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言語聴覚士のための

失語症訓練教材集

[ハイブリッドCD-ROM付]

編集:立石 雅子

  • 判型 B5
  • 頁 128
  • 発行 2001年06月
  • 定価 5,076円 (本体4,700円+税8%)
  • ISBN978-4-260-24393-3
絵カードで学ぶ失語症訓練教材集,CD-ROM付き
本書は,教材を言語様式別・難易度別ではなく,処理の単位で分類した,より実用的で新しい教材集である。2つのチャートにより,教材が言語機能のいずれを対象とし,さらにどこの改善を目的とするのか一目でわかるようになっている。絵カード682枚収載のCD-ROM付き。即,今日から使える教材集に仕上がった。
書 評
  • 新人言語聴覚士のための先駆的教材
    書評者:半田 理恵子(桜新町リハビリテーションクリニック部長)

    ◆あふれる新人への温かい思いやり

     もう随分と昔のことだが,私が国立身体障害者リハビリテーションセンター附属の学院を卒業し,まったくの新人でありながら,総合病院のリハビリテーション科の開設に直面した時,その準備のためのオリエンテーションをしてくださったのが,本書を編集された立石先生である。勤務...
    新人言語聴覚士のための先駆的教材
    書評者:半田 理恵子(桜新町リハビリテーションクリニック部長)

    ◆あふれる新人への温かい思いやり

     もう随分と昔のことだが,私が国立身体障害者リハビリテーションセンター附属の学院を卒業し,まったくの新人でありながら,総合病院のリハビリテーション科の開設に直面した時,その準備のためのオリエンテーションをしてくださったのが,本書を編集された立石先生である。勤務されている慶應大学病院の言語室で,日々ご多忙にもかかわらず,新人の私に,開設にあたってどのような準備が必要であるかを,臨床現場で実際に使用されている検査類,あるいは絵カード類を呈示されながら,親身に説明してくださった。その中で特に鮮明に印象づけられたのは,先生自らが作られた教材の数々であった。確か,見開きの棚であったと記憶しているが,「こんな風に,それぞれの患者さんに合わせて,教材を作らなければいけないのです」と,新人の私には,その教材の深く意味することなど恥ずかしながらわからなかったが,少し圧倒されるような気持ちで,棚の中から出される教材を見つめていたことを記憶している。
     あれから20年余りが経過し,今この『失語症訓練教材集』を手にした時,今も変わらぬ立石先生の新人に対しての温かな思いやりに,改めて触れたような気持ちになった。

    ◆現場で困らないように工夫された内容,群をぬくデジタル素材

     さてこの書は,その「まえがき」にも書かれているが,読み手として,「日々の臨床に孤軍奮闘している,日の浅い言語聴覚士の皆さん」を対象としている。したがって,内容はより実践的で,すぐにでも教材として使用できるようにさまざまな工夫や配慮がなされている。
     まず,1章では失語症の方の訓練を開始するにあたって,注意すべき問題点が述べられ,そこを踏まえた上での「言語機能」の障害のレベルと訓練の流れについて,フローチャートを利用し,きわめてわかりやすく説明がなされている。
     また2章では,およそ90頁にわたり教材例が紹介されているが,いわゆる聴く,話すなどの「言語様式別」の紹介方法ではなく,「言語音」・「文字のレベル」,「単語のレベル」,「文のレベル」など,「処理の単位」にしたがって分類されていることが,特徴的である。また,教材使用にあたっての,対象,ポイント,使用法,留意点,応用の内容なども,それぞれ詳細に説明が加えられ,読み手である新人の言語聴覚士が,実際の訓練場面で困らないように工夫されている。
     そして,最後にこの書の最大の特徴,それは,付属のCD-ROMに多くのデジタル素材が収載されていることだろう。例えば,音声素材は25点,絵カードに至っては,名詞絵336点,動作絵274点,情景絵54点,形容詞18点,計682点の絵が含まれている。つまり,パソコンさえあれば,教材として必要な絵がすぐにCD-ROMからプリントアウトでき,また教材の内容に応じて,それらの絵をさまざまに編集することも可能というわけである。そのような「付録」がありながら,1冊4700円で購入できるというのは,決して宣伝するわけではないが,手ごろでまた今後のこのような専門書のあり方としては,先駆的な試みとも言えるのではないだろうか。
     そのような意味で,新人の言語聴覚士の皆さんだけではなく,広い世代にわたって,手にしていただきたい本とも言える。
目 次
I. 問題点の整理と適切な訓練導入までの流れ
 1 聴力・視力
 2 意識障害
 3 知的機能の障害,高次脳機能障害
 4 言語機能 
II. 教材の使用について
 1 本書の構成
 2 教材 
III. 注意すべき点 
IV. 教材入手について