生理学 第4版

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生理学の膨大な知識を、コンパクトかつわかりやすくまとめた好評テキスト。第4版ではオールカラーとなり、内容も一新。PT・OTにとって特に重要となる領域には重点をおいて解説し、国家試験にも対応。章末の「理学・作業療法との関連事項」では、各章で学んだ生理学の知識が臨床でどのように役立つのかを示唆。また「NOTE」では基礎知識の解説、およびやや専門的な解説で読者の理解を助ける。
*「標準理学療法学・作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野
シリーズ監修 奈良 勲 / 鎌倉 矩子
執筆 岡田 隆夫 / 長岡 正範
発行 2013年08月判型:B5頁:248
ISBN 978-4-260-01652-0
定価 4,840円 (本体4,400円+税)
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第4版 序

 このたび,『標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 生理学 第4版』が刊行の運びとなった.初版から第3版までを執筆されてきた石澤光郎先生および冨永 淳先生に代わり,岡田と長岡が執筆を担当することとなった.本文を全面的に新しくするとともに,図版もカラーとし,まったく新しい本に生まれ変わった.これまで,いくつかの教科書を執筆するなかで学んだノウハウを生かして,「読みやすく」かつ「理解しやすい」教科書とするように努めたつもりである.
 生理学に関する記述は岡田が担当し,各章末にある「理学・作業療法との関連事項」はリハビリテーション医学の専門家である長岡が担当した.「理学・作業療法との関連事項」では,各章で解説した生理学的調節や現象が,どのように臨床と関連するかをわかりやすく説明し,読者の勉学意欲や興味をより一層かきたてるよう努めた.
 また,随所に「NOTE」として,基本事項の解説,およびやや専門的な解説を挿入した.生理学の理解を深め,視野を広めるきっかけとしてご活用いただければ幸いである.
 全体としては,膨大な生理学に関する情報のなかから,基本的知識として身につけておくべきもの,理学療法士・作業療法士として知っておくべき知識を精選し,簡潔にまとめるよう努力した.あわせて生理学の面白さを読者にお伝えすることができれば,これ以上の幸せはない.
 本書の記述および図版の正確さには,細心の注意を払ったつもりである.しかし,まだまだ不備な点があるかもしれない.読者の方々からの忌憚のないご意見,ご指摘など頂戴できれば幸いである.
 最後に,筆の遅い筆者らの尻を叩くとともに,綿密な作業により不足している部分の指摘や用語の統一など,よりよい教科書となるようにご努力いただいた医学書院に感謝します.

 2013年6月
 岡田隆夫
 長岡正範

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序説 PT・OTにとっての生理学
 A 生理学とは
 B 対象者の状態を理解するために
 C 理学・作業療法との関連事項
第1章 生命現象と人体
 A 身体の階層性
 B 生命現象
 C 水
 D ホメオスタシスと負のフィードバック
 E 理学・作業療法との関連事項
第2章 細胞の構造と機能
 A 細胞の構造と機能
 B 静止電位と活動電位
 C 理学・作業療法との関連事項
第3章 神経の興奮伝導と末梢神経
 A 神経細胞の構造
 B 興奮の伝導
 C 末梢神経の種類
 D 自律神経
 E シナプスにおける興奮の伝達
 F 理学・作業療法との関連事項
第4章 中枢神経系
 A 中枢神経系とは
 B 脊髄
 C 脳幹
 D 小脳
 E 間脳:視床と視床下部
 F 大脳皮質
 G 脳の高次機能
 H 大脳基底核と脳梁
 I 辺縁系
 J 脳室と脳脊髄液・血液脳関門
 K 理学・作業療法との関連事項
第5章 筋と骨
 A 筋の分類
 B 骨格筋
 C 心筋
 D 平滑筋
 E 骨
 F 理学・作業療法との関連事項
第6章 感覚
 A 感覚とは
 B 体性感覚
 C 内臓感覚
 D 特殊感覚
 E 理学・作業療法との関連事項
第7章 血液
 A 血液の組成と機能
 B 赤血球
 C 白血球
 D 血小板
 E 血漿
 F 血液型
 G 理学・作業療法との関連事項
第8章 心臓と循環
 A 血液の循環
 B 心臓の興奮と刺激伝導系
 C 心電図
 D 血液の拍出と血圧
 E 心周期
 F 圧-容積関係
 G 心機能曲線
 H 血圧の調節
 I 微小循環と物質交換
 J 静脈還流
 K 臓器循環
 L リンパ循環
 M 理学・作業療法との関連事項
第9章 呼吸とガスの運搬
 A 外呼吸と内呼吸
 B 気道と肺胞
 C 呼吸運動
 D 呼吸気量
 E ガス交換とガスの運搬
 F 呼吸の調節
 G 病的呼吸
 H 理学・作業療法との関連事項
第10章 尿の生成と排泄
 A 腎臓の役割
 B 腎臓の構造
 C 尿の生成
 D クリアランス
 E 排尿
 F 尿の性状と排尿の異常
 G 理学・作業療法との関連事項
第11章 酸塩基平衡
 A 血漿のpH調節
 B アシドーシスとアルカローシス
 C 理学・作業療法との関連事項
第12章 消化と吸収
 A 消化器の役割
 B 口腔内消化と嚥下
 C 食道における食物輸送
 D 胃の役割と消化
 E 十二指腸における消化
 F 空腸・回腸における消化と栄養素の吸収
 G 大腸の役割
 H 肝臓の役割
 I 理学・作業療法との関連事項
第13章 内分泌
 A 内分泌機能とホルモン
 B 各腺から分泌されるホルモンの作用
 C 理学・作業療法との関連事項
第14章 代謝と体温
 A 栄養素
 B エネルギー代謝
 C 体温
 D 理学・作業療法との関連事項
第15章 生殖と発生
 A 男性生殖機能
 B 女性生殖機能
 C 受精,着床,胎児の発生
 D 理学・作業療法との関連事項
第16章 運動生理
 A 筋力と持久力
 B 筋収縮のエネルギー源
 C 運動に伴う全身の変化
 D トレーニング効果と加齢変化(老化)
 E 理学・作業療法との関連事項

セルフアセスメント
索引

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教員にも学生にも使いやすくわかりやすいテキスト
書評者: 松波 謙一 (東京YMCA医療福祉専門学校・生理学)
 生理学は,理学療法士(PT)・作業療法士(OT)にとって,解剖学とともに基礎医学の基幹となる科目である。しかし,高校を卒業したばかりのPT・OTの1年生にとっては,大変難しい科目となる。特に生理学は,解剖学と違って数式などがあるので,とりわけその感が強くなる。そのため,毎年,学期初めになると,1年生から「生理学の授業は難しくてわからない」と言われ続けてきた。

 私は,岐阜大学医学部に在職中から13年間,近くの専門学校でPT・OT(および視能訓練士)の学生に対して,生理学の講義と実習を担当した。同じく名古屋大学でも,PTの学生に対して神経心理学を担当し,前頭前野の講義を受け持った。定年後は中部学院大学リハビリテーション学部の学部長を務める傍ら,理学療法学科の学生に生理学の講義と実習を教えてきた。そうしたなかで,それぞれレベルの異なった学生のためにどんな教科書を使ったらいいか,その都度,頭を悩ましてきた。

 PT・OTの学生には,医学部で使う重厚長大な教科書はそぐわない。それでも最初は,真島英信先生の『生理学 第18版』(文光堂;これは文句なく名著であり,私の座右の書でもある)を使った。学生はきつかったと思う。私自身,これをきちんと消化すべく講義をするのはきつかった。時間も足りなかった。そのため,「君たちの顔は見ないよ,ゴメンネ!」と言いながら,学生には背を向けたまま,猛スピードで黒板に文と絵を描きまくっていった。パワーポイントがない時代の話である。真島先生が亡くなられると,大地陸男先生が『生理学テキスト』を出版された(文光堂,現在は第7版)。これは図も文もはるかにわかりやすく,私は大変助かった。しかし,対象はあくまで医学部の学生であり,PT・OTの学生に教えるにはやはり無理があった。特に国家試験のことを考えると頭が痛かった。良いPT・OT向けの教科書が欲しかった。

 このたび,医学書院から岡田隆夫・長岡正範 両先生が執筆された『《標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野》生理学 第4版』が刊行された。図はオールカラーになり,美麗で非常にわかりやすくなった。文章も読みやすい。さらに章立てが,ほぼ私が授業で進める順序に変更されているので,私にとっては大変使いやすいテキストになっている。学生にも使いやすいと思っている。また各章ごとに「理学・作業療法との関連事項」および「復習のポイント」があり,その章で学んだ生理学の知識を整理するとともに,臨床でどのように役立つのかが示唆されていて,生理学の重要性がわかるように配慮されている。

 生理学,中でも神経系,運動・感覚系,心肺機能の知識は,臨床に進むととても重要になる。だからこそ,私は時間をかけて丁寧に教えてきた。本書ではこうした内容がしっかり記載されており,授業にも使いやすい。理学療法学科・作業療法学科でPT・OTの学生に生理学を教えている教員の先生方には,本書を強く推薦したい。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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