ゴードン 看護診断マニュアル 原書第11版
機能的健康パターンに基づく看護診断
「機能的健康パターン」に基づくゴードンの看護診断
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臨床・教育で広く用いられるゴードンの「機能的健康パターン」は、正確な看護診断を導き出すためのアセスメント枠組みである。本書ではこのアセスメント枠組みにそって情報をアセスメントし、導き出された看護診断をグループ分けした。NANDAの看護診断ラベルのほかに、独自に臨床上極めて有用と判断した26の診断ラベルも加えられている。さらにゴードン独自の開発による「診断の手がかり」「支持手がかり」(キュー)により、正確かつ容易に看護診断が導き出されるように工夫されている。本書では臨床で本著を効果的に活用できるように、このキューに対応するNANDA-Iの表記も併記した。
著 | マージョリー・ゴードン |
---|---|
訳 | 看護アセスメント研究会 |
翻訳協力 | 江川 隆子 |
発行 | 2010年02月判型:A5変頁:392 |
ISBN | 978-4-260-01036-8 |
定価 | 3,080円 (本体2,800円+税) |
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序文
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本書の概要と活用の仕方
訳者序にかえて
看護実践や教育において,本書に示すゴードン博士の『機能的健康パターン』は広く活用されている.この枠組みを使って看護診断を教えている看護教育施設は,わが国において少なくない.
ゴードン博士は,この『機能的健康パターン』の11の枠組みを「情報収集を組織立てて行うためのアセスメントカテゴリーである」と言っている.すなわち,看護診断を導くためのアセスメントの枠組みを提供するものだと主張している.この点が,看護教育に広く取り入れられている根拠となっているのだろう.
本書はこのアセスメント枠組みにそって情報をアセスメントし,そこから導き出される看護診断を,『機能的健康パターン』の書式(11パターン)のもとでグループ分けしたものである.
これに比べてNANDA-Iの「定義と分類」は,結果として導き出される看護診断を13の領域(domain)と47の類(class)に構造化したものであり,本書のように特定のアセスメント枠組みにそって情報をアセスメントし,分類されたものではない.この点に注意が必要である.
わが国の看護師は,よく「NANDA-Iの看護診断」または「Gordonの看護診断」,あるいは「Carpenitoの看護診断」などと表現するが,GordonやCarpenitoが新たな看護診断ラベルを独自に考え出すことはあっても,基本となるのはNANDA-Iの看護診断用語に基づくものであるので,我々も看護診断用語について,それが標準化を目指す共通の一言語であると認識しておくべきである.
こうした誤解を生まないように,本書では翻訳内容に更に解説を加え,必要に応じて訳注を記して,臨床で本書を効果的に活用できるように構成した.更に用語の標準化の観点から,臨床でよく用いられる診断ラベルを厳選して,NANDA-Iの診断指標や各因子と対比させた訳注も加えた.
本書の活用の仕方
このゴードン博士によるマニュアルの特徴の1つは,NANDA-I看護診断に付随している「診断指標」とは別に「診断の手がかり」(キューCue)が盛り込まれていることである.ゴードン博士はこれを“1000名以上の臨床看護師から,診断の手がかりとなる臨床症状のデータを集め,まとめた介入ポイント”であると説明している.またこれが,①診断上の判断に不可欠で,②診断の信頼性,一貫性,正確さを確実にし,③診断間の区別をつけやすくするものだと強調している.
そこで,本書を活用するに際して,いくつかの使い方を推奨したい.
1)NANDA-Iの承認した看護診断ラベルをアセスメントを目的に「11の機能的健康パターン」に区分けする場合は:
→『診断カテゴリーについて』(p.15)を参考にする.
2)NANDA-Iによって新しく承認された看護診断ラベルを「機能的健康パターン」に区分けするときは:
→『機能的健康パターンの類型』(p.23)の“パターンの定義”を参考にする.
3)スクリーニングアセスメント用紙を作成する場合は:
→本書の『機能的健康パターンのアセスメントガイドライン』(p.30)を参考にする.
*本書に紹介されているガイドラインは,本書に掲載されている看護診断全体に及ぶものなので,臨床で活用する場合は,まず対応する看護診断名を選択してから,その看護診断に対するガイドラインを自ら作成する必要がある.
4)看護過程(看護診断過程)の論理を知ろうとする場合は:
→『看護実践での看護診断カテゴリーの利用法』(p.57)を活用する.
*ゴードン博士の提唱する看護診断過程の論理を理解するために,臨床看護で取り扱う看護診断の全ての症状・徴候,時には関連因子・危険因子について,既に学んでいる必要がある.
5)クライアントの訴え,あるいは看護問題の徴候から,看護診断を推論する場合は:
→『診断カテゴリー』(各論)(p.74~)に記載されている「診断の手がかり」と「支持手がかり」から理解を深める.
6)また,教育的側面からそれぞれの看護診断を理解させる場合は:
→本書に「原因・関連因子」または「リスクの高い人びと」あるいは「危険因子」として記載されている内容と,NANDA-Iの「診断指標」または「関連因子」あるいは「危険因子」などと比較検討して,「それぞれの看護診断に適応できるクライアント像」を説明することができる.
本書ではその例として,臨床看護・成人看護領域でよく見られる看護診断を厳選し(p.76参照),各症状・徴候ごとに,NANDA-I定義と分類の診断指標,あるいは危険因子などと比較し,同義のものを訳注として付している.
読者は,これらの訳注を比較検討することにより更に看護診断の理解を深め,本書をいっそう実践的に活用できるようになると信じている.
2010年2月 看護アセスメント研究会(代表 鷹井清吉)
訳者序にかえて
看護実践や教育において,本書に示すゴードン博士の『機能的健康パターン』は広く活用されている.この枠組みを使って看護診断を教えている看護教育施設は,わが国において少なくない.
ゴードン博士は,この『機能的健康パターン』の11の枠組みを「情報収集を組織立てて行うためのアセスメントカテゴリーである」と言っている.すなわち,看護診断を導くためのアセスメントの枠組みを提供するものだと主張している.この点が,看護教育に広く取り入れられている根拠となっているのだろう.
本書はこのアセスメント枠組みにそって情報をアセスメントし,そこから導き出される看護診断を,『機能的健康パターン』の書式(11パターン)のもとでグループ分けしたものである.
これに比べてNANDA-Iの「定義と分類」は,結果として導き出される看護診断を13の領域(domain)と47の類(class)に構造化したものであり,本書のように特定のアセスメント枠組みにそって情報をアセスメントし,分類されたものではない.この点に注意が必要である.
わが国の看護師は,よく「NANDA-Iの看護診断」または「Gordonの看護診断」,あるいは「Carpenitoの看護診断」などと表現するが,GordonやCarpenitoが新たな看護診断ラベルを独自に考え出すことはあっても,基本となるのはNANDA-Iの看護診断用語に基づくものであるので,我々も看護診断用語について,それが標準化を目指す共通の一言語であると認識しておくべきである.
こうした誤解を生まないように,本書では翻訳内容に更に解説を加え,必要に応じて訳注を記して,臨床で本書を効果的に活用できるように構成した.更に用語の標準化の観点から,臨床でよく用いられる診断ラベルを厳選して,NANDA-Iの診断指標や各因子と対比させた訳注も加えた.
本書の活用の仕方
このゴードン博士によるマニュアルの特徴の1つは,NANDA-I看護診断に付随している「診断指標」とは別に「診断の手がかり」(キューCue)が盛り込まれていることである.ゴードン博士はこれを“1000名以上の臨床看護師から,診断の手がかりとなる臨床症状のデータを集め,まとめた介入ポイント”であると説明している.またこれが,①診断上の判断に不可欠で,②診断の信頼性,一貫性,正確さを確実にし,③診断間の区別をつけやすくするものだと強調している.
そこで,本書を活用するに際して,いくつかの使い方を推奨したい.
1)NANDA-Iの承認した看護診断ラベルをアセスメントを目的に「11の機能的健康パターン」に区分けする場合は:
→『診断カテゴリーについて』(p.15)を参考にする.
2)NANDA-Iによって新しく承認された看護診断ラベルを「機能的健康パターン」に区分けするときは:
→『機能的健康パターンの類型』(p.23)の“パターンの定義”を参考にする.
3)スクリーニングアセスメント用紙を作成する場合は:
→本書の『機能的健康パターンのアセスメントガイドライン』(p.30)を参考にする.
*本書に紹介されているガイドラインは,本書に掲載されている看護診断全体に及ぶものなので,臨床で活用する場合は,まず対応する看護診断名を選択してから,その看護診断に対するガイドラインを自ら作成する必要がある.
4)看護過程(看護診断過程)の論理を知ろうとする場合は:
→『看護実践での看護診断カテゴリーの利用法』(p.57)を活用する.
*ゴードン博士の提唱する看護診断過程の論理を理解するために,臨床看護で取り扱う看護診断の全ての症状・徴候,時には関連因子・危険因子について,既に学んでいる必要がある.
5)クライアントの訴え,あるいは看護問題の徴候から,看護診断を推論する場合は:
→『診断カテゴリー』(各論)(p.74~)に記載されている「診断の手がかり」と「支持手がかり」から理解を深める.
6)また,教育的側面からそれぞれの看護診断を理解させる場合は:
→本書に「原因・関連因子」または「リスクの高い人びと」あるいは「危険因子」として記載されている内容と,NANDA-Iの「診断指標」または「関連因子」あるいは「危険因子」などと比較検討して,「それぞれの看護診断に適応できるクライアント像」を説明することができる.
本書ではその例として,臨床看護・成人看護領域でよく見られる看護診断を厳選し(p.76参照),各症状・徴候ごとに,NANDA-I定義と分類の診断指標,あるいは危険因子などと比較し,同義のものを訳注として付している.
読者は,これらの訳注を比較検討することにより更に看護診断の理解を深め,本書をいっそう実践的に活用できるようになると信じている.
2010年2月 看護アセスメント研究会(代表 鷹井清吉)
目次
開く
本書の概要と活用の仕方(訳者序にかえて)
序文
このマニュアルの使い方
診断カテゴリーについて
(機能的健康パターン別の看護診断ラベルのリスト)
機能的健康パターンの類型(各パターンの定義)
機能的健康パターンのアセスメントガイドライン
成人アセスメント 乳児および小児のアセスメント
家族のアセスメント 地域社会アセスメント
クリティカルケア・アセスメント
看護実践での看護診断カテゴリーの利用法
文章作成:基本書式と例示
問題指向型記録の書式のガイドラインとチェックポイント
例:看護歴および診査 問題のリスト
診断カテゴリー
(機能的健康パターン別の看護診断)
→11の機能的健康パターン別の看護診断ラベルの目次はp.15を参照
→50音順の看護診断ラベルの目次は表表紙と裏表紙の内側を参照
序文
このマニュアルの使い方
診断カテゴリーについて
(機能的健康パターン別の看護診断ラベルのリスト)
機能的健康パターンの類型(各パターンの定義)
機能的健康パターンのアセスメントガイドライン
成人アセスメント 乳児および小児のアセスメント
家族のアセスメント 地域社会アセスメント
クリティカルケア・アセスメント
看護実践での看護診断カテゴリーの利用法
文章作成:基本書式と例示
問題指向型記録の書式のガイドラインとチェックポイント
例:看護歴および診査 問題のリスト
診断カテゴリー
(機能的健康パターン別の看護診断)
→11の機能的健康パターン別の看護診断ラベルの目次はp.15を参照
→50音順の看護診断ラベルの目次は表表紙と裏表紙の内側を参照