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成人看護学[11]
アレルギー 膠原病 感染症 第13版

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専門基礎分野との連携を重視し、既習事項を臨床看護に応用することを主眼においた構成にしています。検査方法や薬剤について最新の知見を取り入れ、すぐに現在の医療現場に対応ができる内容となっています。 アレルギーでは、増えつづけるアレルギー性疾患患者に対応するため、疾患を増やし、蕁麻疹、接触皮膚炎など、患者への看護をより充実させました。 膠原病では、慢性疾患が多く看護がより重要であることをふまえ、疾患の知識から心理・社会面へのケアまで幅広く網羅し、取り上げる疾患を増やしました。 感染症では、基礎知識だけでなく、実際の臨床現場において看護師になにが求められるのかを学ぶことができる内容としました。疾患、事例を増やし、院内サーベイランスについての説明を加えるなど、内容の充実をはかりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座
岩田 健太郎 / 岩渕 千太郎 / 梅津 純子 / 大路 剛 / 岡 秀昭 / 上山 伸也 / 川口 鎮司 / 滝口 智子 / 鶴田 明美 / 土井 朝子 / 古谷 直子 / 細川 直登 / 馬原 美保子 / 山本 舜悟
発行 2012年01月判型:B5頁:392
ISBN 978-4-260-01370-3
定価 2,420円 (本体2,200円+税)
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はしがき


 1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
 本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気をもつ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
 したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患をもった患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
 本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
 まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
 以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器の身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニーズを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
 したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせもつ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
 このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
 以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。

カリキュラムの改正
 看護教育のカリキュラムは,20年ぶりとなる1989年の全面的な改正ののち,1996年には3年課程,1998年には2年課程が改正された。さらに2008年にも大きく改正され,看護基礎教育の充実がはかられている。その背景として,わが国の急速な少子高齢化の進展や,慢性疾患の増加などの疾病構造の変化,医療技術の進歩,看護業務の複雑・多様化,医療安全に関する意識の向上など,看護を取り巻く環境の変化があげられる。
 これらの変化に対応するために,新カリキュラムでは専門分野がIとIIに分けられ,専門分野Iでは基礎看護学を,専門分野IIでは対象の発達段階に応じた看護の実践を学ぶことになり,それぞれに臨床実践能力の強化が盛り込まれている。また,統合分野が新たに設けられ,看護の統合と実践を学び,より患者の視点に立った質の高い看護実践能力の向上が求められることになった。

改訂の趣旨
 今回の「成人看護学」の改訂では,カリキュラム改正の意図を吟味するとともに,1999年に発表され,直近では2010年に改定された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れ,内容の刷新・強化をはかった。また,日々変化する実際の臨床に即し,各系統において統合的・発展的な学習がともに可能となるように配慮した。
 第1章「看護を学ぶにあたって」では,各系統別の医療の動向と看護を概観したあと,患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
 第2~5章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
 第6章「患者の看護」では,第1~5章の学習に基づいて,症状別,診断および治療・処置別,経過別,疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開することにより,患者の有する問題が論理的・総合的に理解できるように配慮されている。
 付章「事例による看護過程の展開」では,1~2つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際を展開している。患者の有するさまざまな問題を提示し,看護の広がりと問題解決の過程を具体的に学習できるようにしている。
 また,巻末には適宜付録を設け,各系統別に必要となる知識を整理し,学習の利便性の向上をはかった。
 今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者の皆さんの忌憚のないご意見をいただければ幸いである。
 2011年11月
 著者ら

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アレルギー
第1章 看護を学ぶにあたって (鶴田明美)
 A 医療の動向と看護
 B 患者の特徴
 C 看護の役割
第2章 免疫のしくみとアレルギー (川口鎮司)
 A 免疫反応と病気
 B アレルギーに関与する免疫担当細胞と化学物質
 C アレルギーのしくみ
第3章 検査と治療 (川口鎮司)
 A 検査と診断
 B 治療
第4章 症状と疾患の理解 (川口鎮司)
 A 気管支喘息
 B アレルギー性鼻炎
 C アトピー性皮膚炎
 D 薬物のアレルギー
 E アナフィラキシー
 F 蕁麻疹
 G 接触皮膚炎
 H 食物アレルギー
第5章 患者の看護 (鶴田明美)
 A 症状に対する看護
 B 検査を受ける患者の看護
 C 治療を受ける患者の看護
 D 疾患を持つ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (鶴田明美)
 A 気管支喘息患者の看護

膠原病
第1章 看護を学ぶにあたって (馬原美保子)
 A 医療の動向と看護
 B 患者の特徴
 C 看護の役割
 D 疾患の経過と看護
第2章 自己免疫疾患とその機序 (川口鎮司)
 A 免疫トレランス(免疫寛容)
 B 自己免疫疾患の病態
第3章 症状とその病態生理 (川口鎮司)
 A 関節痛・関節炎
 B レイノー現象
 C 皮膚・粘膜症状
 D 発熱
 E タンパク尿
 F 筋力低下
第4章 検査と治療 (川口鎮司)
 A 膠原病の診断までの流れ
 B 検査
 C 治療方法
第5章 疾患の理解 (川口鎮司)
 A 関節リウマチ
 B 全身性エリテマトーデス
 C 全身性強皮症
 D 多発性筋炎,皮膚筋炎
 E 混合性結合組織病
 F 血管炎症候群
 G シェーグレン症候群
 H ベーチェット病
第6章 患者の看護 (馬原美保子)
 A 症状に対する看護
 B 検査を受ける患者の看護
 C 治療を受ける患者の看護
 D 疾患を持つ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (梅津純子)
 A 全身性エリテマトーデス患者の看護

感染症
第1章 看護を学ぶにあたって (岩田健太郎)
 A あなたを取り巻く感染症
 B 感染症の歴史を学ぶ
 C 看護を取り巻く感染症の問題
 D あなた自身をまもるために
第2章 感染症とは (土井朝子)
 A 感染症とはなにか
 B 感染が成立する条件
 C 感染症の病態生理
 D どのような症状がみられるか
第3章 感染症の検査・診断 (細川直登)
 A 感染症診断の原則
 B 検査・診断・治療の流れ
 C 検査の実際
第4章 感染症の治療 (山本舜悟)
 A 感染症治療の原則
 B 抗菌薬総論
 C 抗菌薬各論
 D その他の治療法
 E 一次予防と二次予防
第5章 疾患の理解 (山本舜悟・岩渕千太郎・大路剛・上山伸也)
 A 発熱・不明熱
 B 上気道感染症
 C 下気道感染症
 D 心血管系感染症
 E 消化管感染症
 F 肝胆道系感染症
 G 尿路感染症
 H 性感染症
 I 皮膚軟部組織感染症
 J 眼の感染症
 K 中枢神経感染症
 L 悪性腫瘍,造血幹細胞移植,固形臓器移植に伴う感染症
 M 菌血症・敗血症
 N 人動物咬傷
 O その他のウイルス性感染症
 P 真菌感染症
 Q 寄生虫感染症
 R HIV感染症と日和見感染症
 S 新興・再興感染症
 T 多剤耐性菌感染症
第6章 患者の看護 (古谷直子・岡 秀昭)
 A 感染予防
 B 症状に対する看護
 C 検査・治療における看護
 D 疾患を持つ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (滝口智子・古谷直子)
 A 脳梗塞により侵襲的処置をうける患者の看護
 B 敗血症患者の看護

参考文献・推薦図書
索引

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