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医療福祉総合ガイドブック 2010年度版

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医療・福祉サービスの社会資源にはどういったものがあるか、利用者の視点で一覧できるガイドブックの2010年度版。法律や省令レベルでの制度的枠組みについての解説にとどまらず、通知レベルの最新情報も従来通りフォローすることで、2009年秋の政権交代に伴った医療・福祉現場での変化も踏まえて、利用者からの相談に応じることができる1冊。ケアマネジャーやソーシャルワーカーはもちろんのこと、退院調整にかかわる医療者にも役立つ。
本書は2010年2月末日(一部、3月15日)までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
編集 NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会
編集代表 村上 須賀子 / 佐々木 哲二郎
発行 2010年04月判型:A4頁:304
ISBN 978-4-260-01037-5
定価 3,520円 (本体3,200円+税)
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はじめに

 生活保護母子加算復活,障害者自立支援法訴訟の和解,肝炎対策基本法や労働者派遣法改正,療養病床削減計画の凍結,子ども手当てなど,社会福祉や社会保障にかかわる矢継ぎ早でダイナミックな政策転換は,国と国民の関係や,政治と暮らしのあり方の変化を実感させた半年であったといえます.障害者自立支援法後の制度設計の作業にあたる「障がい者制度改革推進本部」(閣議決定により設置)のメンバーに多くの障害者が位置づけられたことは,訴訟や抗議行動で障害者自立支援法反対を訴えざるを得なかった障害者にとっては画期的な出来事です.障害者のみならず高齢,母子,貧困など財の再配分から取り残され社会的排除を受けてきた人びとにとっても勇気づけられることです.
 一方,長引く不況下で2008年に引き続いた年越し派遣村では,国・自治体の新たな試みとして,窓口をたらい回しにしないワンストップサービスが提供されています.雇用,所得,居住など関連する生活課題に対し,相談と支援を提供するソーシャルワーカーが動員されています.12年も連続する自殺者3万人を超す実態,生活保護受給者を食い物にする貧困ビジネスの出現は,1人ひとりが抱える個別の事情をふまえたうえで医療保障や権利擁護を加えたワンストップサービスの提供が全国津々浦々で必要とされているといえます.
 本書の執筆を担った医療ソーシャルワーカーたちは,病院などで生活問題を中心に患者さんや家族の相談に当たっています.「それは,私の管轄外です」とたらい回しにすることなく,保健・医療・福祉制度全般にわたって幅広く情報収集したものを,患者さんや家族のよりよい問題解決のために活用します.制度そのものの枠組みさえも改変されつつあるこの時代,情報の正確さを保つためには,日々の絶え間ない努力が要求されます.
 若いソーシャルワーカーたちから「この本は私のバイブルです」と言われ,障害者からは「『家庭の医学』みたいな本だね」と言われれば,本書を編集した医療ソーシャルワーカーたちは,出版継続のための自らの責務を実感せざるを得ません.
 2007年度版から,身体・知的・精神障害の3つの障害を統合した自立支援法に沿って精神科医療を「医療サービス」の章に統合しました.総合的なわかりやすい医療サービスガイドとして,第II章に位置づけました.とはいえ,2009年9月に誕生した新政権の下の大変革のまっただ中にあって,新たな制度の情報収集と整理に追われ,本書の特色である咀嚼した記述になるよう奮闘中のまま,みなさんのもとに届けることになりました.
 2010年度版では,コラムを一新し,制度施行後の利用者の声や医療ソーシャルワーカーの意見表明も加え,バラエティ豊かなものとしました.
 日本社会の地域間格差が,生活への深刻な影響を与えています.ある障害児のお母さんから寄せられた声を紹介します.このガイドブックに掲載されている制度について役所に問い合わせたところ,「うちの市ではやってません」との答えで,ほかの地域には存在する制度がわが市にはないことが確認できたとのことでした.このように,社会資源にも「地域間格差」があることを明確にするために,2008年度版からは法的な根拠を掲載することに努めました.各地で格差是正を求める活動が進められ,本書がそれを応援する力になり得れば,執筆者たちの大いなる喜びです.
 このガイドブックを利用してくださった読者の方々から,ご意見や新しい情報をお寄せいただければ幸いです.次年度版に反映いたします.

 本書前身の初版発行より,本書のもつ社会的使命を共有してくださり,プロとしての情熱を傾け続けてくださった医学書院看護出版部の故・川中幸子さんと,前制作部の武田誠さんの志を継承していきたいと思います.
 また,年度版発行に向けて持続可能な編集システムの編成のために尽力してくださった看護出版部の北原拓也さんに深謝申し上げます.

 なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます.

 2010年3月
 編集代表 村上 須賀子
        佐々木哲二郎

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ガイドブック活用の前に

I 社会保障のしくみ
 社会保障のしくみ
II 医療サービス
 病院選びに困ったとき
III お金のこと
 医療費に困ったとき
 生活費
IV 高齢者サービス
 介護保険のしくみ
 高齢者サービスの実際
V 障害者サービス
 障害者サービスのガイド
 障害者サービスの実際
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス
 おでかけ
 しごと
VI 難病
 難病患者のために
VII 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
VIII 権利擁護と利用者支援
 権利を擁護するということ
 権利行使を支援するシステム
 権利侵害があった場合の救済システム
IX ピア・サポートと相談・支援
 サービス利用の窓口
 支援する人
 自助グループ(セルフヘルプグループ)

資料編
 1.身体障害者障害程度等級表
 2.精神障害者保健福祉手帳障害等級表
 3.国民年金障害等級表,厚生年金障害等級表,厚生年金障害手当金
 4.労働者災害補償保険法障害等級表
 5.高次脳機能障害診断基準
 6.特別障害者手当障害程度
 7.自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
 8.厚生労働省科学研究 難治性疾患克服研究事業対象疾患
 9.重度心身障害者医療費助成制度
 10.こども医療費助成制度,乳幼児医療費助成制度
 11.ひとり親家庭等医療費助成制度
 12.都道府県における難病相談・支援センター
 13.都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問合せ先
 14.無料低額診療施設

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