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専門医のための消化器病学


(第2版)

監修:小俣 政男/千葉 勉
編集:下瀬川 徹/渡辺 守/木下 芳一/金子 周一/樫田 博史

  • 判型 B5
  • 頁 704
  • 発行 2013年10月
  • 定価 16,500円 (本体15,000円+税10%)
  • ISBN978-4-260-01835-7
各領域のエキスパートが解説する、消化器病学の最新知見
「病態の理解を軸に消化器疾患を総合的に捉える」という初版のコンセプトを引き継ぎ記載内容を刷新。消化器専門医が知っておきたい最新の知見を各領域のエキスパートが解説する。上部・下部消化管、肝、胆、膵を網羅した内容は、専門医を志す若い医師のみならず、消化器全般の知識のブラッシュアップに最適。病態のメカニズム、臨床研究の動向から診断・治療上のポイントまで、一歩先を行く専門医に有益な情報を提示する。
序 文
第2版 序

 『専門医のための消化器病学』の初版が発刊されて,すでに8年が経過しました.ありきたりの言い方ですが,時のたつのは本当に早いものです.しかしながらこの8年間というのは,今の医学の長足の進歩を考えると,とても長い期間とも言えるでしょう.何せ今の医学の進歩は本当に早く,毎...
第2版 序

 『専門医のための消化器病学』の初版が発刊されて,すでに8年が経過しました.ありきたりの言い方ですが,時のたつのは本当に早いものです.しかしながらこの8年間というのは,今の医学の長足の進歩を考えると,とても長い期間とも言えるでしょう.何せ今の医学の進歩は本当に早く,毎年教科書の内容を書き換える必要があると言っても過言ではありません.実際,消化器病学の分野でもこの間に,新しい疾患概念の確立,病因病態の解明,各疾患の発症率の変化,診断法や治療法の進歩,など様々な変化や進展が見られています.
 新たに疾患概念が確立された例として,自己免疫性膵炎を含めたIgG4関連疾患やそれに関連したIgG4関連硬化性胆管炎,好酸球性消化管疾患などがあげられます.また原因遺伝子の解明によってIPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm),low-grade appendiceal mucinous neoplasms, pyloric antral gland adenoma of the stomach and the duodenumさらに大腸のvillous adenomaの強い関連性が明らかとなってきました.さらに炎症性腸疾患(IBD)の発症に関与する多くの遺伝子多型や関連遺伝子が明らかになったことによって,潰瘍性大腸炎やCrohn病のみならず,周辺のindeterminate colitisに対する理解も深まってきました.また膵炎に関連する遺伝子が数多く見いだされてきたことによって,遺伝性・家族性膵炎のみならず,孤発性,アルコール性,さらにはendemicな膵炎の理解が深まり,異なる病因によると思われたこれら膵炎の間に連続性があることもわかってきました.また疾病構造の変化に眼を向けると,Helicobacter pylori (HP)感染者の減少によって,HPによる潰瘍発生が激減し,一方NSAID潰瘍や逆流性食道炎(GERD)が増えてきています.加えてIBDも驚くべき速度で増加してきています.一方悪性疾患に眼を向けると,若年者の胃癌が減少傾向にあり,また肝癌の高齢化が著明になってくるとともに,肝癌に占めるウイルス性の比率が減ってきています.しかし悪性疾患でもっとも特徴的なことは,膵癌患者の急増です.この増加は明らかに日本人を取り巻く環境の変化が原因と考えられますが,早急に対策を講じないと日本も膵癌大国になってしまいそうです.さらに治療法についても,C型肝炎に対する治療法の進歩,IBDや癌など,良性悪性疾患に対する生物製剤の導入,さらに癌治療における様々な進歩など,数え上げたらきりがありません.
 消化器病学は内視鏡やCT画像,さらに病理標本といった,マクロ,ミクロの形態学が重要であるからこそ,それに加えて,その背景となる病因病態を理解することが強くもとめられます.本教科書は初版から,こうした病因病態の理解をもとに疾患を理解することを大きな目標としてきました.実際に今回の第2版でも,「疾患概念」「病態のメカニズム」の項目を前面に出すことによって「疾患を理解する」ように構成されています.さらに病因病態についての「最新のトピックス」を随所におくことによって,理解をより高める試みがなされています.本書が,消化器病の専門医をめざす医学生,研修医,レジデントにとって,ハンディでかつ質の高い教科書となることを切望します.

 2013年9月
 小俣政男,千葉 勉
目 次
I.食道
 総論
 各論
  感染症
  炎症
  外傷
  運動・機能異常
  腫瘍性病変
  門脈圧亢進症に伴う疾患
  形成異常
  その他
II.胃・十二指腸
 総論
 各論
  感染症
  炎症
  機能異常
  腫瘍性病変
  その他
III.小腸・大腸
 総論
 各論
  感染症
  炎症
  運動・機能異常
  腫瘍性病変
  さまざまな原因による病態
  直腸・肛門疾患
IV.肝臓
 総論
 各論
  感染症
  代謝性疾患
  免疫性疾患
  腫瘍性病変
  線維化
  さまざまな病態と治療
V.胆道
 総論
 各論
  胆石症
  感染症
  過形成疾患
  免疫異常
  腫瘍性病変
  機能異常
  形成異常
VI.膵臓
 総論
 各論
  炎症
  免疫異常
  嚢胞性疾患
  腫瘍性病変
  形成異常
  さまざまな原因による病態

索引