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≪新看護学 15≫

精神看護


(第3版)

執筆:天賀谷 隆/田中 隆志/林 直樹/吉川 隆博

  • 判型 B5
  • 頁 208
  • 発行 2014年01月
  • 定価 2,160円 (本体2,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-01812-8
本書の特長
精神看護を総合的に理解できる第2版の構成をふまえつつ、第3版では現在の精神看護の動向に対応すべく、あらたな項目を追加しました。
第1章に「心の健康と環境」の項目を加えました。現代の家庭・学校・職場・地域社会における心の健康の諸問題について解説しています。
第5章に「治療時の看護」「外来患者の看護」の項目を加えました。地域で生活しながら通院する患者の看護について、より理解を深めることができます。
全面カラー化し、わかりやすい図表を多数加えました。
序 文
はしがき

学習にあたって
 私たちの心は身体とともに生涯を通して発達していくが,心の発達は身体以上に経験や環境からの影響を受け,1人ひとり大きく異なっている。そのあり方は外からは見えず,自分自身ですらつかみきれないこともある。しかし,健康と不健康が連続的なものであ...
はしがき

学習にあたって
 私たちの心は身体とともに生涯を通して発達していくが,心の発達は身体以上に経験や環境からの影響を受け,1人ひとり大きく異なっている。そのあり方は外からは見えず,自分自身ですらつかみきれないこともある。しかし,健康と不健康が連続的なものであることは身体と同様であり,心の健康問題は決して特別なことではない。
 現在,わが国においては,精神障害者が地域で生活していくための総合的なしくみづくりが進められている。2006(平成18)年には障害者自立支援法が施行され,それまで分かれていた身体障害・知的障害・精神障害の福祉施策が統合された。2013(平成25)年には,障害者自立支援法が障害者総合支援法へ改正され,また精神保健福祉法の改正もなされ,いわゆる社会的入院の状態にある人が地域で安心して生活していけるよう,さまざまな取り組みがなされている。こうした精神保健医療福祉の改革によって,より高度な医療や病院の機能分化が求められている。
 精神看護とは,心の健康問題をかかえている人の発達と自立を支えるものである。かつては病院を中心に提供されてきたが,精神医療の場が病院から地域へと広がってきていることに伴い,看護の場が拡大し,その役割も多様化・複雑化している。看護に対する国民のニーズも高まり,専門性の高い看護教育が求められている。
 近年,医学や医療技術の進歩によって,心の疾患の原因や治療法が発見されつつある。しかしその一方で,時代や社会の変化に伴い,新たな心の健康問題も生じている。心の健康問題とその看護についての理解は,精神科に限らず,あらゆる看護の場面で必要とされているのである。

改訂の趣旨
 本書「精神看護」は,2000(平成12)年に初版が,2006(平成18)年には第2版が刊行され,その後7年が経過した。その間に,精神看護を取り巻く環境は大きく変化している。最新の状況を反映させ,新たな看護の役割に対応するために今回の改訂にいたった。
 第1章では,心のしくみと,心の発達と課題,心の健康と環境について学ぶ。今回の改訂では,職場・学校などの環境と心の健康とのかかわりについて項目を設けた。
 第2章では,心の健康問題を持つ人へのかかわり方,援助関係の基本といった精神看護の特質について学習する。
 第3章では,多彩な精神症状や精神疾患について理解する。
 第4章では,さまざまな治療法を概説する。現代精神医療の全容を把握してほしい。
 第5章では,精神看護の実際について,症状・疾患・看護の場など,さまざまな側面から総合的に学習する。行動制限と人権の確保はとくに重要であるため,何度も読み返し,十分に理解してほしい。今回の改訂では,看護の役割の拡大に対応するため,外来患者の看護,治療時の看護の項などを新設した。
 第6章では,精神保健医療福祉の歴史を学ぶ。精神保健医療福祉の歴史的変遷から,患者の人権をまもることの重要性を理解してほしい。
 第7章では,精神保健福祉法をはじめとする法律について解説する。
 第8章では,精神看護の課題と展望を概観する。現在進められている精神保健医療福祉改革のあり方から,これからの精神看護に求められている役割を理解してほしい。
 また,この第3版からは,より一層学びやすくなるよう全面カラー化し,理解のたすけとなる図表を充実させた。
 なお,編集にあたって,文中での表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除いて看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」と表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。また保健師・助産師・看護師・准看護師など看護の有資格者をさす場合には看護者あるいは看護職としたので,あらかじめご了解いただきたい。
 学習した知識を臨床の場に適用するのはむずかしいことであるが,臨床で困難に直面したときには,もう一度本書を開き,力を高めてほしい。本書は,そのような自己学習にも十分対応できるようにつくられている。
 今後とも本書が准看護師教育過程の学習に役だつテキストとなるように努めていきたい。読者の皆様に,ご意見・ご批判をいただければ幸いである。
 2013年11月
 著者ら
目 次
第1章 心の健康 (天賀谷隆)
 A.人間の心とはなにか
 B.発達と心の課題
 C.心の健康と環境
第2章 精神看護の特質 (田中隆志)
 A.精神看護とはなにか
 B.精神看護の動向
 C.看護の機能と役割
 D.看護における人間関係
第3章 精神症状と精神障害の理解 (林直樹)
 A.おもな精神症状と状態像
 B.精神科医療における診察と検査
 C.おもな精神障害とその分類
第4章 精神障害のおもな治療法 (林直樹)
 A.治療の場
 B.身体療法
 C.精神療法
 D.精神科リハビリテーション
第5章 精神看護の実際 (天賀谷隆・田中隆志)
 A.観察・コミュニケーション・記録
 B.精神障害者の行動制限と人権の確保
 C.問題となる症状に対する看護
 D.治療時の看護
 E.外来患者の看護
 F.入院患者の看護
 G.リハビリテーション看護
 H.精神医療におけるチーム医療・リエゾン精神看護
 I.地域で生活する患者の看護
第6章 精神保健医療福祉の歴史 (吉川隆博)
 A.精神医療と患者処遇の歴史
 B.わが国の精神保健医療福祉のあゆみ
第7章 精神保健医療福祉と法律 (天賀谷隆)
 A.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
 B.心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)
 C.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
 D.介護保険法
 E.医療法
 F.精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則(国連原則)
 G.障害者の権利に関する条約
第8章 精神看護の課題と展望 (天賀谷隆)
 A.精神保健医療福祉改革から求められる病床機能の強化
 B.精神科看護師の課題
 C.総合的な地域生活支援のしくみづくりへ

さくいん
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