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NANDA-I看護診断 定義と分類 2015-2017 原書第10版


原書編集:T.ヘザー・ハードマン /上鶴 重美
監訳:日本看護診断学会 
訳:上鶴 重美

  • 判型 A5変
  • 頁 552
  • 発行 2015年03月
  • 定価 3,240円 (本体3,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-02088-6
NANDA-Iのオフィシャルブックの最新版!
NANDAインターナショナルで承認された看護診断を収めたハンドブック。26の新しい看護診断を追加、14の看護診断が改訂されたほか、看護診断の基礎からNANDA-I看護診断に関するよくある質問と回答(FAQ)などの解説もさらに充実。臨床でのレファレンスに、また看護診断の学習に役立つナース必携の書。
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序 文


 NANDAインターナショナル(NANDA International:NANDA-I)の『看護診断 定義と分類』2015-2017年版は,臨床によりいっそう合った診断を提供しています。なぜならば,診断開発委員会が診断名,定義,診断指標,関連因子,危険因子が翻訳されやすいかに...


 NANDAインターナショナル(NANDA International:NANDA-I)の『看護診断 定義と分類』2015-2017年版は,臨床によりいっそう合った診断を提供しています。なぜならば,診断開発委員会が診断名,定義,診断指標,関連因子,危険因子が翻訳されやすいかについても配慮したからです。これまで,NANDA-I看護診断が自分の国や地域に適しているのかと多くの看護師からの質問がありました。2015-2017年版には,国際的な多様性と実践の違いを加味して変更した箇所があります。この最新版は,言語だけではなく,実際には,看護の知識体系について言及しています。看護師によって提案され,看護師によってレビューや改訂が行われ,看護診断のエキスパート,研究者,教育者によって承認された,新たな診断と改訂された診断は,国際的な最先端のエビデンスに基づいています。新しい26の看護診断と改訂された14の診断によって,最新版では文化的な適用性がさらに向上しました。また本書には,NANDA-I看護診断のタイプ別の新たな定義(問題焦点型看護診断,リスク型看護診断,ヘルスプロモーション型看護診断)や,全般的な看護診断の新たな定義も掲載しています。
 NANDA-Iは非営利の会員組織です。つまり,事務的業務と管理機能を除くすべての作業は,ボランティアが無償で行っています。NANDA-Iのボランティアには,世界で最も才能ある看護学者や研究者もいます。多くの企業とは異なり,看護研究者が看護診断に取り組んでいるオフィスはありません。NANDA-Iのボランティアは,患者ケアおよび看護と看護師の社会に対する貢献の重要性に強い信念をもち,時間と専門的知識を提供しているあなたや私と何ら変わらない人々です。
 NANDA-Iの著作物は,改訂を重ねるごとに訳本も増えてきました。私たちの作業の成果が多くの言語で出版されることは,国際的会員組織として光栄なことです。出版パートナーであるWiley-Blackwell社との関係もこの5年間で発展しました。取り決めのなかでは,1つひとつの翻訳が,正確かつ厳密に行われることを特に重視しています。正確に翻訳されるよう,現在では出版社とともに厳密な品質保証メカニズムを設けています。それぞれの訳本の元になる書籍は,常に米国の英語版です。私たちはNANDA-Iの著作物が世界中での信頼性を確保できるように全力を注いでいます。患者の安全性と一貫した高い質の根拠に基づくケアの強化に向けて,私たちの取り組みをぜひご支持ください。非営利の組織ではあっても,組織の運営,委員会や理事会の会議の進行,ウェブサイトの維持,世界中で行う教育セミナーや学術集会の開催には相応の資金が必要です。出版社に販売するライセンス料やデジタル製品での著作物使用料が,私たちの主な収入源です。今年度は初めて,NANDA-I用語を電子版アプリケーションで提供する予定です。このアプリケーションは,よく使う一部の診断に関するアセスメント機能や意思決定支援も備えています。しかし,このような開発や検証作業にもまた,資金が必要です。
 私たちは国際的な組織として,文化的多様性や実践の違いを尊重しています。しかし同時に,世界で最も活用されている標準的看護診断用語と知識の提供者としては,標準となる看護診断の知識を提供する義務があるのです。たとえある文化には診断が該当しないとしても,翻訳者や臨床の専門家からの求めに応じて,ある特定の言語の特定の版だけで,看護診断を変更してはならないと考えています。これは,多様な文化や専門性に必要な看護診断の知識が臨床では有用であることを認識していただくことに,私たちが全力を注いているからです。私たちは本書の臨床的な情報の検閲行為を支持すべきではないと考えています。看護師として現場で活動する皆さんには,適切に看護診断をして適切な用語を使用する責任があります。私たちは一度にすべての看護実践領域の専門家にはなりえないのですから,明らかに本書の看護診断のすべてを使うことはできません。臨床で安全に活動できる看護師は内省的実践家であり,自分の臨床能力を十分に理解していることが安全な実践の中心的な要素だと言えます。本書には,皆さんが毎日のように実践で使う診断もあれば,全く使用しない診断もあるかもしれません。このことは文化的適応性にも関連しています。もしも本書の学習中に,自分の実践や文化に該当しない診断を見つけたら,その診断は使わない,と決めることもできるのです。しかし私は,看護師としてのさまざまな臨床経験から,一見したところ文化的にありえない診断も,完全には無視しないようにお願いしたいのです。私たちは多文化社会や高度な流動的社会に暮らしています。風変わりに見える診断を検討してみることは,思考への挑戦になり,新たな可能性や解釈を切り開くことになるかもしれません。これらはすべて,内省的で生涯にわたって学び続ける実践家の重要な資質でもあります。
 診断の1つひとつは,NANDA-Iのボランティアや使用者によって開発されたもので,大部分は明確な根拠に基づいています。新たな診断や改訂された診断の1つひとつはすべて,診断開発委員会が討議して洗練した後,NANDA-I会員に提出し最終的な投票が行われます。会員が投票で最新版に含めることを賛成した場合にのみ,新たな診断や改訂された診断として最新版に載録されます。しかし,特定の診断について,間違っている,あるいは修正が必要だと思われる場合は,診断開発委員会委員長にウェブサイトから連絡を取ってご意見をお寄せください。ご自分の見解を支持するために,できるだけ多くの根拠もご提供ください。特定の言語の訳本や改訂版のみを変更するのではなく,このような作業によって,看護診断知識の信頼性と一貫性を継続的に保証することができ,個々の研究者の叡智と努力による利益を誰もが享受できるのです。私たちはもちろん,新たな診断の提案も歓迎します。提案に関するガイドラインはウェブサイトをご参照ください。
 ここ数年間の会員に関係する主な出来事の1つが,PRONANDAとして知られる,Artmed/Panamericana Editora社(ポルトアレグレ,ブラジル)からの,教育的な論文を集めたポルトガル語の出版物です。間もなく同様の出版物がスペイン語でも提供される予定です。また,研究者などが電子コンテンツの設計時に必要なNANDA-Iデータベースの開発も進めています。教育研究委員会では,教育課程を支援するための新たな教材を準備しています。本書では,診断を学習する方々を支援することを目的として,個人・家族・集団・地域社会(コミュニティ)の問題,リスク,ヘルスプロモーションのニーズを表す診断に必要な情報を診断する人が入手しやすいようにしています。私が個人的にNANDA-Iにとても興味をもったのは,電子カルテシステムやデータ分析の臨床意思決定支援をデザインする上で,看護の知識体系の要素が不可欠だからです。
 時間と献身と熱意を本書の作業に注いでくれた,すべてのNANDA-Iボランティア,委員会の委員,委員長,理事会役員を称賛させていただくと同時に,多くのご支援に感謝します。さらに,専務理事のT. Heather Herdman博士をはじめとする事務局のスタッフの努力と支援にも心から感謝します。NANDA-Iの開発した知識の内容とデータベースの普及を援助してくれている出版パートナーのWiley-Blackwell社,翻訳物と国際的な出版パートナーにも感謝します。
 本書の中心部分をなす診断のレビューと編集に並外れた努力をしてくれた診断開発委員会の委員,特に2010年からの委員長,Shigemi Kamitsuru博士のリーダーシップには心から感謝します。この素晴らしい委員会には北米,中南米,欧州,アジアからの代表者が集い,NANDA-Iの知的部分の本当の意味での「発電所」になっています。長年のボランティアによる驚くほど綿密な作業には深く感銘するとともに,うれしくも感じています。
 最後になりますが,私がはじめて看護診断について学習し,使い始めたのは30年前のことでした。自分がいつか理事長になり,この素晴らしい看護の知識体系のためにアジェンダを設定するとは想像すらしていませんでした。看護師や看護学生を支える意味深くかつ有用な知識の開発を支援することに価値を見出し,私は喜んでNANDA-Iにボランティアとして志願することにしました。看護師や上級実践看護師は誰もが臨床的な意思決定をしています。実践の場でも,教育の場でも,クリティカルシンキングを用いる管理の場でも,臨床意思決定支援システムをデザインする情報科学の場でも。NANDA-Iにはこのような理由で,根拠に基づくケアの質を高め,患者ケアの安全性の強化に向けて果たすべき役割が,今まで同様にこれからもあり,NANDA-Iは看護専門職に必要な知識の中心的基盤であり続けます。

 NANDAインターナショナル理事長
 ジェーン・M・ブローケル
 Jane M. Brokel, PhD, RN, FNI
 President, NANDA International, Inc.
目 次
NANDAインターナショナル著作権承認ガイドライン

はじめに
ガイドサイトについて

第1部 NANDAインターナショナル用語体系の変更点
 はじめに
 定義と分類 2015-2017年版の最新情報

第2部 看護診断
 第1章 看護診断の基本
 第2章 アセスメントから看護診断へ
 第3章 NANDA-I分類法の概要説明
 第4章 NANDA-I分類法II:仕様と定義
 第5章 よくある質問

第3部 NANDA-I看護診断
 NANDA-I看護診断の使用に関する国際的留意事項
 領域1:ヘルスプロモーション
 領域2:栄養
 領域3:排泄と交換
 領域4:活動/休息
 領域5:知覚/認知
 領域6:自己知覚
 領域7:役割関係
 領域8:セクシュアリティ
 領域9:コーピング/ストレス耐性
 領域10:生活原理
 領域11:安全/防御
 領域12:安楽
 領域13:成長/発達
 2015-2017年版において開発と臨床評価に向けて受理した診断

第4部 NANDAインターナショナル2015-2017
 NANDAインターナショナル学会声明
 診断の提案と審査に関するNANDA-Iのプロセスと手順
 用語解説
 NANDAインターナショナル入会のご案内

索引