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慢性腎不全保存期のケア

寛解を目指した慢性腎臓病の治療
(第3版)

著:佐中 孜

  • 判型 A5
  • 頁 320
  • 発行 2005年06月
  • 定価 2,916円 (本体2,700円+税8%)
  • ISBN978-4-260-00063-5
慢性腎不全患者の透析を回避するための方法論を具体的に提示
慢性腎不全の患者が透析療法を回避するためにはどうしたらよいかを実際的に解説した、患者教育のためのスタンダードテキスト待望の改訂第3版。今回の改訂では、章構成を大幅に組換え理解がしやすくなった一方、従来からさらに一歩踏み込み、実際の症例を交えながら“寛解”に導入するための方法論を具体的に提示した。
書 評
  • 慢性腎臓病の問題・治療を正しく理解するために
    書評者:酒井 紀(東京慈恵会医科大学・名誉教授)

     本書の著者である佐中 孜教授は,腎臓内科医として腎臓病に関する医学全般,特に腎不全の医療に最も精通する極めて優秀な専門医の一人である。

     今回,上梓された本書は,すでに1992年に『慢性腎不全保存期のケア:透析療法を避けるために』と題して出版された初版本を1997年に改訂し,今回,新たに副題...
    慢性腎臓病の問題・治療を正しく理解するために
    書評者:酒井 紀(東京慈恵会医科大学・名誉教授)

     本書の著者である佐中 孜教授は,腎臓内科医として腎臓病に関する医学全般,特に腎不全の医療に最も精通する極めて優秀な専門医の一人である。

     今回,上梓された本書は,すでに1992年に『慢性腎不全保存期のケア:透析療法を避けるために』と題して出版された初版本を1997年に改訂し,今回,新たに副題に「寛解を目指した慢性腎臓病の治療」を付け,変遷する慢性腎不全の概念など多くの重要課題を追加した斬新的な改訂版(第3版)である。

     現在,わが国では末期腎不全患者が増大し,維持透析患者は25万人を越え,平均年齢も年々高齢化している。その背景には,近年,糖尿病など生活習慣病に由来する腎障害や高齢者の腎障害患者の著しい増加が医学・医療上の大きな問題となり,慢性腎不全に至る腎臓病の対策が問われている.国際的にも,腎機能障害が末期腎不全への危険因子として,生命予後に重大な影響を与えることが注目されるようになり,慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)の概念が提唱されその対策が始まっている。わが国でも日本腎臓学会を中心としたCKDの克服に向けての対応が求められている。

     このような状況のなかで発刊された本書は,正しく時を得た参考書である。著者は十数年前に増え続ける透析患者の対策に,保存期慢性腎不全治療の画期的テキストとして第1版を刊行したが,今回の改訂版では,腎機能障害と診断される時期から慢性腎不全が進展する病期までを的確にとらえて,慢性腎臓病の原因や重症度,悪化要因などをわかりやすく説明し,検査方法や治療目標などを明確に示している。さらに,最近注目される循環器疾患をはじめとしたさまざまな病態の危険因子として慢性腎臓病の重大性を示すとともに,腎保護作用が明らかになってきた薬物療法や食事療法の実際について詳細に記載している。特に,糖尿病性腎症が原因の慢性腎臓病については治療上の注意点を詳しく解説している。また,患者,栄養士,医師とのQ&Aを約40頁にわたって多数取り上げてわかりやすく説明するとともに,多くの低蛋白食献立見本を列挙して日常の食生活の指針を示している。

     このように本書は,慢性腎臓病の克服に向けて,腎不全保存期を中心とした多くの問題点を理解し,集学的治療を幅広く学ぶことができるように企画されている。臨床研修中の医師をはじめ,診療に従事する多くの医師が,近年注目されてきた慢性腎臓病の概念を正しく認識するためにも必須の本として推薦したい良書である。
目 次
1 慢性腎臓病の基礎知識
 1 腎臓の構造と機能
 2 治る腎不全と治らない腎不全
 3 慢性腎臓病の原因と重症度
2 慢性腎臓病の悪化要因
 1 慢性腎臓病の進行因子,増悪要因とは何か
 2 他に病気はないか
3 慢性腎臓病の治療に必要な検査と外来通院でのチェックポイント
 1 腎機能を知るための検査
 2 自分でできる検査
 3 病院あるいは診療所で行う検査
 4 通院指導
4 集学的治療のための薬剤
 1 慢性腎臓病の寛解,進行停止,進行抑制のための薬物療法
 2 慢性腎不全における薬剤の体内動態
5 集学的治療における食事療法の位置づけ
 1 腎機能別の食事療法目標
 2 食事療法の原則
 3 腎機能別の食事療法ガイドライン
6 食事療法の実際
 1 食事療法をどう始めるか
 2 寛解,進行停止を目指した食事療法の実現のために
7 慢性腎臓病における日常生活
 1 どのような日常生活(安静度,労働,運動,妊娠)がよいか
 2 通院の指導
8 末期慢性腎不全の保存療法から透析療法への切り替え
 1 透析療法への導入を決定する時期
 2 残存腎機能を維持することがその後の透析生活でも大切
 3 過度の食事療法を継続することの弊害
 4 自覚症状が出てくるときはどのような症状が出るか
 5 食事療法をしていても慢性腎不全へと進んだらどうするか
 6 ブラッドアクセスを作成して透析療法開始のための準備をする
 7 CAPDの準備をする
9 糖尿病性腎症が原因の慢性腎臓病でとくに注意すること
 1 糖尿病性腎症の病期分類と治療上の問題点
 2 治癒,寛解,進行停止,進行抑制のための治療原則
 3 治療の実際
 4 糖尿病性腎症の病期分類と治療
 5 日常生活
患者,栄養士,医師とのQ&A
索引