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カルペニート

看護診断マニュアル


(第4版)

編集:リンダ J. カルペニート=モイエ 
監訳:新道 幸惠

  • 判型 B5
  • 頁 896
  • 発行 2008年07月
  • 定価 9,720円 (本体9,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-00610-1
看護診断を用いた臨床実践を学ぶうえで欠かせない1冊
本書はNANDAが採択している看護診断だけでなく、臨床で使える診断も提案している。診断ごとに定義、指標をはじめ看護介入とその根拠まで丁寧に解説し、さらに小児・妊産褥婦・高齢者と対象ごとに留意点を述べている。また、看護診断を個人・家族・地域・ウエルネス型の4つに分け、学習しやすくなっている。
序 文
第4版監訳者の序

 近年,後期高齢者の医療制度の問題が論議されています。この問題に象徴されるように,少子高齢社会を背景として,我が国の医療費の逼迫状態は厳しく,保健,医療,福祉のあらゆる分野に変革をもたらしています。医療の現場においては,入院期間の短縮,稼働率の目標設定の上昇,在...
第4版監訳者の序

 近年,後期高齢者の医療制度の問題が論議されています。この問題に象徴されるように,少子高齢社会を背景として,我が国の医療費の逼迫状態は厳しく,保健,医療,福祉のあらゆる分野に変革をもたらしています。医療の現場においては,入院期間の短縮,稼働率の目標設定の上昇,在宅診療への移行などが病院経営の大きな課題になってきています。一方では,質の保証を第三者機関に認定されることによって,利用者の病院選びを呼び込むことに積極的な病院も出てきました。病院の医療や看護ケアの質の保証をしながら医療費の問題に対応するための方策として,電子カルテの導入とチーム医療に取り組んでいるところが漸増しています。そのような医療現場における変革に,「看護診断」の活用が重要な役割を持ち始めてきたと言っても過言ではないでしょう。
 NANDAが開発し,精選して,全世界に普及してきた「看護診断」は看護の専門的な判断に基づいた看護実践に不可欠なものとなってきています。このことは,看護がチーム医療の中で看護の専門性および独自性を発揮することでチームに貢献できる場を確保することにつながっています。また,「看護診断」は当初からカルテの電子化を意識して,開発されたという経緯もあって,今日の我が国における電子カルテ導入の動向に看護が乗り遅れることなく適用される機会を提供しているようです。このことは,それまでに「看護診断」を活用してこなかった病院において,電子カルテ導入を機会に「看護診断」を取り入れるという現象ももたらして,現場に少なからず,混乱を招くことにもなっているようです。「看護診断」を用いて看護を実践するということの利点は,全人的なケア,言い換えれば心理社会的なニーズをしっかりと把握した上で,その人に必要なケアを提供するということであり,看護の専門的な判断,つまりクリティカルシンキングのプロセスを経て導き出された「看護診断」に基づいたケアを行うことを意味します。カルテの電子化の潮流に棹さし,チーム医療の中に看護が確たる地位を得るためのものとして「看護診断」が活用されることを願うものです。
本書はL. J. Carpenito-Moyetの“Nursing Diagnosis―Application to Clinical Practice”の第12版の翻訳本です。著者はこの12版でいくつかの改訂を行っています。その最も大きな改訂は第2部であり,1.個人の看護診断,2.家族/家事家政の看護診断,3.地域社会の看護診断,4.ヘルスプロモーション/ウエルネス型看護診断の4つのパートに区分して,それぞれのパートに関連の看護診断を配置するという構成にされたことです。このことによって,本書が読者に一層利用しやすくなったと思われます。もう1つの大きな改訂は,NOC,NICが加えられたことです。各診断毎に,目標の前に関連のある主なNOCの成果分類を示し,看護介入の前に関連のある主なNICの介入分類を示しています。また,看護介入に関する理論的根拠が前版までは「看護介入」の後にまとめて記述してあったのですが,この版では,必要に応じて看護介入毎に,R:として看護介入の理論的根拠が記述されています。
 本書の看護診断名の翻訳に当たっては,『NANDA-I看護診断と分類2007─2008』(監訳 日本看護診断学会,訳 中木高夫)の翻訳の表現を用いました。また,前版で用いていた訳語を読者にとってわかりやすい表現にするという観点から次の2つの訳語を訂正しました。Key Conceptsを「鍵概念」と訳していましたが,本版では「重要概念」に修正し,関連因子の1つであるMaturationalの訳を「成熟的因子」から「発達因子」に修正しました。この修正につきまして読者の皆様のご理解を賜り,本書が日常の看護活動の参考書として活用されることを祈念しています。
 最後に,本書の発行につきましては医学書院看護出版部の藤居尚子様並びに制作部の皆様の多大なるご尽力と忍耐によるものであることを付記し,深謝申し上げます。

 2008年5月末日
 新道幸惠
目 次
第1部 看護過程における看護診断
 はじめに
 第1章 看護診断:問題と論点
 第2章 看護診断の発展
 第3章 看護診断の種類と構成要素
 第4章 看護診断:何が看護診断であり,何が看護診断ではないのか
 第5章 看護診断とケア計画
 第6章 ケア計画完成までの10の段階

第2部 看護診断マニュアル
Part1 個人の看護診断
Part2 家族/家事家政の看護診断
Part3 地域社会の看護診断
Part4 ヘルスプロモーション/ウエルネス型看護診断

第3部 共同問題マニュアル
 はじめに
 潜在的合併症:心臓/血管系機能障害
 潜在的合併症:呼吸器系機能障害
 潜在的合併症:代謝/免疫/造血器系機能障害
 潜在的合併症:腎/泌尿器系機能障害
 潜在的合併症:神経/感覚器系機能障害
 潜在的合併症:消化管/肝臓/胆道系機能障害
 潜在的合併症:筋骨格系機能障害
 潜在的合併症:生殖系機能障害
 潜在的合併症:薬物療法の有害反応

付録
 A.機能的健康パターンに基づく看護診断グループ
 B.入院時看護データベース

参考文献
索引