IVRマニュアル 第2版

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IVRの手技を横断的、網羅的に解説した定番書の改訂版。第2版では、ハンディで調べやすい長所を受け継ぎつつ、さらに多くの手技を追加、またIVR看護の章も新設した。IVRに携わるすべての医療従事者必携のマニュアル。
編集 栗林 幸夫 / 中村 健治 / 廣田 省三 / 吉岡 哲也
発行 2011年05月判型:A5頁:464
ISBN 978-4-260-01125-9
定価 6,820円 (本体6,200円+税)
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第2版 編集の序

 Interventional Radiology(IVR)は,種々の疾患に対する有用な治療手技として医療のなかでその地位が確立され,広く普及している。IVRは,その低侵襲性を特徴として,脳神経,肺・縦隔,心大血管,末梢血管(動脈,静脈),肝胆膵などの腹部臓器,消化管,泌尿・生殖器,骨軟部など,全身のさまざまな領域において活用されており,IVRが必須な治療法である病態も数多く,また救急医療においても重要な役割を果たしている。
 IVRの発展は目覚しく,その進歩に伴い手技は多種多様となり,技術も複雑かつ高度化してきているなかで,臨床の現場に即した内容で,日常の臨床の現場で役立つマニュアルを目指して,「IVRマニュアル」初版を作成したのが2002年8月である。発刊後は,IVRに携わる医師,IVRを習得しようとする若手医師,診療放射線技師,看護師など多くの方々から好評をいただき,実際のIVRの現場で携帯してすぐに参照でき,手技の施行に際して役立つ書であるとの評価をいただいた。
 しかしながら,初版を刊行してから既に9年が経過しようとしている。この間のIVRの発展には目をみはるものがあり,新たに導入された手技も数多くあることから,内容をup-to-dateなものにbrush upした改訂第2版を発行するべく,編集者一同で話し合い本書を企画したものである。編集の方針としては,コンパクトにまとめて記載する基本的な枠組みは変えずに,初版の発行からこれまでの間に新たに開発され導入された手技を追加し,また既にあまり使われていない手技については極力省くこととした。執筆者も初版では関西地区を中心に構成したが,この改訂第2版では執筆者を全国に広げて構成し,初版に取り上げられた手技に関しても,その内容をbrush upしていただくこととした。さらにIVRの術前,術中,術後の看護の重要性を考慮して,新たな章として「IVR看護」を追加した。
 改訂第2版においても,IVRの現場ですぐに参照でき役立つことを目的に,各項目に関して,「適応」,「禁忌」,「術前準備」,「手技」,「術後管理」,「成績」,「合併症」を網羅し,簡潔にまとめる基本的な枠組みは初版から変えずに踏襲した。また,シェーマを多用して,特に強調したい重要事項や手技のコツは「ポイント」として,知識として記憶に留めておいて欲しい事項は「メモ」として本文とは別に記載した。
 本書は,IVRを施行する医師,これからIVRを習得しようとする若手医師,診療放射線技師,看護師などIVRに携わる諸氏にとって,必ずや臨床の現場ですぐに役立つ書であると編集者一同確信している。
 最後に,執筆の労をおとりいただいた諸先生方に厚く御礼を申し上げるとともに,企画,編集を通じて献身的な御協力をいただいた医学書院編集部の青戸,藤島の両氏に深く感謝申し上げる。

 2011年4月
 栗林幸夫

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I 総論
 1 IVR総論
II IVRの基本手技と術前準備
 2 非侵襲的画像診断(CT,MRI,超音波)
 3 血管造影
 4 Non-vascular IVRに関する基本手技
 5 術前準備とインフォームド・コンセント
 6 IVR におけるリスクマネジメント
III Vascular Intervention
A.血管に対するIVR
 7 血管形成術・ステント留置術:腸骨動脈
 8 血管形成術・ステント留置術:大腿動脈・膝窩動脈
 9 血管形成術・ステント留置術:鎖骨下動脈・腕頭動脈
 10 血管形成術・ステント留置術:腎動脈(PTRA)
 11 頸動脈ステント留置術
 12 大動脈ステントグラフト留置術:腹部大動脈
 13 大動脈ステントグラフト留置術:胸部大動脈
 14 血栓溶解療法:下肢動脈(急性血栓性閉塞)
 15 血栓溶解療法,血栓吸引療法:下肢静脈(深部静脈血栓症)
 16 血栓溶解療法:肺動脈(急性肺血栓塞栓症)
 17 下大静脈フィルター留置術
 18 中心静脈カテーテル挿入
 19 上大静脈症候群に対するステント留置術
 20 血管内異物除去
 21 透析シャントの血管形成術・血栓溶解吸引療法
 22 急性腸管虚血
 23 消化管動脈性出血
 24 精索静脈瘤と骨盤うっ血症候群に対するIVR
 25 子宮動脈塞栓術(UAE)
B.動脈塞栓術,ほか
 26 塞栓物質
 27 肝悪性腫瘍:肝細胞癌(HCC)に対するTACE
 28 門脈腫瘍栓あるいは胆管腫瘍栓合併肝細胞癌に対するTACE
 29 A-Pシャント・側副血行路を有する肝細胞癌に対するTACE
 30 肝悪性腫瘍:転移性肝癌の肝動脈塞栓術(TAE)
 31 腎悪性腫瘍,ほか(腎機能廃絶術)
 32 副腎腫瘍に対する塞栓術
 33 血管奇形:皮下・軟部組織
 34 血管奇形:肺・腎,その他
 35 脳動脈瘤(脳血管)
 36 動脈瘤(腹部内臓)
 37 外傷性出血:腹部外傷(肝・脾・腎実質臓器損傷)
 38 外傷性出血:骨盤外傷
 39 喀血
C.門脈系に対するIVR
 40 経頸静脈的肝内門脈肝静脈短絡術(TIPS)
 41 バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO),同時性バルーン閉鎖下塞栓術(DBOE)
 42 経皮経肝的静脈瘤塞栓術(PTO)
 43 部分的脾動脈塞栓術(PSE)
 44 肝内門脈枝塞栓術(PTPE)
 45 Budd-Chiari症候群に対するIVR
 46 門脈血栓症に対するIVR
 47 門脈系シャントに対するIVR
 48 デンバーシャント造設術
D.動注化学療法
 49 経皮的リザーバー埋め込み術
 50 肝悪性腫瘍に対するone-shot動注化学療法
 51 肺悪性腫瘍に対する動注化学療法
 52 骨盤内悪性腫瘍に対する動注化学療法
 53 頭頸部癌に対する動注化学療法
IV Non-vascular Intervention
 54 尿路系のIVR
 55 経皮経肝的胆道ドレナージ,経皮経肝的胆嚢ドレナージ,胆道内瘻化
 56 経皮経肝的胆道ステント留置術,胆道バルーン拡張術
 57 経皮的胆管結石除去術
 58 経皮的生検および穿刺
 59 肺腫瘍マーキング
 60 経皮的エタノール注入療法(PEIT)
 61 経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)
 62 ラジオ波凝固療法(RFA):肺
 63 ラジオ波凝固療法(RFA):肝
 64 ラジオ波凝固療法(RFA):腎
 65 ラジオ波凝固療法(RFA):骨
 66 凍結療法:肝・腎
 67 凍結療法:肺
 68 膿瘍ドレナージ
 69 嚢胞硬化療法
 70 経皮経食道胃管挿入(PTEG)
 71 経皮的胃瘻・空腸瘻造設術(磁石圧迫吻合術:山内法)
 72 経皮経胃的膵仮性嚢胞ドレナージ術
 73 食道バルーン拡張術,食道ステント留置術
 74 消化管ステント留置術
 75 気管・気管支ステント留置術
 76 経皮的椎体形成術
V IVR看護
 77 IVR看護全般
 78 Vascular IVRの看護
 79 Non-vascular IVRの看護
VI 薬物と投与方法
 80 IVRに用いられる代表的薬物
 81 術中の鎮静・疼痛制御
 82 迷走神経反射に対する対応
 83 救急(ショック)時の対応
VII IVRにおける被曝と防護
 84 X線装置
 85 被曝と防護
VIII IVRに必要な解剖図譜
 86 頸部
 87 胸部
 88 腹部
 89 骨盤部
 90 四肢:上肢
 91 四肢:下肢

付録
 1 材料一覧
 2 保険請求とコード番号一覧
 3 略語集

和文索引
欧文索引

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