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医療福祉総合ガイドブック 2018年度版


編集:NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会

  • 判型 A4
  • 頁 312
  • 発行 2018年04月
  • 定価 3,564円 (本体3,300円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03586-6
必要な医療福祉サービスが見つかる! わかる! 活用できる!
医療福祉サービスを利用者の生活場面に沿って解説したガイドブックの2018年度版。最新情報のフォロー、解説の見直しなどでより理解しやすい内容に! 医療保険、生活保護、年金保険、介護保険、障害者総合支援法、子どものいる家庭への支援、自然災害に対応する支援等、全国共通で利用頻度の高い制度から地域によって異なるサービスまで幅広く網羅。利用者からの相談に素早く、より確実に対応したい、医療福祉関係者必携の1冊。
序 文
はじめに

■連携のための共通言語は社会資源の知識
 高齢者領域を主とした医療・介護の連携として「地域包括ケア」の展開が進められていますが,今般,障害者,子育て中の人,生活困窮者など広い領域を含めた,「我が事...
はじめに

■連携のための共通言語は社会資源の知識
 高齢者領域を主とした医療・介護の連携として「地域包括ケア」の展開が進められていますが,今般,障害者,子育て中の人,生活困窮者など広い領域を含めた,「我が事・丸ごと」の「地域共生社会」の実現に向けた取り組みが行政の主要テーマになっています。そこでは,地域創生,まちづくりなどの視点も加わり,医療・介護の専門職の連携のみならず,住まい・建築・企業・一般市民など,地域住民の支え合いまでも想定されています。お互いの知恵と力を出し合って地域での生活を支え合っていくときには土台がいります。よって立つ足場は,やはり,社会資源である社会福祉,社会保障制度といえます。そのため,「地域共生社会」に向けて連携する際の共通言語は,社会福祉,社会保障制度の知識だと考えています。
 本書は,生活を支える制度を知りたいと手に取っていただく一般の人たちはもとより,特に「地域共生社会」構築にかかわる広い分野の人々の共通言語の水先案内人となることも目指しています。

■執筆陣の知恵
 本書は単なる情報解説本と一線を画しています。日々,医療・福祉・介護の現場で窮状にある人々に向かい合い,彼/彼女らのよりよい生活が叶うよう,悪戦苦闘しているソーシャルワーカーたちが,業務や活動のプロセスで育まれた制度利用の知恵を本書に惜しみなく凝縮させているからです。
 複雑な制度をわかりやすく伝えるために勤務後にディスカッションを重ね,図表をつくったり,Q&Aで解説したり,あるいは事例を紹介するなどして,表現を工夫し,年々進化を遂げています。本文の「コメント」「ミニ知識」は,「制度利用に際して思わぬ損失にならないように」と,現場からの注意喚起として発信しています。また,医療,生活保護,介護,高齢者,障害者,児童など,各分野を関連付けて解説していることも他に類を見ません。医療・福祉・介護の現場では1つの制度利用で解決する場合ばかりではありません。多くの場合,相談の対象になる個人,そして家族は複数の問題を抱えているので,分野を超えて制度を利用する必要があります。行政の窓口のように単一の制度解説を行うだけでは生活を支えることにならないことをソーシャルワーカーたちは身をもって体験しているため,制度間を横断的に編集しています。

■地域で異なる社会資源の確認を
 本書は広島県,広島市の例を多く挙げています。それは本書を作成するきっかけが広島の医療ソーシャルワーカーを中心とした活動にあったことによります。しかし,医療福祉サービスのメニューは各自治体で異なる場合があるため,お住まいの行政窓口などで詳細をお調べください。よりよいサービスがあれば私たちに教えてください。その積み重ねが,今後のサービスの拡充に繋がると考えます。
 これからも,本書が医療福祉のよりよい水先案内人であり続けるよう,努力を重ねてまいります。

■本書の工夫
 本書では,より読みやすく,利用しやすいように以下の点に留意しています。
本書の編集は,「もし,自分が利用するならば……」と自問しながら,進めています。
1)法律や役所から示されている説明文を載せるのではなく,すべての解説を利用者にわかりやすく言い換えました。
2)制度をひとことで説明する見出しをつけました。
3)「内容」「利用できる人」「利用者負担」「利用の方法」「コメント」など見出しをつけて,各項目はできる限り箇条書きで表記しました。
4)医療ソーシャルワーカーが相談に用いる図,表,イラストをふんだんに使いました。
5)医療ソーシャルワーカーの視点から全体を構成して,「コラム」「ミニ事例」「ミニ知識」などを通じて医療・福祉を総合的に補足しています。
 現場で実践しながら,本書の出版を継続させるため長きにわたり情報を収集し続け,わかりやすく伝えるために創意工夫しながら執筆に携わっているソーシャルワーカーの仲間たちの存在を心強く思います。そして,本書の発行に向け,私たち執筆者とともに編集制作作業を続けてくださっている,医学書院の吉田拓也さん,加藤寛之さんに深謝いたします。
 執筆者らの心の底に流れる「利用者のために意を尽くそう」という思いをくみ取っていただければ大きな喜びです。

 なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。

 2018年3月
 執筆者一同

 本書は2018年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合があるため,あらかじめご了承ください。
目 次
I 社会保障のしくみ
 社会保障のしくみ
  (1)社会保障の背景―拡大・深刻化する生活問題
  (2)社会保障の動向
  (3)社会保障制度の概要
  (4)社会保険と民間保険
 地域包括ケアシステム
  新しい「地域包括ケアシステム」の動向
 サービス利用の窓口,支援する人・制度

II 医療サービス
 医療提供のしくみ―適切な医療を受けるために
  (1)医療機関の構成
   A 医療法による区分
   B 診療報酬制度による区分
   C 医療対策・医療関連各法による区分(拠点病院)
   D その他の法による区分
  (2)病棟・病床の種類
   A 病棟・病床の機能・特徴
  (3)在宅生活を支える地域資源
  (4)精神科における医療サービス
   A 精神科という医療への受診
   B 入院
   C 入院の形態
   D 退院請求・処遇改善請求
   E 在宅へ向けて利用できるサービス
   F 在宅
 医療に関する諸制度
  (1)医療保険制度や諸制度
  (2)医療費自己負担を軽くするために
   A 高額療養費制度
   B 医療費軽減制度
   C 自治体によって異なる医療費補助
   D 被害者救済医療
   E 税制上の軽減制度

III 生活(費)としごと
 生活と生活費
  (1)公的扶助
  (2)生活困窮者自立支援制度
  (3)住居確保困難者の支援
  (4)刑余者への支援
  (5)資金貸付制度
  (6)年金保険制度
   A 国民年金
   B 厚生年金(老齢厚生年金)
   C 障害年金
   D さまざまな年金
  (7)公共料金等の減免・割引
 しごと
  (1)最低賃金制度
  (2)雇用保険制度
  (3)就職支援
  (4)労働法

IV 高齢者サービス
 高齢者サービスのガイド
  (1)介護保険のしくみと手続き
  (2)相談するところ
 高齢者サービスの実際
  (1)介護保険サービスの費用
  (2)サービス提供事業所
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス
 税制上の軽減制度
 高齢者の権利擁護

V 障害児・者サービス
 障害児・者サービスのガイド
  (1)身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
  (2)手帳で利用できる制度
  (3)発達障害者への支援
  (4)高次脳機能障害者への支援
  (5)難病患者への支援
 障害児・者サービスの実際
  (1)相談するところ
  (2)障害福祉サービスのしくみ
   A サービス利用の流れ
   B 障害支援区分の認定・調査時のポイント
   C サービスの種類
  (3)障害児サービスのしくみ
   A サービス利用の流れ
   B サービスの種類
  (4)障害児・者の費用負担
   A 障害者の費用負担
   B 障害児の費用負担
   C 補装具の費用負担
   D 日常生活用具の費用負担
   E 費用負担の軽減措置
  (5)障害福祉サービスと介護保険
 住まい
  (1)共同生活するところ
  (2)居住サポート
  (3)公営住宅への入居
  (4)住宅の改造
 暮らすところで利用するサービス
  (1)介護サービス
  (2)暮らしを豊かにする用具
 出向いて利用するサービス
  (1)介護サービス
  (2)活動支援のサービス
 外出するときに利用するサービス
  (1)介護サービス
  (2)のりもの
  (3)自動車に関する制度
 子どもが利用するサービス
  (1)障害児通所支援
  (2)障害児入所支援
  (3)居宅訪問型児童発達支援
 しごと
 手当
 自助グループ(セルフヘルプグループ)
 障害者の権利擁護
   A 障害者に対する虐待防止法と支援のしくみ
   B 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)

VI 家庭・児童(子ども)のために
 家庭・児童(子ども)のために
  (1)子どもの手当
  (2)医療費自己負担の軽減
  (3)妊娠・出産する女性のための制度
  (4)乳幼児・児童の保護と育成
   A 相談するところ
   B 入所施設
   C 社会的扶養
   D その他
  (5)子育てサポート
  (6)ひとり親家庭支援
   A 子育て・生活支援
   B 経済支援
   C しごと
  (7)就学のための支援
  (8)児童虐待防止法と支援
   A 児童虐待とは
   B 支援の内容
  (9)配偶者暴力防止法と支援
   A 配偶者暴力防止法
   B 被害者への支援

VII 自然災害等にあった人のために
 自然災害等にあった人のために
  (1)大規模自然災害等の保障
  (2)医療サービス
  (3)生活と住まい・しごと
   A 生活
   B 住まい
   C しごと
  (4)高齢者サービス
  (5)母子・父子(ひとり親),乳幼児,児童のために
  (6)その他の支援
 原子力災害にあった人のために
  (1)医療サービス
  (2)住まい
  (3)その他の支援

資料編
索引

column
 医療的ケア児と母親が安心して暮らせる支援を求めて
 退職後の傷病手当金ここがポイント
 就労世代のがん治療費について考えよう
 病床の種類により入院にかかる費用が異なることをご存じですか
 医薬品副作用被害救済制度
 健康保険等の取り扱いが変わる!
 健康で文化的な生活を脅かす生活保護基準の引き下げ
 自立支援プログラムを積極的に活用しよう!
 障害が複数あるときの認定(差引認定・併合認定・総合認定)
 退職前に気をつけること(1)
 退職前に気をつけること(2)
 世代を越えて
 同居家族がいる場合の家事の援助
 いつまでも,住み慣れた地域で,私の望む生活を
 就労継続支援A型事業所について
 メイク・ア・ウィッシュ 難病と闘う子どもたちの夢を叶えるボランティア団体
 いのちとくらしを守るために

ミニ知識
 悲しみのなかでも必要な各種手続き
 地域連携パスの利用
 がん就労相談
 訪問診療と往診の違い
 紹介状なしで受診するときには気をつけましょう
 労災保険のメリット制
 療養費の支給
 生活保護の相談・開始・適用に関する厚生労働省通知
 生活保護手帳と別冊問答集
 冬季加算
 生活保護の内容で知っておきたいこと
 不服申立て(審査請求前置主義)
 民生委員
 保護司
 「初診日」と「初診日を証明する書類」に注意してください
 障害認定日以降に症状が重くなった場合にも請求できます
 育児・介護休業法の改正──仕事と家庭生活を両立
 無期転換ルール
 アルコール依存症の人がたどるプロセス
 特別児童扶養手当等の給付(生活保護受給家庭の場合)
 産科医療補償制度
 小児救急電話相談#8000
 ひとり親を雇用する事業主に対する制度

ミニ事例
 生活困窮者自立支援制度で自立