• HOME
  • 書籍
  • ナースのための鎮痛薬によるがん疼痛治療法 第2版


ナースのための鎮痛薬によるがん疼痛治療法 第2版

もっと見る

患者さんのQOL向上を図るために、疼痛の緩和はナースにとって必須の技術。進化するがん治療や病状の変化に伴う患者さんのがん疼痛に、どう対処すればよいのか。治療に用いられる鎮痛薬の知識と使い方を過不足なく解説。好評の初版に続く第2版では、新薬を加え、Q&Aを増やしたほか、さらにわかりやすい記述を心がけた。
森田 雅之 / 松本 禎之
発行 2008年12月判型:A5頁:144
ISBN 978-4-260-00789-4
定価 1,980円 (本体1,800円+税)
  • 販売終了

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次

開く

第2版 序

 WHO(世界保健機関)が公表した「WHO方式がん疼痛治療法」は,公表してから20年以上が経過した現在では,世界におけるがん疼痛治療の標準治療法としての評価が確立しています。
 わが国でも,2007年4月1日から施行された「がん対策基本法」の第16条には,「国及び地方公共団体は,がん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすること,…」とあり,がん患者の療養生活の質の維持向上のためにがん治療の初期段階から緩和ケアを実践することが法律で明文化されました。また,2008年度診療報酬改定では,がん対策が重点項目の1つに挙げられ,その中で医療用麻薬を使用している患者に対して,「WHO方式がん疼痛治療法」に従って計画的な治療管理を継続して実施し,療養上必要な指導を行った場合の評価として,「がん性疼痛緩和指導管理料」が新設されました。このようにわが国においても「WHO方式がん疼痛治療法」は,がん患者の緩和ケアの規準ともいえる位置づけがなされました。そして,今回のような劇的な体制作りが行われた背景には,がん緩和ケアに携わってきた医療従事者ならびに製薬メーカーが「がん患者を痛みから解放する」という強い意志と使命感から「WHO方式がん疼痛治療法」の普及に励んでいる姿があり,今後,国策として一層の拡大をみることになると思われます。
 本書は,月刊『NURSE CALL』の中で連載している「ナースのための病院薬学入門」において,全国のナースの皆さんからの要望があった「鎮痛薬によるがん疼痛治療法」14回連載分をまとめ上げた初版に,新規オピオイド製剤や鎮痛補助薬について最新情報を組み入れるなど,内容を充実いたしました。緩和ケアに携わるナースの方々に役立てていただくとともに,新人ナースや看護学生の教育研修に活用いただければ幸いです。

 2008年11月
 森田雅之

開く

1.がんの痛み治療法の確立と普及
2.モルヒネに対する誤解
 1.中毒になる
 2.命を縮める
 3.副作用は避けられない
3.がんの痛み治療に使う薬
 1.非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs,アセトアミノフェン)
 2.オピオイド薬
 3.鎮痛補助薬
4.WHO方式がん疼痛治療法
 1.できるかぎり経口投与すること(by mouth)
 2.効力の順に鎮痛薬を選ぶこと(by the ladder)
 3.患者ごとに痛みを消失するのに必要な量を決めること(for the indi-vidual)
 4.適量を時刻を決めて規則正しく投与すること(by the clock)
 5.以上の4原則を守ったうえで,細かい点にも注意すること(atten-tion to detail)
5.モルヒネ製剤の種類と特徴
 1.モルヒネ速放性製剤
 2.モルヒネ徐放性製剤
6.モルヒネの投与法(1)経口投与法
 1.モルヒネ経口投与法
 2.経口モルヒネ投与中止法
7.モルヒネの投与法(2)非経口投与法
 1.モルヒネ非経口投与法
 2.投与方法変更に伴う投与量の目安
8.モルヒネ以外のオピオイド鎮痛薬製剤の特徴と使い方
 1.オキシコドン
 2.フェンタニルパッチ
  (デュロテップ®MTパッチ2.1mg,4.2mg,8.4mg,12.6mg,16.8mg)
9.オピオイド鎮痛薬の副作用と対策
 1.吐き気・嘔吐
 2.便秘
 3.眠気
 4.ふらつき感,めまい感
 5.錯乱(混乱)
 6.呼吸抑制
 7.排尿障害
 8.発汗
 9.かゆみ
 10.ミオクローヌス
 11.モルヒネ不耐性
10.鎮痛補助薬の種類と特徴
 1.鎮痛効果の強化を目的とする薬(コルチコステロイド薬,抗うつ薬,
   抗痙攣薬,抗不整脈薬,NMDA受容体拮抗薬など)
 2.鎮痛薬の副作用の予防および治療をするための薬(胃薬,吐き気止め,緩下薬など)
 3.痛みに伴う不眠,不安,うつ状態などの精神的変調の緩和に使う薬
11.鎮痛薬使用で必要な患者指導
 1.患者の痛みについての情報を集める
 2.痛みを我慢する必要がないことを理解してもらい,痛み治療に参加してもらう
 3.薬がいつも効いている状態を保つ
 4.鎮痛薬の副作用を確認する
 5.突然の中止による退薬症候の発生を防ぐ
 6.服用量の増加に伴う不安を取り除く
 7.その他の指導事項
12.ナースにとって必要な麻薬管理の知識
 1.医療機関で必要な麻薬免許
 2.ナースに関連した麻薬管理
13.麻薬(モルヒネなど)服用患者の海外旅行・海外出張
 1.申請に必要な書類
 2.提出先
 3.提出期限
 4.注意事項
Q&A よくある質問とその回答
 1.遮光保存する理由
 2.遮光保存なのに着色遮光アンプルを使用していないのは
 3.錠剤やカプセルの徐放性製剤内容物を,服用前に砕いたり,
  すりつぶしたりしてはいけないのは
 4.デュロテップ®のマトリックス製剤とリザーバー製剤で,
  時間当たりの放出速度が同じなのに含量に差があるのは
 5.デュロテップ®MTパッチとデュロテップ®パッチの時間当たりの放出速度,
  フェンタニルの量,効果の持続時間の関係は
 6.モルヒネの代謝物には鎮痛作用などの薬理活性はあるか
 7.モルヒネとオキシコドンの代謝の違いは
 8.初回通過効果とは
 9.絶対バイオアベイラビリティと相対バイオアベイラビリティの違いは
 10.肝機能が低下している患者へのモルヒネ投与の際の注意は
 11.腎機能が低下している患者へのオピオイド鎮痛薬投与の際の注意は
 12.透析をしている患者にモルヒネを投与できるか
 13.モルヒネの投与量の上限は何mgか
 14.経口モルヒネとフェンタニルパッチの対応量について
 15.モルヒネの脊髄投与の主な適応は
 16.モルヒネの相互作用は
 17.モルヒネの相互作用と,オキノーム®散,オキシコンチン®錠の相互作用の違いは
 18.フェンタニルの相互作用は
 19.モルヒネとペンタゾシン,ブプレノルフィンの併用は可能か
 20.オキシコドンと,肝代謝酵素(CYP)を阻害しやすい薬物との併用は
 21.レスキュードーズになぜ,速放性製剤を使用するのか
 22.レスキュードーズは1日何回まで服用できるか
 23.オピオイド鎮痛薬による呼吸抑制はすべてナロキソンで対処可能か
 24.アセトアミノフェンとNSAIDsの違いは
 25.神経因性の痛みに鎮痛補助薬としてSSRI,SNRIは有効か
 26.がんの痛みや症状コントロールにおけるコルチコステロイド薬の使用法
 27.なぜブプレノルフィンは麻薬指定ではないのか
 28.麻薬中毒者診断届けが必要ながん患者とは
 29.薬を飲み忘れたときにどうすればよいか
 30.意識障害のある末期患者にオピオイド鎮痛薬の投与を中止してもよいか
 31.生物学的同等性と製剤学的同等性とは
 32.NNT(number needed to treat)とNNH(number needed to harm)とは
 33.がんの痛み治療にモルヒネを反復投与しても精神的依存が起こらないのはなぜか

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。