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≪標準医療薬学≫

臨床薬物動態学


編集:澤田 康文

  • 判型 B5
  • 頁 432
  • 発行 2009年11月
  • 定価 6,600円 (本体6,000円+税10%)
  • ISBN978-4-260-00706-1
患者にとって最適な薬物治療を実践する薬剤師になるために
医薬品を適切に使用する上で有効な手段となる薬物動態学について、臨床の豊富な実例をもとに解説した教科書。基礎編ではその概念と基礎的な表現法を簡潔にまとめ、応用編では薬物動態学の知識を活用して好結果につながった症例を「最適な用法用量の設定」「薬物相互作用の回避」「副作用の回避」「治療効果の評価」の各章で示した。薬学生のみならずもう一度学び直したい薬剤師にもおすすめ。
*「標準医療薬学」は株式会社医学書院の登録商標です。
序 文


 薬剤師の業務は,「医師の作成する処方の設計支援」「医師の作成する処方のチェック」「処方された薬剤の調製・調合とそのチェック」「医薬品の管理」「服薬指導」「薬歴管理」「医薬品情報収集・評価・提供活動」など,実にさまざまである.この中でも「処方設計支援」と「処方チェック」は薬剤...


 薬剤師の業務は,「医師の作成する処方の設計支援」「医師の作成する処方のチェック」「処方された薬剤の調製・調合とそのチェック」「医薬品の管理」「服薬指導」「薬歴管理」「医薬品情報収集・評価・提供活動」など,実にさまざまである.この中でも「処方設計支援」と「処方チェック」は薬剤業務の最初に位置する鑑査業務である.処方の適正化のため,あらゆる疑義に対して処方医に適正に照会することは,薬剤師に課せられた最も重要な役割だと言っても過言ではない.もちろんこれらの処方関連業務は,単独の薬剤業務ではなく,「医薬品情報収集・評価・提供活動」「服薬指導」「薬歴管理」と深く関係している.処方の適正化は,処方内容と薬歴や服薬指導から得た患者基本情報を元に,文献などから収集し評価した医薬品情報を基盤にして,リアルタイムにしかも的確に行われなければならない.この中で最も重要な薬学的知識は,患者個々に適した医薬品の選択,用法用量の設定など,リスクを極力少なくして治療効果を最大化する手法を取り扱う「薬物動態学」である.
 明らかに間違っている処方はもちろん,特に問題はないが最近のエビデンスから考えて「よりよい」「最もよい」と思われる処方がある場合は,薬剤師は医師に照会の上,これらを提案していくことが求められる.最近は,十分な処方チェックが行われずに過誤が起こった事例がしばしば報道されており,また不十分な鑑査に対して裁判で薬剤師の責任を問う判例も出てきている.医薬分業を真に中身のあるものにするためには,個々の薬剤師の処方適正化技能,とりわけ臨床薬物動態学の知識のブラッシュアップが欠かせない.
 本書は「薬物動態学的知識は医療薬学の重要目標である『医薬品適正使用』と『育薬』を完遂するための一手段」と捉え,「この薬物動態学の手法によってもたらされる新規エビデンスが最適な薬物治療を実践するために極めて重要な役割を担う」ことを実体験できる,これまでにないユニークな薬物動態学の教科書である.読者はまず,薬物動態学の概念を把握し,薬物動態学を実施するための基礎方法論を習得するとともに,これを実際に利用した医薬品適正使用の事例を「医師の処方設計に対する薬剤師からの薬学的支援」という観点から実践的に学ぶことができる.薬学生や薬剤師が処方設計支援,処方チェックを的確に実践するための臨床薬物動態学を学ぶ場合,このような体系的かつ実際処方に基づく理解が最も効率的と考えて,本書を企画した.薬剤師が,医師のため,そして最終的には患者のために,よりよい,さらには最良の処方設計支援と処方チェックを実践していく上で,この本が少しでもお役に立てば幸いである.

 2009年8月
 澤田康文
目 次
I 基礎編
 第1章 基礎的な表現法
 第2章 素過程と統合

II 応用編
 第3章 最適な用法用量の設定(疾患別)
 第4章 最適な用法用量の設定(患者背景別)
 第5章 PKに基づく相互作用の回避
 第6章 PDに基づく相互作用の回避
 第7章 治療効果の評価
 第8章 副作用・有害作用の回避

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