母性看護学[2]
母性看護学各論 第11版

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●周産期における母性と胎児・新生児の身体的、心理・社会的特徴とその看護に加え、家族の心理・社会的変化に対する看護を記述しています。 ●からだに大きな変化が起こる周産期を理解するために、最新の診断法などについて記述し、理解を促す写真や図を豊富に掲載しています。 ●妊娠各期を総合的に理解できるように、まず正常な周産期を理解したうえで、それぞれのハイリスクなケースについて扱う構成にしました。 ●遺伝相談・不妊治療など、母性看護における今日的な話題についても、その看護とともに倫理面について述べています。 ●巻末には事例を掲載していますので、具体的なケースをもとに看護の実際について学ぶことができます。 ●全ページのカラー化に伴い、より視覚的にわかりやすくなりました。 *2011年版より表紙が新しくなりました。
シリーズ 系統看護学講座
森 恵美 / 高橋 真理 / 工藤 美子 / 堤 治 / 定月 みゆき / 坂上 明子 / 石井 邦子 / 大平 光子 / 大月 恵理子 / 渡辺 博 / 亀井 良政 / 豊田 長康 / 香取 洋子 / 新井 陽子
発行 2008年02月判型:B5頁:528
ISBN 978-4-260-00530-2
定価 3,190円 (本体2,900円+税)
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はしがき

 母性看護学は,看護基礎教育のカリキュラムとして誕生して以来,妊産褥婦および新生児への看護活動に加え,次世代の健全育成を目ざし,母性の一生を通じた健康の維持・増進,疾病予防を目的とした看護活動を支える実践科学として発展してきました。現在,母性看護の対象は,妊産褥婦とその子ども,将来子どもを産み育てるべき女性,および過去においてその役目を果たした女性のみならず,生涯を通じての性と生殖に関する健康をまもるという観点から,女性と生殖や育児のパートナーとしての男性,子どもが生まれるあるいは乳幼児を育てる家族,その家族が生活する地域社会をも含むようになりました。このことは,次世代が健康に生まれ育つことが普遍的な人類の願いであり,時代の変遷とともに,子どもをより健康な状態で産み育てるための母性への支援が,質的・量的に変化していることを示しています。これは同時に,女性の生涯や役割の多様化,医学の進歩・発展,人口爆発と少子化,母子をめぐる生活環境の著しい変化などによって,母性看護の役割はますます拡大されていることを意味します。
 本書では,このような母性看護の役割拡大をふまえ,母性看護の基盤となる概念を,母性看護を実践するうえでの考え方や方向性と関連づけて示し,実践活動に活用できるように解説しました。これに加え,女性の一生を通じた母性の健康の保持・増進を目ざした看護を基盤として,次世代の健全育成を目ざす看護を述べています。また,社会的弱者である子どもや母親,女性,家族,患者の立場にたった個別性の高い看護実践が可能となるように,統合体としての母性や親となる家族を理解するための身体的および心理・社会的知識,看護過程の展開方法,看護実践時の安全管理と倫理について充実をはかりました。そして,これらを系統的に述べることで,かぎられた時間でも重要な内容が効率的かつ漸進的に自己学習できるような構成としています。
 『母性看護学[1] 母性看護学概論』では,第1章で母性看護の基礎となる概念について,母性看護を必要とする対象の特徴およびその母性看護独自の特徴から解説しました。第2章では,母性看護の対象を取り巻く社会の変遷と現状について理解を深めるだけでなく,母性看護の課題や役割を考えるために,各種統計資料から幅広く把握して考える方法を提示しました。第3章では,母性看護の対象を(1)女性の受精から成熟までの形態・機能の特性とその変化,(2)女性・家族のライフサイクルの変化,(3)母性としての発達・成熟・継承における特性とその変化の3つの視点から理解できるように,それらについて基礎的な知識を提供しました。第4章では,母性看護実践に必要な技術として,第2章の母性看護の対象を取り巻く社会の現状や,第3章で述べた対象の特性をふまえたうえでの,対象者のアセスメントと看護実践の提供の方向性を示しました。第5章では女性のライフステージ各期における看護を,その必要性を明示したうえで,思春期,成熟期等に分けて,その時期の女性の特徴や特有の健康問題との関係から看護を論じました。第6章では,女性の生涯を通じた健康の保持・増進の観点から,リプロダクティブヘルスケアとして,家族計画および,リプロダクティブヘルスに関する主要な健康問題と看護を解説しました。巻末には,わが国の母子保健対策を理解し,母性看護を実践するにあたり重要な各種の法令を紹介しています。
 『母性看護学[2] 母性看護学各論』では,第1章で子どもを産み育てるために必要となる,妊娠前からの女性・家族への支援を,医療も含めて解説しています。第2章~第5章では正常経過にある妊産褥婦と新生児の看護について,第6章では異常経過にある対象者への看護について,それぞれ身体的特性と心理・社会的特性,アセスメントおよび看護という構成で示しました。つまり,対象者の経過にそって系統的に母性看護の学習ができるようになっています。これらの看護の学習は,各章ごとに母性看護学概論の第4章の内容を確認しながら進めると,より効果的であると考えます。また,第6章の周産期の異常をもつ対象者への看護については,第2章~第5章の正常な経過の看護を確認しながら学習することをおすすめします。そして,巻末には対象者を統合体として理解し,看護を展開する例として,「事例による看護過程の展開」を付しました。これらは実習や国家試験の状況設定問題への対策として活用していただけると幸いです。また,実習で役だつように,妊婦・新生児における各種検査値を資料として巻末に掲載しました。
 母性看護学を学ぶ方に,本書が講義の理解を深め実習にも活用できる教材として広く使用いただけること,また,すでに母性看護を実践されている看護職者の方にも,基本的な知識の確認や自己の看護実践のふり返りなどに活用いただけることを願います。女性に寄り添う看護,家族中心の看護がさらに活発になり,「健やか親子21」の目標が達成されることを心から願います。
 2007年10月
 著者ら

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第1章 母性の発揮を促す看護 (森恵美・堤治・坂上明子)
 A 子どもを産み育てるということ
 B 遺伝相談
 C 不妊治療と看護
第2章 妊娠期における看護 (堤治・定月みゆき・石井邦子・大平光子・大月恵理子)
 A 妊娠期の身体的特性
 B 妊娠期の心理・社会的特性
 C 妊婦と胎児のアセスメント
 D 妊婦と家族の看護
第3章 分娩期における看護 (堤治・定月みゆき・森恵美)
 A 分娩の要素
 B 分娩の経過
 C 産婦・胎児,家族のアセスメント
 D 産婦と家族の看護
 E 分娩期の看護の実際
第4章 新生児期における看護 (渡辺博・高橋真理)
 A 新生児の生理
 B 新生児のアセスメント
 C 新生児の看護
第5章 産褥期における看護 (亀井良政・工藤美子)
 A 産褥経過
 B 褥婦のアセスメント
 C 褥婦と家族の看護
 D 施設退院後の看護
第6章 妊娠・分娩・新生児・産褥の異常
   (豊田長康・森恵美・堤治・定月みゆき・渡辺博・香取洋子・亀井良政・工藤美子・新井陽子)
 A 妊娠の異常と看護
 B 分娩の異常と看護
 C 新生児の異常と看護
 D 産褥の異常と看護
 E 精神障害合併妊婦と家族の看護
付章 事例による看護過程の展開 (大月恵理子・森恵美・香取洋子・工藤美子)
 A 妊娠期の看護
 B 分娩期の看護
 C 新生児の看護
 D 褥婦への看護

参考文献
参考表・資料
索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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