クリニカルパスがかなえる!医療の標準化・質の向上
記録のあり方から経営改善まで
パスでできる具体的対応策・打開のヒントを提示
もっと見る
医療の標準化、質の向上、リスクマネジメント、そして記録、連携のあり方、DPC、経営改善など、わが国の医療現場が今、直面しているさまざまな課題を整理し、パスでできる具体的対応策・打開のヒントを提示した、時代が求めるパスの本。病院長から最前線のスタッフまで、医療に携わるすべての人に向けて贈る1冊。
- 販売終了
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。
- 目次
- 書評
目次
開く
はじめに
日本で花開いたパスの進化
I 医療の標準化はなぜ必要か
1 リスクマネジメントとパス
2 EBM/EBNとパス
3 処方監査,薬剤標準化とパス
II 医療訴訟とクリニカルパス
III 病院内にクリニカルパスをどのように普及させるか
-パスで病院が元気になる!
1 標準化のコンセンサス作りとパス委員会の役割
2 パス大会の実施方法とその影響
3 病院としての認証パス
IV クリニカルパスを医療記録にしよう!
1 パスを記録として使うために
2 パスから電子カルテへ
V 連携医療とクリニカルパス
1 連携パスはなぜ必要か
2 外来と入院の連携パス
3 病-病連携パスと病-診連携パス(地域連携パス)
4 地域を結ぶ連携パス--急性・亜急性・慢性を貫く
シームレスケアの確立をめざして
VI 医療経営管理とクリニカルパス
1 パスでできる経営改善,パスだけではできない経営改善
2 原価計算とパス
3 「患者満足度とパス」
VII 病院のあり方とクリニカルパス
1 病院機能評価対応とパス
2 ISO9000:2000とパス
3 診療報酬とパス
4 DRG/PPS,DPCと大学病院の生き残り
索引
日本で花開いたパスの進化
I 医療の標準化はなぜ必要か
1 リスクマネジメントとパス
2 EBM/EBNとパス
3 処方監査,薬剤標準化とパス
II 医療訴訟とクリニカルパス
III 病院内にクリニカルパスをどのように普及させるか
-パスで病院が元気になる!
1 標準化のコンセンサス作りとパス委員会の役割
2 パス大会の実施方法とその影響
3 病院としての認証パス
IV クリニカルパスを医療記録にしよう!
1 パスを記録として使うために
2 パスから電子カルテへ
V 連携医療とクリニカルパス
1 連携パスはなぜ必要か
2 外来と入院の連携パス
3 病-病連携パスと病-診連携パス(地域連携パス)
4 地域を結ぶ連携パス--急性・亜急性・慢性を貫く
シームレスケアの確立をめざして
VI 医療経営管理とクリニカルパス
1 パスでできる経営改善,パスだけではできない経営改善
2 原価計算とパス
3 「患者満足度とパス」
VII 病院のあり方とクリニカルパス
1 病院機能評価対応とパス
2 ISO9000:2000とパス
3 診療報酬とパス
4 DRG/PPS,DPCと大学病院の生き残り
索引
書評
開く
院内すべてのスタッフにパスの知識とノウハウを伝授
書評者: 日野原 重明 (聖路加国際病院・理事長)
『クリニカルパスがかなえる! 医療の標準化・質の向上』という本が,名古屋大学の立川幸治教授と,日本クリニカルパス学会を中心になって立ち上げた前東京医科歯科大学助教授の阿部俊子看護師の編集で医学書院から出版された。
パスは,1980年代に米国の入院患者の入院日数の短縮と医療の質の保証のツールとして生まれたものだが,これが日本クリニカルパス学会により日本全国に急速に広がった。ただ,日本ではこれは在来各医療職の職域ごとにバラバラであった医療の欠陥をつなぎ,同時に医師任せで患者不在であった医療を,患者に病名や病気の経過の見通しを正直に知らせて,患者の協力を求める方向に進む結果をもたらした。そして,院内各種の職員のチームで,このパスの成果を期待するムードが高まり,さらに病院経営に合理的な手法を与えて,病院全体の質の向上のマネージメントに貢献するという,患者と医療経営側両者に大きなメリットを生じることになったのである。
日本でもっとも早くパスを取り上げて成功した済生会熊本病院の須古博信博士が序論として「はじめに」を書かれ,以下次のような7章からなっており,それぞれ医師,看護師,薬剤師,経営担当者によりパスの作り方,運営の仕方,その評価と成果についてそれぞれの確かなデータによりEBMの評価のもとに解説がなされている。
1.医療の標準化はなぜ必要か
2.医療訴訟とクリニカルパス
3.病院内にクリニカルパスをどのように普及させるか
4.クリニカルパスを医療記録にしよう!
5.連携医療とクリニカルパス
6.医療経営管理とクリニカルパス
7.病院のあり方とクリニカルパス
これこそ病院のすべての職務に携わる1人ひとりに明快な知識と,それを扱うノウハウを与えてくれるテキストとなるものといえる。
各専門職が共同して学ぶバイブルと思い,その普及を望む次第である。
クリニカルパス導入・運営の解決策を具体的に示す
書評者: 村山 典久 (滋賀医大理事)
クリニカルパスについては,医療現場における多くの課題(医療の標準化と個々の疾患に対応できる医療,情報開示,医療の質・安全性の維持,業務の効率化,経営改善等)を解決するツールの1つとして注目されて久しい。現在,多くの医療機関でその導入レベルに差はあるもののクリニカルパスが導入・運用されている。本院(滋賀医科大学附属病院)においても,現在,業務の効率化を目指し,ようやく「クリニカルパスを(正式な)医療記録にしよう!」(本書IV章)と改革を進めている段階にある。クリニカルパスに関するイメージが先行し,だれもが導入すべきと考えているにも関わらず,いざ具体的な改革に入るとさまざまな反論を受けて前に進まない,あるいは当初予定していた程の効果が現れていないというのが,本院を含む多くの医療機関の実状であろう。
本書は導入から運用,普及,発展まで段階的に,どこに問題点があるのか,注目すべき点などをわかりやすく解説し,医療機関の抱える課題の解決策について,さまざまな職種の医療従事者から事例を交え,極めて具体的に示している。
(1)組織としてクリニカルパスを推進していくことの重要性
クリニカルパスを作成する上で最も重要なことは,医師,看護師だけでなく,多職種の参加である。多方面からアプローチしていくことがよりよいパスに仕上げていく近道であるといえる。本書では,病院全体のコンセンサスを得ることは必須であり,クリニカルパス委員会やプロジェクトチームといった小単位でのがんばりだけではパスを推進していく力は弱く,組織としてのサポートが最も大きな力となることを示唆している。そして,このことが,「パスで病院が元気になる!」(本書III章)所以なのであろう。
(2)地域医療機関を含む連携パスの活用
医療に対する期待がこれまで以上に求められる昨今,チーム医療の実現は医療機関にとって必須の課題となっている。本院でも,NST(栄養サポートチーム)や褥瘡チームなどさまざまな専門職種から形成されたチームによるアプローチを行い,効果的な結果を導いている。しかしながら本院では後方支援病院を含めた急性期治療から慢性期治療への移行についての連携パスまでは実現していない。
連携パスは,チーム医療を1つの医療機関だけで捉えるのではなく,他施設,地域との密接な連携により情報の共有と治療の継続を可能にし,患者にとって最も望ましい適切な医療を適切な場所で提供することを可能にする。今後,院内のクリニカルパスのみを推進するのではなく,関連病院を含む広範囲にわたるパス活用に一歩でも二歩でも踏み出していきたい。
(3)DPCを踏まえたクリニカルパス活用による医療の効率化
医療機関,特にDPCを導入している医療機関にとってはDPCを踏まえた適切な在院日数による有効な病床利用など医療の効率化が可能になり,今後,連携パスを発展させていくことがその解決策となる。
本院の今後の取り組みにおいても,特に以上の3点を中心にぜひ参考にさせていただきたいと考えている。
書評者: 日野原 重明 (聖路加国際病院・理事長)
『クリニカルパスがかなえる! 医療の標準化・質の向上』という本が,名古屋大学の立川幸治教授と,日本クリニカルパス学会を中心になって立ち上げた前東京医科歯科大学助教授の阿部俊子看護師の編集で医学書院から出版された。
パスは,1980年代に米国の入院患者の入院日数の短縮と医療の質の保証のツールとして生まれたものだが,これが日本クリニカルパス学会により日本全国に急速に広がった。ただ,日本ではこれは在来各医療職の職域ごとにバラバラであった医療の欠陥をつなぎ,同時に医師任せで患者不在であった医療を,患者に病名や病気の経過の見通しを正直に知らせて,患者の協力を求める方向に進む結果をもたらした。そして,院内各種の職員のチームで,このパスの成果を期待するムードが高まり,さらに病院経営に合理的な手法を与えて,病院全体の質の向上のマネージメントに貢献するという,患者と医療経営側両者に大きなメリットを生じることになったのである。
日本でもっとも早くパスを取り上げて成功した済生会熊本病院の須古博信博士が序論として「はじめに」を書かれ,以下次のような7章からなっており,それぞれ医師,看護師,薬剤師,経営担当者によりパスの作り方,運営の仕方,その評価と成果についてそれぞれの確かなデータによりEBMの評価のもとに解説がなされている。
1.医療の標準化はなぜ必要か
2.医療訴訟とクリニカルパス
3.病院内にクリニカルパスをどのように普及させるか
4.クリニカルパスを医療記録にしよう!
5.連携医療とクリニカルパス
6.医療経営管理とクリニカルパス
7.病院のあり方とクリニカルパス
これこそ病院のすべての職務に携わる1人ひとりに明快な知識と,それを扱うノウハウを与えてくれるテキストとなるものといえる。
各専門職が共同して学ぶバイブルと思い,その普及を望む次第である。
クリニカルパス導入・運営の解決策を具体的に示す
書評者: 村山 典久 (滋賀医大理事)
クリニカルパスについては,医療現場における多くの課題(医療の標準化と個々の疾患に対応できる医療,情報開示,医療の質・安全性の維持,業務の効率化,経営改善等)を解決するツールの1つとして注目されて久しい。現在,多くの医療機関でその導入レベルに差はあるもののクリニカルパスが導入・運用されている。本院(滋賀医科大学附属病院)においても,現在,業務の効率化を目指し,ようやく「クリニカルパスを(正式な)医療記録にしよう!」(本書IV章)と改革を進めている段階にある。クリニカルパスに関するイメージが先行し,だれもが導入すべきと考えているにも関わらず,いざ具体的な改革に入るとさまざまな反論を受けて前に進まない,あるいは当初予定していた程の効果が現れていないというのが,本院を含む多くの医療機関の実状であろう。
本書は導入から運用,普及,発展まで段階的に,どこに問題点があるのか,注目すべき点などをわかりやすく解説し,医療機関の抱える課題の解決策について,さまざまな職種の医療従事者から事例を交え,極めて具体的に示している。
(1)組織としてクリニカルパスを推進していくことの重要性
クリニカルパスを作成する上で最も重要なことは,医師,看護師だけでなく,多職種の参加である。多方面からアプローチしていくことがよりよいパスに仕上げていく近道であるといえる。本書では,病院全体のコンセンサスを得ることは必須であり,クリニカルパス委員会やプロジェクトチームといった小単位でのがんばりだけではパスを推進していく力は弱く,組織としてのサポートが最も大きな力となることを示唆している。そして,このことが,「パスで病院が元気になる!」(本書III章)所以なのであろう。
(2)地域医療機関を含む連携パスの活用
医療に対する期待がこれまで以上に求められる昨今,チーム医療の実現は医療機関にとって必須の課題となっている。本院でも,NST(栄養サポートチーム)や褥瘡チームなどさまざまな専門職種から形成されたチームによるアプローチを行い,効果的な結果を導いている。しかしながら本院では後方支援病院を含めた急性期治療から慢性期治療への移行についての連携パスまでは実現していない。
連携パスは,チーム医療を1つの医療機関だけで捉えるのではなく,他施設,地域との密接な連携により情報の共有と治療の継続を可能にし,患者にとって最も望ましい適切な医療を適切な場所で提供することを可能にする。今後,院内のクリニカルパスのみを推進するのではなく,関連病院を含む広範囲にわたるパス活用に一歩でも二歩でも踏み出していきたい。
(3)DPCを踏まえたクリニカルパス活用による医療の効率化
医療機関,特にDPCを導入している医療機関にとってはDPCを踏まえた適切な在院日数による有効な病床利用など医療の効率化が可能になり,今後,連携パスを発展させていくことがその解決策となる。
本院の今後の取り組みにおいても,特に以上の3点を中心にぜひ参考にさせていただきたいと考えている。
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。