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インターライ方式 ケア アセスメント

居宅・施設・高齢者住宅

著:John N. Morris/ほか 
監訳:池上 直己
翻訳:山田 ゆかり/石橋 智昭

  • 判型 A4
  • 頁 368
  • 発行 2011年12月
  • 定価 4,104円 (本体3,800円+税8%)
  • ISBN978-4-260-01503-5
高齢者向けアセスメントツールの最新版!
本書は、『MDS2.0在宅ケア』と『MDS2.1施設ケア』の発展版であり、2冊にさらに新たに『高齢者住宅版』を加えて、日本の地域包括ケアのニーズに応えるため、日本独自の統合版マニュアルとして発行。多職種による切れ目ないケアを提供するうえで最適なアセスメント方式でケアマネージャー必携の書。
序 文
日本版 序文

 背景-日本の状況-
 公的介護保険導入から10年を経た総括では,「地域包括ケアシステム」の整備が今後の課題とされた.地域包括ケアという概念は多様な意味で使われているが,狭義には,個々人の心身の状態に応じた切れ目のない医療や介護の提供体制の構築を指すことが多い.し...
日本版 序文

 背景-日本の状況-
 公的介護保険導入から10年を経た総括では,「地域包括ケアシステム」の整備が今後の課題とされた.地域包括ケアという概念は多様な意味で使われているが,狭義には,個々人の心身の状態に応じた切れ目のない医療や介護の提供体制の構築を指すことが多い.しかし介護保険の設立当初から,多職種協働やトータルケアマネジメントなどの重要性は認識されており,介護支援専門員が制度化された根拠でもあったが,現時点で職種間やサービス間の分断は十分に改善されていないといえよう.

 MDSからインターライ方式へ
 これに対して,われわれが日本に紹介してきたMDS方式は,多職種による利用を前提に共通な言語で開発され,また施設と在宅の連携も施設版(MDS2.1)と在宅版(MDS-HC2.0)の基本項目を同じにすることで,切れ目のないケアを提供するうえで,最適なアセスメント方式という評価を得てきた.こうした実績をさらに発展するため,高齢者ケアの専門家により設立された国際的な非営利組織インターライは,すべての版を再構築した新しい方式を2009年に開発した.この新たな「インターライ アセスメント システム」において,以下が図られた.
1)居宅,施設などの様々な場で共通に用いるべきコア項目から出発し,それに各版において追加的に必要なアセスメント項目をモジュール式に加えたので,概念的にも,実際の項目においても,さらに共通化が図られた.
2)これまで施設と在宅で分かれていたRAP/CAPの指針を,新CAP(Clinical Assessment Protocol,ケア指針)に一本化することによって,切れ目のないケアプランを作成するうえで,課題の検討をいっそう行いやすくした.
3)高齢者住宅用のアセスメント方式を整備し,居宅・施設の中間に位置づけるとともに,同住宅に固有な項目としてインターネット利用等の活動,生活への満足を加えた.


 日本版独自の構成
(1)統合版マニュアル
 インターライとして,上記に基づいて再構築し,元の英語版をはじめとして各国で翻訳版も発刊しているが,いずれもアセスメントマニュアルについては別冊化されており,CAPも独立した1冊の本となっている.これに対して,我々は地域包括ケアのニーズに応えるためには,これらを統合したマニュアルの方がより有用と考え,インターライ本部の許可を得て,世界で初めて居宅・施設・高齢者住宅を統合し,さらにCAPも加えたマニュアルとして刊行することとした.

(2)アセスメント表
 オリジナル版では,アセスメント表の項目記号は,セクションも含めて各版によって各々異なっている.これに対して,日本版では居宅・施設・高齢者住宅を統合する際に,すべてのアセスメント項目の記号番号を統一化した.こうした全項目統合版のアセスメント表を巻末付録に付しており,他の版では,どのような項目がアセスメントの対象に追加されているかを把握するうえで,参考にされたい.一方,実際に用いるアセスメント表は,版によって異なっており,第1章にそれぞれ提示されている.これらのアセスメント表の記号番号は必ずしも連番となっておらず,また日本版専用であるゆえ,オリジナルとも異なることに留意されたい.

(3)記入要綱
 日本版では居宅・施設・高齢者住宅を統合したので,記入要綱も可能な限り共通化し,高齢者住宅版を共通コア項目としたうえで,各版に固有な解説箇所は,居宅版は青色,施設版は緑色の枠線で示した(第2章 アセスメント表の記入要綱参照).なお,本書ではこのように色分けして表示したが,合わせて開発されるソフトでは,それぞれの場の該当箇所のみが表示される.

(4)CAPトリガー
 以前に比べて,CAPの精緻化が進み,トリガーされるCAPの数は大きく減ったが,その分,トリガーする仕組み(アルゴリズム)は複雑化した.したがって,CAPのトリガーはコンピューターソフトの利用を前提としており,これまでのようにマニュアルで行うためのCAP選定表も『インターライ方式 ケア アセスメント』には用意されていない.なお,同じ理由から,オリジナルのCAPには,トリガーの基準は示されているものの,対応する具体的なアセスメント項目は省略さている.しかしながら,ケアプランの課題検討を行う際などにCAPにつながったアセスメント項目を具体的に確認したい場合があると考え,日本版では本文中にこれを示した.

(5)尺度(スケール)
 『インターライ方式 ケア アセスメント』には,アセスメント項目を用いて測定可能な尺度が含まれている.日本語版では,CAPトリガーにも採用されている,うつ評価尺度・認知機能尺度・日常生活自立段階の3つの尺度について,巻末にその算出方法を示している.これら尺度は,CAPトリガーとしての活用以外に,各事業者の利用者全体における認知症の各レベルの分布や,要介護度と比べてより精緻に身体的な自立度の分布を明らかにするうえで活用できる.自らの事業所の利用者の構成(プロフィール)に関心を持つ一助となれば幸いである.なお,本書と合わせて開発されるソフトでは,トリガーは自動算出される.


 謝辞
 本書を刊行するに当り,interRAIメンバー各位,特に日本独自の統合版マニュアル発刊にご高配いただいたJohn N. Morris先生,インターライ日本の委員各位,日本版モニターに協力いただいた,医療法人鉄蕉会亀田総合病院,社会福祉法人聖隷福祉事業団,株式会社ラックコーポレーション,株式会社学研ココファン,日本パムコ株式会社,株式会社川口福祉サービス,社会福祉法人うらら[みずべの苑]の介護支援専門員の皆様,および翻訳協力の天野貴史氏,林上真由美氏に感謝する.

 2011年11月
 池上 直己
 特定非営利活動法人 インターライ日本 理事長
 慶應義塾大学医学部 教授
目 次
まえがき
 日本版 序文

第1章 アセスメントの利用に際して
 インターライ アセスメント システムの開発によせて
 [居宅版アセスメント]
  はじめに
  居宅版アセスメントの使い方
  アセスメント表
 [施設版アセスメント]
  はじめに
  施設版アセスメントの使い方
  アセスメント表
 [高齢者住宅版アセスメント]
  はじめに
  高齢者住宅版アセスメントの使い方
  アセスメント表

第2章 アセスメント表の記入要綱
 セクションA 基本情報
 セクションB 相談受付表
 セクションC 認知
 セクションD コミュニケーションと視覚
 セクションE 気分と行動
 セクションF 心理社会面
 セクションG 機能状態
 セクションH 失禁
 セクションI 疾患
 セクションJ 健康状態
 セクションK 口腔および栄養状態
 セクションL 皮膚の状態
 セクションM アクティビティ
 セクションN 薬剤
 セクションO 治療とケアプログラム
 セクションP 意思決定権と事前指示
 セクションQ 支援状況
 セクションR 退所の可能性
 セクションS 環境評価
 セクションT 今後の見通しと全体状況
 セクションU 利用の終了
 セクションV アセスメント情報

第3章 CAP(ケア指針)
 はじめに
 CAPの使い方
 A.機能面
  CAP1 身体活動の推進
  CAP2 IADL
  CAP3 ADL
  CAP4 住環境の改善
  CAP5 施設入所のリスク
  CAP6 身体抑制
 B.精神面
  CAP7 認知低下
  CAP8 せん妄
  CAP9 コミュニケーション
  CAP10 気分
  CAP11 行動
  CAP12 虐待
 C.社会面
  CAP13 アクティビティ
  CAP14 インフォーマル支援
  CAP15 社会関係
 D.臨床面
  CAP16 転倒
  CAP17 痛み
  CAP18 褥瘡
  CAP19 心肺機能
  CAP20 低栄養
  CAP21 脱水
  CAP22 胃ろう
  CAP23 健診・予防接種
  CAP24 適切な薬剤使用
  CAP25 喫煙と飲酒
  CAP26 尿失禁
  CAP27 便通

付録編
 尺度(Scales)
 アセスメント表(統合版)

インターライ アセスメント システム開発委員会