臨床老年医学入門
すべてのヘルスケア・プロフェッショナルのために
すべての医療職に向けた老年医学の実践書
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世界に類例をみない急激な老齢人口の増加に対して、わが国の医療はこれからどう対応すべきか。医療経済的にも多大な影響を与えるFrailty(脆弱高齢者)をどうケアするかを中心に、集積されたevidence basedのデータを踏まえつつ、成功加齢への途を探る。すべての医療職に向けた老年医学の実践書であり、現在の老年医学研究の到達点とその臨床応用を平易に解説している。
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- 書評
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開く
監修の序
プロローグ
第1部 老年医学の理解
第1章 臨床医学とは
第2章 健康の捉え方と対応の変化
第3章 医療への取り組み
第4章 医療情報の集め方
第5章 高齢者の健康問題の捉え方
第6章 老年医療の特殊性とその内包
第7章 高齢者における健康評価:生き方に重点をおくこと
第8章 高齢者のfrailty(脆弱化)
第9章 健康評価の実際
第2部 脆弱高齢者のケア
第1章 ケアの基本的な考え方
第2章 高齢者における薬物療法
第3章 認知障害と認知症
第4章 うつ
第5章 心臓・血管疾患
第6章 心不全
第7章 呼吸器疾患
第8章 悪性腫瘍:加齢とともに増える癌
第9章 終末期(end of life)のケア
第10章 転倒と活動障害
第11章 変形性関節症(osteoarthritis:OA)
第12章 骨粗鬆症
第13章 疼痛
第14章 たんぱく質・エネルギー・低栄養状態
第15章 褥瘡(pressure ulcer;PU)
第16章 失禁
第17章 視覚の障害
第18章 聴覚の障害
第19章 嗅覚と味覚の異常
第20章 睡眠障害
第21章 便秘
第22章 皮膚に関するプロブレム
エピローグ
付録
[補遺1]問診票(新老人HRV健診用)
[補遺2]MINI-MENTAL STATE EXAMINATION
索引
プロローグ
第1部 老年医学の理解
第1章 臨床医学とは
第2章 健康の捉え方と対応の変化
第3章 医療への取り組み
第4章 医療情報の集め方
第5章 高齢者の健康問題の捉え方
第6章 老年医療の特殊性とその内包
第7章 高齢者における健康評価:生き方に重点をおくこと
第8章 高齢者のfrailty(脆弱化)
第9章 健康評価の実際
第2部 脆弱高齢者のケア
第1章 ケアの基本的な考え方
第2章 高齢者における薬物療法
第3章 認知障害と認知症
第4章 うつ
第5章 心臓・血管疾患
第6章 心不全
第7章 呼吸器疾患
第8章 悪性腫瘍:加齢とともに増える癌
第9章 終末期(end of life)のケア
第10章 転倒と活動障害
第11章 変形性関節症(osteoarthritis:OA)
第12章 骨粗鬆症
第13章 疼痛
第14章 たんぱく質・エネルギー・低栄養状態
第15章 褥瘡(pressure ulcer;PU)
第16章 失禁
第17章 視覚の障害
第18章 聴覚の障害
第19章 嗅覚と味覚の異常
第20章 睡眠障害
第21章 便秘
第22章 皮膚に関するプロブレム
エピローグ
付録
[補遺1]問診票(新老人HRV健診用)
[補遺2]MINI-MENTAL STATE EXAMINATION
索引
書評
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重要課題を総括 高齢医学・医療の入門書
書評者: 祖父江 逸郎 (名古屋大学,愛知医科大学名誉教授/国立療養所中部病院(現国立長寿医療センター)名誉院長)
この度,日野原重明監修,道場信孝著『臨床老年医学入門―すべてのヘルスケア・プロフェッショナルのために』が,医学書院から上梓された。著者の道場先生は,日野原先生と一緒に「新老人の会」を推進し,新しい感覚でわが国の高齢者問題に精力的に取り組んでおられ,実地臨床の経験も豊富な第一人者で,最適任である。
わが国では,急速に高齢化が進み,今や超高齢社会を迎え,医療の中で高齢者医療の占める割合は高く,すべての医療従事者にとっても最も身近なテーマになりつつある。従って,日常の臨床各科においても高齢医学・医療についての全般的な理解と高齢者を対象とした基本的,包括的な対応が要求されている。こうした情況の中で,臨床にすぐさま活用可能な高齢医学・医療についての充実した内容で,しかもハンディな入門手引書が切望されていたが,まさに本書はその要望に十分応えるもので,その意義は極めて大きい。
本書には,以下のようないくつかの特色がある。(1)高齢者をより全般的な視点からとらえ,胞弱高齢者の概念と特性を浮き彫りにしている。(2)包括的ケア,QOLなどを含め,高齢者医療を実践する上で必要な基本的,具体的事項を明確にしている。ことにケースマネジャーの役割,外来医療での専門ナースの活用を重視していることは異色。(3)
EBMに基づいた最新の医学,医療情報をしっかり取り入れている。(4)記述は平易で格調高く,エッシェンシャルをコンデンスし,具体症例,図表なども多く理解しやすい。
生理的老化と,遺伝,生活習慣,社会・自然環境など諸条件により生ずる病的老化との組み合わせで,高齢者特有の病態が作られ,それに対応する保健医療福祉の統合的考え方により,高齢医学・医療の特徴が生まれる。実践の現場では,さまざまな問題が山積みされている。本書はそうした臨床の実際に極めて有用な指針となる。
本書の内容構成は2部に分けられている。
第1部は総論で,臨床医学全般,新しい老人像,当面する高齢者の健康諸問題,緩和ケア,高齢者の健康評価,胞弱性,高齢者医療の実際,特殊性など9章にわたり要領よくまとめられている。第2部は各論で,高齢者のケア,薬物療法など臨床での注意すべき点を概括し,認知症,うつ,心血管症患,呼吸器疾患,悪性腫瘍,変形関節症,骨粗鬆症をはじめ,転倒,褥瘡,疼痛,栄養など高齢者にとって最も核心的な臨床的問題を2つの章に分けて詳述している。付録の問診票,MMSEも臨床での活用度が高い。以上からもわかるように,高齢医学・医療での重要な課題はすべて網羅し,しかも最新情報でコンパクトにまとめられている。
本書の全体的なユニークさは,高齢社会の保健医療福祉を担うすべてのヘルスケア・プロフェッショナルに極めて有用なことはもちろん,高齢医学,医療を専門とする臨床家にとっても新鮮さがあり参考となるところも少なくない。ぜひ一読されることを切望する。
書評者: 祖父江 逸郎 (名古屋大学,愛知医科大学名誉教授/国立療養所中部病院(現国立長寿医療センター)名誉院長)
この度,日野原重明監修,道場信孝著『臨床老年医学入門―すべてのヘルスケア・プロフェッショナルのために』が,医学書院から上梓された。著者の道場先生は,日野原先生と一緒に「新老人の会」を推進し,新しい感覚でわが国の高齢者問題に精力的に取り組んでおられ,実地臨床の経験も豊富な第一人者で,最適任である。
わが国では,急速に高齢化が進み,今や超高齢社会を迎え,医療の中で高齢者医療の占める割合は高く,すべての医療従事者にとっても最も身近なテーマになりつつある。従って,日常の臨床各科においても高齢医学・医療についての全般的な理解と高齢者を対象とした基本的,包括的な対応が要求されている。こうした情況の中で,臨床にすぐさま活用可能な高齢医学・医療についての充実した内容で,しかもハンディな入門手引書が切望されていたが,まさに本書はその要望に十分応えるもので,その意義は極めて大きい。
本書には,以下のようないくつかの特色がある。(1)高齢者をより全般的な視点からとらえ,胞弱高齢者の概念と特性を浮き彫りにしている。(2)包括的ケア,QOLなどを含め,高齢者医療を実践する上で必要な基本的,具体的事項を明確にしている。ことにケースマネジャーの役割,外来医療での専門ナースの活用を重視していることは異色。(3)
EBMに基づいた最新の医学,医療情報をしっかり取り入れている。(4)記述は平易で格調高く,エッシェンシャルをコンデンスし,具体症例,図表なども多く理解しやすい。
生理的老化と,遺伝,生活習慣,社会・自然環境など諸条件により生ずる病的老化との組み合わせで,高齢者特有の病態が作られ,それに対応する保健医療福祉の統合的考え方により,高齢医学・医療の特徴が生まれる。実践の現場では,さまざまな問題が山積みされている。本書はそうした臨床の実際に極めて有用な指針となる。
本書の内容構成は2部に分けられている。
第1部は総論で,臨床医学全般,新しい老人像,当面する高齢者の健康諸問題,緩和ケア,高齢者の健康評価,胞弱性,高齢者医療の実際,特殊性など9章にわたり要領よくまとめられている。第2部は各論で,高齢者のケア,薬物療法など臨床での注意すべき点を概括し,認知症,うつ,心血管症患,呼吸器疾患,悪性腫瘍,変形関節症,骨粗鬆症をはじめ,転倒,褥瘡,疼痛,栄養など高齢者にとって最も核心的な臨床的問題を2つの章に分けて詳述している。付録の問診票,MMSEも臨床での活用度が高い。以上からもわかるように,高齢医学・医療での重要な課題はすべて網羅し,しかも最新情報でコンパクトにまとめられている。
本書の全体的なユニークさは,高齢社会の保健医療福祉を担うすべてのヘルスケア・プロフェッショナルに極めて有用なことはもちろん,高齢医学,医療を専門とする臨床家にとっても新鮮さがあり参考となるところも少なくない。ぜひ一読されることを切望する。
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