小児科診療マニュアル
すべての研修医のために

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小児科医をめざす研修医はもちろん,スーパーローテーションで小児科に加わる全研修医のための実践マニュアル。今やっておかなければいけない,現場での最低限の問題解決法を中心に解説。小児科研修には欠かせない1冊。
編集 森川 昭廣 / 内山 聖
発行 2002年04月判型:A5頁:256
ISBN 978-4-260-11913-9
定価 3,850円 (本体3,500円+税)
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  • 目次
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1. はじめに
2. 小児科の医療面接と診察
3. バイタルサインの見方
4. 救急処置
5. 各部の診察
 A. 頭・頸部
 B. 胸部
 C. 腹部
 D. 四肢・脊柱
 E. 神経学的診察
 F. 耳・口・喉・リンパ節
 G. 皮膚・毛髪・爪
6. 主訴や症候の見方と鑑別診断・処置
 A. 一般的訴え
 B. 神経系
 C. 呼吸器
 D. 循環器
 E. 消化器
 F. 血液系
 G. 泌尿生殖器
 H. 皮膚
 I. 精神
 J. 事故・その他
 K. 新生児
7. 小児で必要な治療手技・検査手技
 A. 治療手技
 B. 検査手技と検査結果の読み方
8. 成長・発達の評価
9. 予防接種
10. 学校保健と予防医学
11. 薬剤の使い方
付録
 A. 小児の正常値
 B. 小児に関する諸データ

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必修化される卒後小児科研修にズバリの内容
書評者: 河野 陽一 (千葉大大学院教授・小児病態学)
 2004(平成16)年から2年間の卒後臨床研修が必修化されるが,この制度は昔のインターン制度とは異なるものであり,最近の医療現場からの必要性と,臨床医学教育の流れを踏まえてスタートする新たな臨床医学研修システムである。この新たな研修システムの開始にあたり,指導する側も研修を受ける側も,どのような研修を行なうのか,手探りの部分がある。小児科は卒後研修において必須診療科にあげられており,この時期に本書が登場したことは,まさに時宜を得たものと言える。

◆明確に把握できる小児科診療の要点

 私が医学部の学生であった頃,小児科の教科書は限られており,読みもしないのに分厚いNelson『Textbook of Pediatrics』(W B Saunders)を購入したことを思い出す。これらのテキストは,持ち歩くに適した大きさではなく,ベッドサイドの実習においては,疑問にその場ですばやく解答を与えてくれるテキストを誰もが欲しがっていた。当時も小児の臨床医学の基本的な情報を図表を多用して解説した小冊子があったが,資料集といった内容であり,小児科診療そのものを解説するものではなかった。それでも学生の時に購入した小児科の小冊子は,ベッドサイドの実習で活躍した後に,小児科に入局してからも随分と世話になった。本マニュアルは,当時の小冊子に比べると,編集の視点がまったく異なっており,小児科診療の要点を伝えようとする姿勢が明確で,教える方法もわかりやすい。
 本書の構成をみると,小児科診察の全体像から始まり,各部の診察そして症状から診断へのアプローチを手際よくまとめている。さらに治療手技や検査手技,その他に成長・発達の評価,予防接種,学校保健・予防医学,薬剤の使い方まで,大変幅広い情報が満載されている。また,本書の特徴とも言えるが,各項ごとに重要なポイントをまとめて記述し,内容はすべて箇条書きにされている。エレガントな体裁に加えて,情報の伝え方にも工夫がなされ気配りを隅々に感じる。

◆身につけてほしい習慣―問題の解決を後回しにしない

 序文に,「小児科の研修中に困った時や知識を得たい時は,すぐにその場で本書を開いてほしい。必ず解決策が見出せるはずである」とあるが,これは過言ではない。具体的な記述を随所に見出すであろう。『すべての研修医のために』と副題があるが,研修医のみならず臨床実習の学生,そして指導医にそれぞれの求めに応じて十分な役割を本書は果たすと思われる。
 新しい意図を持った診療マニュアルであり,研修医諸君には本書を活用することで問題の解決を後回しにしない習慣を身につけてほしいと願っている。小児科に将来進む研修医はもちろん,小児科に進まない研修医にとっても,長く診療の現場に置かれる1冊であろう。

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