医学書院

検索
HOME書籍・電子メディア > 書籍詳細

ファーマシューティカルケア・ファーストステップ


(在庫なし)

監修:高久 史麿/白神 誠/藤上 雅子
編集協力:北村 聖
発売:医学書院 

  • 判型 B5
  • 頁 352
  • 発行 2007年09月
  • 定価 4,715円 (本体4,286円+税10%)
  • ISBN978-4-260-70057-3
薬学生の実務実習に対応するテキスト。薬学コアカリキュラムで学ぶ主要36疾患について、医師による疾患解説(診断、治療、基本処方)、薬剤師による薬剤解説、一般的な症例の提示、病院薬剤師がおこなうべき病棟業務の解説、調剤薬局における服薬コミュニケーションの実際など、ファーマシューティカルケアに必要な情報を1冊に収載。薬剤師を対象にした生涯教育にも十分に役立つ内容。
書 評
  • 薬学生の教育から生涯教育まで広く活用されるべき一冊
    書評者:松山 賢治(共立薬科大学教授・臨床薬学)

     2006年から6年制の薬学がスタートし,その特徴は,今までの薬剤師教育(薬学教育)が知識偏重型から,臨床現場に必要な知識,技能,態度の3つを重視したより実践的な教育になったことである。知識に関してはCBT,態度・技能についてはOSCEで試験が課されるようになった。特に後者では,模擬患者に対して,薬...
    薬学生の教育から生涯教育まで広く活用されるべき一冊
    書評者:松山 賢治(共立薬科大学教授・臨床薬学)

     2006年から6年制の薬学がスタートし,その特徴は,今までの薬剤師教育(薬学教育)が知識偏重型から,臨床現場に必要な知識,技能,態度の3つを重視したより実践的な教育になったことである。知識に関してはCBT,態度・技能についてはOSCEで試験が課されるようになった。特に後者では,模擬患者に対して,薬局あるいは病棟において服薬指導する場面が設定されていて,ますますファーマシューティカルケアと服薬コミュニケーション能力が必要となってきている。

     本書は,『ファーマシューティカルケア・ファーストステップ』というタイトルで,新薬学教育のコアカリキュラムに沿った重要な36主要疾患を取り上げ,医師サイドは自治医科大学学長の高久史麿先生をはじめ,52名の全国医学部教員の分担執筆,一方,薬剤師側の執筆者は,前柏戸病院薬剤科長の藤上雅子先生をはじめ16名の執筆陣で,空前絶後の豪華執筆陣である。このような場合,編集計画がよほどしっかりしていないと「船頭多くして船山に登る」にガッカリさせられることが多いが,本書はそんな懸念を打ち払い,読者は,従来の本から得られなかったライブの感動を受けることであろう。

     革新的な展開を「コペルニクス的展開」と表現するが,まさに本書のことを形容するのにピッタリの言葉である。本書をちょっと覗いてみると,第1章は心臓・血管系の疾患で,(1)心房細動,(2)高血圧,(3)狭心症,(4)心不全があるが,その中から心房細動をピックアップしてみる。冒頭,心房細動の疾患について専門医師からの総説があり,Vaughan―Williamsの坑不整脈薬の分類を基にした作用機序や副作用などの説明後に,心房細動の疾患のケーススタディーが付随している。服薬コミュニケーションでは,その疾患が出演,薬剤師と患者の会話をライブで再現しているのが面白い。最後に心房細動へのアプローチとして,Sicilian Gambitからみた不整脈薬の選択基準で締めくくるなどなど専門書にしては面白すぎるというのが私の偽らざる感想である。

     近年の薬剤師国家試験では,疾病から服薬指導まで組み込んだ総合的問題が出題されてきている。6年制の試験ではさらにこの傾向が顕著になることを予想している。ケーススタディーは学生のスモールグループディスカッションにも絶好の教材である。

     本書の書評を書いている私の切なる希望を述べさせていただくと,「もっと他の疾患についてもこの様式で執筆していただき,ぜひ,続編を出してください」ということである。

     本書は単に薬学生の教育のみならず現役薬剤師の生涯教育にも最適の本であり,本書が有効活用されることを希望する次第である。
  • チーム医療を担う一員として不可欠な医学・薬学の知識を収載
    書評者:佐川 賢一(東京女子医科大学病院・薬剤部長)

     本書では,薬剤師にとって医療新時代を迎え,チーム医療の担い手として活躍する際に不可欠な医学・薬学の知識および服薬コミュニケーション技能を総合的に修得できるように要点が簡潔に編集されている。薬剤師をめざす学生はもちろんのこと,新任薬剤師など,現在,医療現場で活躍中の薬剤師にぜひお勧めしたい。

    ...
    チーム医療を担う一員として不可欠な医学・薬学の知識を収載
    書評者:佐川 賢一(東京女子医科大学病院・薬剤部長)

     本書では,薬剤師にとって医療新時代を迎え,チーム医療の担い手として活躍する際に不可欠な医学・薬学の知識および服薬コミュニケーション技能を総合的に修得できるように要点が簡潔に編集されている。薬剤師をめざす学生はもちろんのこと,新任薬剤師など,現在,医療現場で活躍中の薬剤師にぜひお勧めしたい。

     6年制薬学教育がスタートし,特に医療薬学分野のスキルアップが求められている。学生には,医療薬学系講座の拡大・充実と医療機関・医療提供施設における長期実務実習が義務化され,より一層の実践的専門的知識・技能の修得が要請されるようになった。一方,病院薬剤師・保険薬局薬剤師は,医薬品本来の有効性,安全性を熟知し薬物治療を主体として患者のケアに当たる必要があると同時に,学生の実務実習に向けた指導薬剤師として資質の向上が求められている。

     本書の特徴は,薬学6年制教育用コアカリキュラムで学ぶ36の主要な疾患を取り上げ,疾患ごとに専門医師による疾患の解説,薬剤師による治療薬の解説,次に医師からの代表的症例の解説,そして薬剤師から患者への服薬コミュニケーションという一連の流れで構成されている点である。読者にとって非常に理解しやすく工夫されており,表現も簡潔で,とてもわかりやすい。さらに,疾患と治療などへの理解を深める関連情報をアプローチとして記載している点も大いに参考になる。

     医師による疾患の解説では,病態,診断,治療の順に要点が記載されている。また,薬剤師による治療薬の解説では医薬品ごとに作用機序,適応,特徴,注意事項,副作用が個条書きにわかりやすく書かれている。次に医師からの代表的症例の解説では患者背景,検査所見と診断,治療,処方意図,経過の順に記載されている。

     服薬コミュニケーションでは,まずモデルの処方せんが示され,薬剤師からの問いかけ,服薬の意義,副作用発現の確認,注意事項の説明,患者からの症状変化の説明,患者の疑問などがリアルな会話形式で表現され生きた知識として身に付くように工夫されている。そして,会話の段落ごとに,確認するべきポイントをゴシック体で表示し要点整理がなされている点も親切である。要点をしっかりと聞き出し,かつ患者へ伝えるという技術も学ぶことができる。また,参考文献,引用文献が各疾患ごとに紹介されており,エビデンスが求められる現在,必要に応じ元文献の検索が可能になっている点もありがたい。

     本書は疾患ごとのファーマシューティカルケアに必要な知識・技能が総合的に表現され,理解しやすい構成になっており,すぐに役立つ実践的教科書といえよう。
商品写真