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脳神経外科手術のための神経モニタリングアトラス

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すでに脳神経外科の手術操作に不可欠となっている神経生理学的モニタリングの今日的状況に鑑み,各種の神経モニタリング法を臨床応用するための基礎知識と記録方法を整理して図示・解説。脳腫瘍,脳血管障害,脊椎・脊髄,機能的外科,頭蓋底など領域別に,術式,注意点,手順,判断基準ほかモニタリングの実際を盛り込んだ実用書。
編集 片山 容一 / 山本 隆充
発行 2003年02月判型:B5頁:192
ISBN 978-4-260-12246-7
定価 11,000円 (本体10,000円+税)

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■総論
 神経モニタリング
■各論
I 脳腫瘍
 1. 運動野の腫瘍摘出術―神経膠腫の手術
 2. Broca言語野の腫瘍摘出術
 3. 体性感覚野の腫瘍摘出術
 4. 脳幹部の腫瘍摘出術
 5. 視神経近傍腫瘍摘出術
 6. 聴神経腫瘍摘出術
II 脳血管障害
 1. 脳動脈瘤の手術
 2. 頭蓋内・頭蓋外バイパス手術
 3. 頸動脈血栓内膜切除術
III 脊椎・脊髄
 1. 脊椎・脊髄手術
 2. 脳性麻痺の手術―痙性に対する機能的脊髄後根切断術
 3. 二分脊椎の手術―脊髄脂肪腫摘出術
IV 機能的外科
 1. 微小血管減圧術―三叉神経痛、顔面けいれんの手術
 2. てんかんの手術
 3. 定位脳手術
 4. 覚醒下手術
V 頭蓋底の外科
 1. 頭蓋底腫瘍の手術
索引

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確立された神経モニタリング法を図説した実用書
書評者: 坪川 孝志 (前日大教授・脳神経外科)
◆「脳・神経手術モニタリング研究会」

 脳神経外科では手術の対象となる脳・神経は機能の局在があるうえに,再生能力が低い臓器であるため,手術に際して機能を有する脳・神経組織に侵襲が加わると機能障害が発生する危険がある。最近では,これに対処すべく顕微鏡下手術など術式の工夫に加えて,手術の支援法としてニューロナビゲーターや各種のモニター法が利用されている。

 特に手術操作による機能障害発生に対する警告モニターとしては,以前より神経生理学的手法による神経モニタリング法が理論的にはもっとも信頼される方法とされながらも,手術室内での記録条件の劣化や施設間の方法の不統一といった問題のため信頼されるモニター法として確立されていなかった。こうした問題点の克服のために,編者の片山教授を中心に多くの脳神経外科医によって,平成11年より4年間にわたって,「脳・神経手術モニタリング研究会」を開催し,手術の内容別に,どの機能を守るために,どの電位をモニターするのか,また正確な記録のための条件などについて討議を重ねた結果,今日では手術中に発生する脳障害を防止するモニター法として,手術中の神経モニタリング法がもっとも信頼され,その価値も再評価されはじめた。

◆記録法や用語を統一し,モニターの信頼性を確保

 こうした時期に,この「脳・神経手術モニタリング研究会」幹事の17人を中心にした分担執筆で完成したのが本書である。従来この分野は方法や用語が乱れていたが,本書では分担執筆であるにもかかわらず記録法や用語が統一され,常にモニターの信頼性の確保と実用性に視点を置いて解説されているのが特筆すべきことで,それが可能なのは4年間の「脳・神経モニタリング研究会」で指導的立場にある先生方の執筆によるためであろう。
 
 本書は177のよく選択された譜図をたどると,手術中の神経モニタリング法が身につくようにできているので,アトラスと題されているが,むしろ絵解き本ともいうべき特徴をもっている。

 内容は,総論部分で手術中に利用される各種の神経モニタリング法の原理とモニターされた各基本電位が平易に図解されている。各論が本書の89%を占め,脳腫瘍の手術についても,従来の手術中神経モニタリング法の利用法とは異なり,中心溝の決定,運動や知覚機能の確保,言語領周辺手術,脳幹部手術・視神経周辺手術・聴神経周辺手術・頭蓋底手術など,手術の種類のみならず,手術の内容や目的によって,それぞれ何の神経機能保護に利用するモニター法を選択するかからはじまり,その電位変化の意義について,図を中心に解説されている。同じように,脳血管,脊椎・脊髄,機能的脳神経外科手術についても病態や手術法の違い,手術の各段階でのモニター法の選択とそれら電位変化の意義が図説されている点が,本書でなければできなかった特異点である。

 本書は従来信頼性のなかった手術中の神経モニタリング法を,病態別,手術の内容別,さらには手術操作の段階別に,それぞれのモニター法を選択していくことで,モニターとしての信頼性が再確認できるよう構成され,またその利用法を図説した実用書である。脳神経外科の手術は徹底的かつ安全で,低侵襲でなければならない。こうした時代の脳神経外科医にとっては,必読の書となるにちがいない。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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