髄損傷者の社会資源活用の現状

12章 就労支援

13章 小児の脊髄損傷・復学支援

14章 慢性期の健康増進
 1 健康管理
 2 身体機能維持

15章 脊髄損傷の再生医療とロボティクス
 1 再生医療
 2 ロボティクス

索引

Note
 サーファーズミエロパチー
 頚髄損傷者の嚥下障害
 排尿筋括約筋協調不全
 膀胱機能の評価方法
 神奈川リハビリテーション病院で開発した機器
   ①曲がるキーボードスタンド「カーヴィー」
 頚髄損傷者の旅行
 神奈川リハビリテーション病院で開発した機器
   ②3Dプリンタを活用した自助具「“すらら”と“ぱっくん”」
 頚髄損傷者の単身生活
 神奈川リハビリテーション病院で開発した機器
   ③世界をリードするチェアスキー
 介助犬
 高齢化への対応
 頚髄損傷者の就労
 脊髄損傷者の育児