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アセスメント力を磨く

助産師のためのフィジカルイグザミネーション


(第2版)

編集:我部山 キヨ子/大石 時子

  • 判型 B5
  • 頁 256
  • 発行 2018年03月
  • 定価 3,888円 (本体3,600円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03548-4
助産師に必要なフィジカルイグザミネーションを網羅した待望の改訂版!
助産師に必要なフィジカルイグザミネーションについて、技術と基礎知識を網羅して好評を博した書籍の改訂版。オールカラーでさらに図版が見やすくなったほか、CLoCMiP(助産実践能力習熟段階レベルIII認証制度)を踏まえ、呼吸・循環器系、脳神経系、代謝系の異常に関する章を新設。さらに各章でハイリスクについて言及し、正常・異常の判断に関わるアセスメントの解説も充実させた。
序 文
第2版 まえがき本書の目的と構成

第2版 まえがき

 本書初版の発行から10年が経過した。出産難民が社会現象化していた当時からすると,周産期医療の危機的状況はやや落ち着きを取り戻したかにみえるが,課題はいまだ山積している。すなわち,晩婚化・晩産...
第2版 まえがき本書の目的と構成

第2版 まえがき

 本書初版の発行から10年が経過した。出産難民が社会現象化していた当時からすると,周産期医療の危機的状況はやや落ち着きを取り戻したかにみえるが,課題はいまだ山積している。すなわち,晩婚化・晩産化はますます進行し,30歳以上の出産は64.3%(35歳以上の出産は28.1%,いずれも2015年)となり,体外受精児は19人に1人(2015年),麻酔分娩や帝王切開分娩の増加,低出生体重児の出生割合の高止まり,児童虐待相談件数の激増など,母児ともにハイリスクな傾向は加速している。
 一方,2000年代初頭,少子化に端を発した分娩取扱施設の廃止の動きが顕著となり,産婦人科・産科を標榜する施設数および産科医は,現在でも年次ごとに減少傾向が続いている。このような社会背景から,2015年日本産科婦人科学会は深刻化する産科医不足への対応策として,地域の基幹病院に産科医を集約化し,医師一人ひとりの負担を減らすとともに,24時間安心して出産できる場所を確保することを柱とした行動計画をまとめた。この計画には,高い能力をもつ助産師の育成も盛り込まれている。また,同時期に日本助産実践能力推進協議会は,助産実践能力が一定水準に達していることを客観的に評価する仕組みとして,助産実践能力習熟段階(CLoCMiP)レベルIII認証制度を創設し,運用を開始した。
 このような周産期医療の背景を踏まえて,助産師に求められる実践能力も変化してきている。すなわち,従来はローリスク妊産褥婦・新生児を主な対象としていた助産師であるが,それに加えて,ハイリスク妊産褥婦・新生児の増加に伴い,正常からの逸脱の診断を適時にかつ正確に行い,早い段階で医師の診察を促し,協働して母子の安全・安心を守ることがより一層求められるようになってきた。そこには,従来にもまして高いフィジカルイグザミネーション能力とアセスメント能力が求められている。
 それは単に診察(フィジカルイグザミネーション)をして身体情報を集め,正常・異常のアセスメントをするだけでなく,鑑別診断に向かってさらにどのような診察や検査が必要であるかも思考し,実施し,臨床推論をできるだけ進めていく能力である。そのことによって必要な情報を必要な専門職に,迅速かつ的確に提供し,チーム医療の力を発揮することができる。
 第2版ではこれらを踏まえて,新しい知見や基準を加筆するとともに,妊娠期・分娩期・産褥期の異常,ハイリスク妊産褥婦についての解説を充実させ,「助産師が知っておきたい異常(呼吸器・循環器系,脳神経系,代謝系)」,早産児・低出生体重児等「新生児のフィジカルイグザミネーション」を新設した。
 加えて「周産期のウィメンズヘルス」として,子宮頸がん,性感染症,乳腺疾患・乳がん,配偶者からの暴力(DV)などもフィジカルイグザミネーションとアセスメントの視点から取り上げ,詳述している。検査法についても新国家試験出題基準を反映して,腟鏡診,顕微鏡診等を取り入れた。
 また,豊富な写真とイラストを使用した解説は初版と同様であるが,全頁をカラー化することにより,一層の見やすさ,わかりやすさに配慮した。
 本書は,助産師を志す学生からベテランの助産師まで幅広く活用できる,十分手応えのある内容になったと考えている。学習テキストとして,また多くの助産師諸姉の臨床技術や診断能力の向上に,ご活用頂ければと願っている。

 2018年1月
 我部山キヨ子・大石時子


本書の目的と構成

 本書の目的は,「高い専門知識・技術に裏付けられた助産師となるために必要な,診断能力の基礎となるフィジカルイグザミネーションを行い,またそこから得られた知見を正しくアセスメントするための基本的知識・技術から高次の知識・技術までを正確に,そして詳細に提供すること」にある。
 そのために,初学者でも明確にわかるようにフィジカルイグザミネーションの実際について,カラー写真や図を多く使用している。また,正確で緻密なアセスメントができるように,診断基準(数値など)を随所に記載した。さらに,普通の妊婦診察では助産師は行わないが,より高次のフィジカルイグザミネーションとアセスメントができるように,「Another Step Advanced」として,より専門的な診断技術法を織り込んでいる。
 内容に関しては,助産師業務のコアである周産期領域のフィジカルイグザミネーションとアセスメントを中心に構成したが,近年,普遍的に行われるようになってきた超音波診断などの臨床機器の使用法や診断も,図や写真を用いてわかりやすく解説している。
 妊娠・分娩・産褥の各期に共通する項目については,各期でそれぞれに説明するのではなく,代表的な章にまとめている。たとえば,レオポルド触診法は妊娠期で詳細に解説し,分娩期での説明は要点のみとしている。また,乳房については,妊娠期から観察すべきであるが,その内容は産褥期の章で扱っている。
 また,周産期のウィメンズヘルスとして,性感染症,子宮頸がん,乳がん,ドメスティックバイオレンス(DV)といった項目を取り上げている。これらは,妊娠期,分娩期,産褥期の診察や検査に関わる項目であり,各期の診察項目に入れてもよいものであるが,周産期以外の女性にとっても重要な診察・検査内容であるため,包括的にウィメンズヘルスとして別章とし,内容を充実させた。
目 次
まえがき
初版まえがき
本書の目的と構成
検査法・検査項目一覧

序章 フィジカルイグザミネーションの基本
 1 フィジカルイグザミネーションにおける助産師の基本的姿勢
 2 フィジカルイグザミネーションの基本的技術

第I章 妊娠期のフィジカルイグザミネーション
 1 問診:すべての診察の基礎
 2 身体計測・骨盤計測
 3 頭部,頸部,胸部,四肢
 4 腹部
 5 生殖器のフィジカルイグザミネーション
 6 妊娠期のトラブルと胎児の診察・アドバンスト編

第II章 超音波診断装置によるフィジカルイグザミネーション
 1 超音波診断装置の使用法
 2 妊娠初期(4~13週)の超音波検査
 3 妊娠中期(18~20週)の超音波検査
 4 妊娠後期(28週以降)の超音波検査
 5 分娩中の評価
 6 産褥期の超音波検査
 7 助産師による超音波検査

第III章 分娩期のフィジカルイグザミネーション
 1 産婦のフィジカルイグザミネーション
 2 胎児のフィジカルイグザミネーション
 3 分娩時および分娩後に遭遇する異常出血のフィジカルイグザミネーション

第IV章 産褥期のフィジカルイグザミネーション
 1 分娩後2時間(分娩第4期)の子宮の変化とフィジカルイグザミネーション
 2 産褥期の全身の変化とフィジカルイグザミネーション
 3 帝王切開後の診察とフィジカルイグザミネーション
 4 産褥期の心理・精神の変化とフィジカルイグザミネーション
 5 乳房のフィジカルイグザミネーション

第V章 助産師が知っておきたい異常
 1 呼吸器・循環器系
 2 脳神経系
 3 代謝系

第VI章 新生児のフィジカルイグザミネーション
 1 出生直後のフィジカルイグザミネーション
 2 身体計測のフィジカルイグザミネーション
 3 運動・神経機能のフィジカルイグザミネーション
 4 バイタルサインのチェック
 5 新生児に特徴的な所見
 6 子ども虐待発見のフィジカルイグザミネーション

第VII章 周産期のウィメンズヘルス
 1 子宮頸がん
 2 性感染症(STI)
 3 乳腺疾患,乳がん
 4 妊娠期における配偶者からの暴力(DV)

索引

Another Step Advanced
 臨床的骨盤計測法
 胎向と児頭嵌入の診断
 マニングのスコア
 妊娠中の超音波使用の安全性
 分娩監視装置による継続モニタリングの効果の検討
 早産児におけるフィジカルイグザミネーション