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こどもの感染症ハンドブック 第2版

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発疹,発熱,下痢,嘔吐…。こどもの感染症は,今も昔もかわらず小児科診療の主役。本書はハンディかつ充実した内容で好評を博した実地書の改訂版。迅速診断や治療薬など初版では巻末に入れた項目を巻頭に移動させ,より実際的な内容に。育児支援の視点から「感染症予防」の項目を新設。
編集 脇口 宏
発行 2004年11月判型:A5頁:404
ISBN 978-4-260-11925-2
定価 4,400円 (本体4,000円+税)

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感染症治療に役立つ知識
 予防接種
 迅速診断
 抗菌薬
 抗ウイルス薬
 感染症の分類と法律
 ウイルスの母子感染
 薬剤耐性菌
 21世紀の感染症治療:バクテリオファージ療法

各種小児感染症
・発疹性疾患
 麻疹
 風疹
 水痘・帯状疱疹
 単純ヘルペスウイルス感染症
 伝染性紅斑
 手足口病
 突発性発疹
 溶連菌感染症
 伝染性膿痂疹
 リケッチア感染症
 偽結核性エルシニア感染症
・消化器疾患
 食中毒
 下痢原性大腸菌感染症
 溶血性尿毒症症候群
 ヘリコバクター・ピロリ感染症
 嘔吐下痢症(ロタウイルス,腸管アデノウイルス,ノロウイルス,アストロウイルス)
 ウイルス性肝炎
・呼吸器感染症
 ムンプス
 上気道炎,咽頭扁桃炎
 気管支炎
 細菌性肺炎
 アデノウイルス7型感染症
 急性細気管支炎
 インフルエンザ
 ヘルパンギーナ
 レジオネラ症
 結核
 百日咳
 クループ,ジフテリア
 アスペルギルス症
 クラミジア感染症
 マイコプラズマ感染症
 Q 熱
・血液・リンパ節系疾患
 HTLVミ1(成人T細胞白血病を含む)
 HIV感染症
 EBウイルス感染症
 サイトメガロウイルス感染症
 ネコひっかき病
 ウイルス関連血球貪食症候群
・神経系疾患
 化膿性髄膜炎
 無菌性髄膜炎
 脳炎
 脳症
 ポリオ(急性灰白髄炎)
 破傷風
・日和見感染症
 日和見感染
・循環器疾患
 心筋炎
 感染性心内膜炎
・その他
 敗血症
 尿路感染症
 シラミ
 輸入感染症
 小児の耳鼻科的疾患
 小児の結膜炎
索引

コラム
 BCG
 麻疹潜伏期のγグロブリン投与は接触後数日以上経過しても有効か?
 修飾麻疹
 カポジ水痘様湿疹―抗体産生不全,重複感染,交差反応
 新生児ヘルペスの1例
 日本紅斑熱と血小板減少
 RSV感染と無呼吸発作
 小児のSTD
 弛張熱が持続し,治療に難渋したQ熱
 診断に苦慮した結核性髄膜炎の15歳女児例
 なぜサルモネラ脳症か?
 インフルエンザウイルス日本型

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こどもの感染症診療に必要な知識と智恵にあふれた良書
書評者: 五十嵐 隆 (東大大学院・小児医学)
 現代の小児科医は小児科学の中のsubspecialityを1つか2つ自分の専門領域と定めている。しかし,どのようなsubspecialityを専門とする小児科医であっても,多くの小児科医は「麻疹を診断できなくては小児科医の資格はない」と考えている。「麻疹」を含めこどもが罹患するさまざまな感染症を診ることができないと,たとえあるsubspecialityの分野で秀でた業績があっても小児科医としては尊敬してもらえない。おそらく専門分化のより進んだ内科ではそのようなことはないであろう。ここに感染症に対する内科医と小児科医の差があると,私はかねてから思っている。実際にprimary careを担当することが比較的少ない大学病院の小児科医であっても,内科医に比べればさまざまな感染症に遭遇する機会が多い。総合病院小児科や実地医家として働く小児科医は毎日こどもの感染症に遭遇している。こどもは成人に比べると感染症に罹患しやすく,集団生活の場を通じての感染の機会も多いからである。こどもはさまざまな感染症を経験することで未熟であった免疫系を次第に強化していく。小児科医にとって感染症を的確に診断し治療することは小児科医が小児科医たる極めて重要な基本である。

 「こどもの感染症ハンドブック」はこどもの感染症を診察するうえで必要な知識と智恵にあふれた良書である。本書では重要なこどもの感染症が具体的にわかりやすい表現で丁寧に記載されている。主要症状別に感染症が分類されて記載されている点も読者にとっては大変に親切である。一般小児科医はもちろんのこと小児科研修医も本書を無理なく読んで比較的短時間で重要な要点と最新の情報を得ることができる。こどもを診察する機会のある内科や耳鼻科の医師にも本書が診療上の大きな助けとなるはずである。第2版では旧版よりも技術的進歩の見られる迅速診断と治療薬に大幅な充実が図られており,感染症新法の改訂にも内容を対応させている。また,従来の抗菌薬・抗ウイルス薬とは違う感染症の治療戦略としてバクテリオファージ療法が紹介されており,21世紀の感染治療の夢も熱く語られている。明日の診療に役立つ本書を1人でも多くの医師にお読み戴きたいと考え,本書を推薦する。

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