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糖尿病療養指導士のための糖尿病外来ケア・チェックシート

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実際に患者に接することが多い糖尿病療養指導士に向けた、外来ですぐ役に立つ患者ケアのチェックシート。このチェックシートで患者ケアの質の向上と療養指導士の知識と技能のレベルアップが図れるように編集した本。教科書のように読まなければ使えないというのではなく、日常臨床の現場で使用できるように工夫している。
編集 吉岡 成人
発行 2006年02月判型:B5頁:144
ISBN 978-4-260-00224-0
定価 2,530円 (本体2,300円+税)
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  • 目次
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1 初診糖尿病患者チェックシート
2 糖尿病の病型・病期分類チェックシート
3 糖尿病の慢性合併症チェックシート
4 大血管障害(動脈硬化)チェックシート
5 外来診療チェックシート
6 食事指導チェックシート
7 運動療法チェックシート
8 薬物療法チェックシート
9 生活指導チェックシート
10 患者心理チェックシート
Appendix
 1 入院用クリニカルパス・チェックシート
 2 CDEのためのカンファレンス・チェックシート
キーワード・インデックス

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指導の質向上につながるチェックシートを多数収載
書評者: 田嶋 佐和子 (関西医大枚方病院・管理栄養士)
 2001年度から糖尿病療養指導士制度が本格的に発足し,糖尿病の療養指導に従事するコメディカルの多くがこの資格を有すべく講習会に参加し,試験を受け,糖尿病療養指導士となった。糖尿病の療養指導に従事するコメディカルは,この制度が発足したおかげで一定のレベルで糖尿病について知識を持つことができたと考えられる。筆者も糖尿病療養指導士の受験のために相当勉強したし,大変だったことを覚えているが,試験勉強はやはり必要なもので集中的にそれぞれの知識を関連付けることで糖尿病への理解が深まり,指導方法が変わってきたように思う。

 せっかく糖尿病に対する知識を得たことで,自らの療養指導に変化がでてきたように感じるならば,もっと得た知識を抜けることなく活用することができないか。また覚えていたはずなのに忘れてしまっていることはないだろうか。

 本書は,試験勉強と実際の指導をうまくつなぐために手元に置いておきたい1冊である。糖尿病療養指導を行ううえで,押さえておきたい項目ごとにチェックシートが紹介され,チェックシートに関連する説明事項が対応する形で書かれている。各項目それぞれは,糖尿病療養指導を行うにあたり押さえておきたい病態を見極められるチェックシート,療養指導には欠かせない3本柱,「食事・運動・薬物」のチェックシート,患者心理のチェックシート等に分かれており,今使いたいところから利用できるようにできている。さらに,各チェックシートには,番号がつけられ,チェック内容の詳細が見開きに解説されている。これは,つい忘れがちな細かい値などを見開きで見ることができ,とても便利に思われた。

 日常診療の場では,チェックシートを作りたいと考え,いくつか聞きたい項目があっても,いざ作るとなると,どこまで細かく聞けばよいのか,どのような順番で聞くのがよいのかなど迷うことが多い。本書はこのような場合の手助けになるであろうし,本書のチェックシートをもとに,実際に自分が働く環境(患者像,診察時間,人員など)にあわせて作り変える作業を行えば,改めて自らの糖尿病療養指導を見直すきっかけを作ることができるであろう。チェックシートを用いることで患者様への療養指導の質を上げるという意味でも,自分のスキルアップに活かすという意味でも,ぜひ活用したい。
糖尿病患者に関わる全ての医療従事者に
書評者: 金井 千晴 (日本看護協会看護研修学校専任教員・糖尿病看護学)
 本書は,糖尿病の病態・治療・療養指導の項目ごとにチェックシートが作成され,それぞれに解説を加える構成となっている。解説を読むことによって最新の知見が得られ,三大合併症についてはさら詳しい解説がコンパクトにまとめてある。病態のチェックシートでは,診療録を読みこなすためのポイントがおさえられ,治療のチェックシートでは,治療内容や患者の治療に対する取り組みが把握できる。また,療養指導のチェックシートでは患者の生活状況を知ったうえで,患者に必要な療養指導項目をピックアップできる。まさに,糖尿病療養指導士をはじめとする糖尿病患者に関わる医療者が臨床現場ですぐに使える実践書になっている。

 在院日数の短縮化など社会情勢の変化によって,糖尿病は外来での療養指導にシフトしつつある。糖尿病患者は増加の一途を辿っており,臨床現場では多忙な日常業務の中での療養指導に苦慮している。このような状況下では,簡便かつ誰が見てもその患者を把握し,指導できるようなツールが必要である。本書のチェックシートを活用することによって,医療者の経験差にかかわらず,患者情報を漏れなく網羅でき,質の高いケアの提供に繋がるであろう。患者に適した療養指導は,患者が生活の中で実践可能かつ継続できる方法を見出せることであり,患者の病態・治療・生活状況をしっかり把握することが必須となる。また,チーム医療の推進においても,患者情報の共有化を図る上で有用である。チェックシートはそのまま使用できるが,施設の実情に合わせてアレンジすることで,より実用的なものになるであろう。

 解説により,チェックシートの情報をどう解釈・活用していけばよいか示唆を得られるため,療養指導時に活用するだけでなく,療養指導に携わる部所での新人教育にも活用できる。

 「糖尿病療養指導士のための」という題名ではあるが,本書は糖尿病患者に関わる全ての医療者が活用できる一冊であり,本書が広く活用されることを期待する。

CDEJの強力な味方 実践に即した着目点を収録
書評者: 朝倉 俊成 (新潟薬科大助教授・薬学部)
 2000年に発足した日本糖尿病療養指導士(CDEJ:Certified Diabetes Educator of Japan)は,多くの糖尿病患者さんの療養生活について糖尿病を専門とする医療スタッフでサポートするために誕生した。2006年で6年目を迎えるが,残念なことに臨床現場でCDEJとしての力を思いきり出しているスタッフは多いとはいえない。その最大の理由は,多忙な臨床業務の中で患者さんの療養生活や心理を聞き出しながら,糖尿病治療に関するプロブレムを整理する余裕がないからではないだろうか。特に,入院とは違って,患者さんとの1本勝負である外来でのケアは,“CDEJとしての視点(着目点)”の良し悪しが大きな鍵となる。すなわち,いくら有能であっても,現在の多忙な外来診療の中で,十分な時間をかけて患者ケアを考えることが可能なCDEJは少ない。

 そのような時に発売された本書は,CDEJのためにまとめられた実践書であり,これを活用することでCDEJとして必要な“着目点”を効率よく押さえることができる画期的な書籍である。決して初めから通し読みしなければならないという教科書ではない。したがって,本書の使用法は実践に即して多岐にわたる。外来患者さんにあわせてチェックシートを短時間で完成させることに用いるのもよいし,スタッフ間の啓発活動の一環として,模擬患者を提示しながらチェックポイントと解説を読みながらディスカッションすることで患者ケアの訓練を行うことも可能である。さらには,糖尿病のクリティカルパスを運用する上でのバリアンス評価の基準作りや,療養指導計画立案での項目作成に非常に役立つものと考える。つまり,本書は糖尿病療養指導の実践的ケアのエッセンスを非常に効率よく習得できるようまとめ上げられたもので,常に座右に置きたい1冊である。CDEJであっても,またこれからCDEJを目指すコメディカルや,専門病院のスタッフであっても,近くに糖尿病専門医がいない環境下であっても,本書が強い味方になることは間違いない。

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