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臨床実習指導ワークブック 第2版
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目次
開く
序章
第1部 臨床実習教育の理論
1. 臨床実習教育とは
2. 臨床実習における教材と教材化
3. 指導型の実習教育と学習援助型の実習教育の違い
4. 学習意欲を高める教育
5. 実習評価の方法
6. 看護教師と臨床実習指導者の協働
第2部 臨床実習における教育的関わり
1. 授業としての臨床実習
2. 臨床実習をデザインする
3. 臨床実習における教師・指導者の関わりの原則
4. 臨床実習と講義を結合する
第3部 臨床実習教育をワークする
UNIT-0 実習指導の流れをつかむ
UNIT-1 実習生の立場から実習の意味を考える
UNIT-2 実習生を把握する
UNIT-3 実習指導の方向をつかむ
UNIT-4 実習場の教育環境を整える
UNIT-5 受け持ち患者を決める
UNIT-6 実習生の課題を把握する
UNIT-7 実習場面の教材化を図る
UNIT-8 実習指導の自己評価
第4部 臨床実習教育の実践例
1. 臨床実習教育の授業分析の方法
2. どのように教材化するか
第1部 臨床実習教育の理論
1. 臨床実習教育とは
2. 臨床実習における教材と教材化
3. 指導型の実習教育と学習援助型の実習教育の違い
4. 学習意欲を高める教育
5. 実習評価の方法
6. 看護教師と臨床実習指導者の協働
第2部 臨床実習における教育的関わり
1. 授業としての臨床実習
2. 臨床実習をデザインする
3. 臨床実習における教師・指導者の関わりの原則
4. 臨床実習と講義を結合する
第3部 臨床実習教育をワークする
UNIT-0 実習指導の流れをつかむ
UNIT-1 実習生の立場から実習の意味を考える
UNIT-2 実習生を把握する
UNIT-3 実習指導の方向をつかむ
UNIT-4 実習場の教育環境を整える
UNIT-5 受け持ち患者を決める
UNIT-6 実習生の課題を把握する
UNIT-7 実習場面の教材化を図る
UNIT-8 実習指導の自己評価
第4部 臨床実習教育の実践例
1. 臨床実習教育の授業分析の方法
2. どのように教材化するか
書評
開く
「臨床の知」の獲得に焦点化した臨床実習を
書評者: 筒井 真優美 (日本赤十字看護大学教授・看護学)
クライエントの在院日数の短縮,重症化,高齢化,疾病構造の複雑化に加えて,実習時間数の短縮,学生の生活体験の減少などの要素が加わり,実習は多くの課題を抱えている。また,虐待,校内暴力,不登校は増加し続けており,2000年に発表された総務庁の全国調査によると,5人に1人の子ども(9-14歳)が人と関われないことが浮き彫りにされた。このような子どもたちがこれからの看護学生になるのである。本書は多くの課題を持つ実習指導について,具体的な指導方法を示している。
◆臨床の経験を学生自らが意味づける
著者らは,「臨床の知」をはじめとする「知」の捉え方に大転換が起こっており,あらゆる事象を目的合理的に説明しようとする思惟様式が行き詰まっていると述べている。膨大な記録,看護過程という技能のトレーニング,看護診断という教える側も消化不良ぎみな知識の指導ということにも疑問を投げかけている。
臨床実習教育は「臨床の知」の獲得に焦点化して行なわれるべきであり,臨床の経験を学生自らが意味づけるプロセスの中で,「臨床の知」としての看護技術が獲得されるとしている。そして,学生の経験は教師と学生とが相互主体的にかかわる中で,意味づけられるのである。
教師には「あるべき論」をふりかざさず,自分の価値観に固執せず,学生の素朴な思いや気づきに耳を傾け,他者からの働きかけを謙虚に受けとめる姿勢が求められる。すなわち,教師の姿をロール・モデルとして示すことが必要であることを強調している。
このように述べてくると,では実際どのように教師はかかわればよいのかという疑問が出てくるが,本書はそれらを実に具体的に説明している。
◆指導型から学習援助型へ
本書は序章,第1部臨床実習教育の理論,第2部臨床実習における教育的かかわり,第3部臨床実習教育をワークする,第4部臨床実習教育の実践例から構成されている。
著者らは本書のどこから読み始めてもよいと述べているが,著者らの提言が今までの実習教育と何が違うのか(具体例),それはなぜか(理論),ではどのようにすればよいのか(方法)と読み進めるほうがわかりやすいように思う。すなわち,従来の指導型の実習教育と著者らの提案する学習援助型(あるいは経験型)実習教育との違い(32-33頁)から読み始め,次に序章から第1部,第2部,第3部へと読まれることをお勧めする。学生や教師が本書を参考にして,少しでも心に残る実習を体験できればと願う。
書評者: 筒井 真優美 (日本赤十字看護大学教授・看護学)
クライエントの在院日数の短縮,重症化,高齢化,疾病構造の複雑化に加えて,実習時間数の短縮,学生の生活体験の減少などの要素が加わり,実習は多くの課題を抱えている。また,虐待,校内暴力,不登校は増加し続けており,2000年に発表された総務庁の全国調査によると,5人に1人の子ども(9-14歳)が人と関われないことが浮き彫りにされた。このような子どもたちがこれからの看護学生になるのである。本書は多くの課題を持つ実習指導について,具体的な指導方法を示している。
◆臨床の経験を学生自らが意味づける
著者らは,「臨床の知」をはじめとする「知」の捉え方に大転換が起こっており,あらゆる事象を目的合理的に説明しようとする思惟様式が行き詰まっていると述べている。膨大な記録,看護過程という技能のトレーニング,看護診断という教える側も消化不良ぎみな知識の指導ということにも疑問を投げかけている。
臨床実習教育は「臨床の知」の獲得に焦点化して行なわれるべきであり,臨床の経験を学生自らが意味づけるプロセスの中で,「臨床の知」としての看護技術が獲得されるとしている。そして,学生の経験は教師と学生とが相互主体的にかかわる中で,意味づけられるのである。
教師には「あるべき論」をふりかざさず,自分の価値観に固執せず,学生の素朴な思いや気づきに耳を傾け,他者からの働きかけを謙虚に受けとめる姿勢が求められる。すなわち,教師の姿をロール・モデルとして示すことが必要であることを強調している。
このように述べてくると,では実際どのように教師はかかわればよいのかという疑問が出てくるが,本書はそれらを実に具体的に説明している。
◆指導型から学習援助型へ
本書は序章,第1部臨床実習教育の理論,第2部臨床実習における教育的かかわり,第3部臨床実習教育をワークする,第4部臨床実習教育の実践例から構成されている。
著者らは本書のどこから読み始めてもよいと述べているが,著者らの提言が今までの実習教育と何が違うのか(具体例),それはなぜか(理論),ではどのようにすればよいのか(方法)と読み進めるほうがわかりやすいように思う。すなわち,従来の指導型の実習教育と著者らの提案する学習援助型(あるいは経験型)実習教育との違い(32-33頁)から読み始め,次に序章から第1部,第2部,第3部へと読まれることをお勧めする。学生や教師が本書を参考にして,少しでも心に残る実習を体験できればと願う。
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